19.ふたりの博徒*
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私は、ぎゅっと目を瞑った。
「うん……!」
まさか、こんなに簡単なことだったとは。
この私が、アカギといられる……!
ほんとうに、うれしい。
いつまでかなんて、期日もないけど、もう、そんなこと知らない。
知るもんか。絶対、アカギを私のものにしてみせる。
アカギは、ふうと息をついた。
「なあに?」
「ああ。ここ、出て行こうと思って」
私は、突拍子もないが、まるで予想通りなアカギの発言に、笑みを浮かべた。
「今度はどうするの?」
「とりあえず、決まった宿なんて持たずに、その日暮らしで賭場を回るつもり」
「何それ、とっても素敵」
きらきらと目を輝かせる。
「じゃあ私、アカギの勝負も見れるし、私も人目を気にせず勝負できるし、しかも、アカギとも勝負できる!」
「ま、そういうこと」
それっきり黙ったアカギに、私はにやりとして話しかけた。
「なんだかんだ、私と賭場を駆け巡るのが楽しみなんでしょ? 分かってるんだから」
「さぁな……」
一見冷たくあしらわれたが、アカギは続けた。
「でも、ま、あんたがいれば退屈しないだろうね」
「……! ほ、本当に」
「ああ」
私は、その言葉に熱くなる。
アカギにここまで言わせた女って、いや、女じゃなくとも、そんな人いないでしょ!
私が、この東雲舞美だけがアカギの隣にいることを許されたんだもの。
「うれしい」
よし、密かに誓おう。
いつか、いつか私も、アカギの心を喰ってやる。
私がアカギに喰われたみたいに。
アカギは私に夢中になれば良いんだわ。
待ってなさい。最後には私が勝つんだから。
「アカギ」
「ん……」
ふと名前を呼ぶ。
すると、アカギは甘えるように、私の肩のあたりで頭をぐりぐりと押し付けてきた。
私はそんなアカギに驚きつつも、手を伸ばし後ろのアカギの頭を撫でた。
猫みたい。
「どうしたんですか、アカギさん」
少し照れたので、おどけて言う。
アカギは、くあぁ、とあくびをした。
「疲れた。ねみい」
そうだった。一応、ちょっと前まで彼は組に軟禁されていたんだった。ということは、大きな勝負の直後ということか。
それなのに、アカギは何度も私の相手をして……。って、私、結構愛されてるのかも。
頰がほころんでしまう。私は、それを隠すように言った。
「じゃあ、もう寝ましょ」
「ん」
アカギは、既に私に回してある腕に、きゅーっと力を入れてから、眠りにつこうとしている。
私は「おやすみなさい」と口にして、アカギに抱かれたまま、目を閉じた。
「……おやすみ」
アカギの存在と幸せを、真後ろで感じながら。
「うん……!」
まさか、こんなに簡単なことだったとは。
この私が、アカギといられる……!
ほんとうに、うれしい。
いつまでかなんて、期日もないけど、もう、そんなこと知らない。
知るもんか。絶対、アカギを私のものにしてみせる。
アカギは、ふうと息をついた。
「なあに?」
「ああ。ここ、出て行こうと思って」
私は、突拍子もないが、まるで予想通りなアカギの発言に、笑みを浮かべた。
「今度はどうするの?」
「とりあえず、決まった宿なんて持たずに、その日暮らしで賭場を回るつもり」
「何それ、とっても素敵」
きらきらと目を輝かせる。
「じゃあ私、アカギの勝負も見れるし、私も人目を気にせず勝負できるし、しかも、アカギとも勝負できる!」
「ま、そういうこと」
それっきり黙ったアカギに、私はにやりとして話しかけた。
「なんだかんだ、私と賭場を駆け巡るのが楽しみなんでしょ? 分かってるんだから」
「さぁな……」
一見冷たくあしらわれたが、アカギは続けた。
「でも、ま、あんたがいれば退屈しないだろうね」
「……! ほ、本当に」
「ああ」
私は、その言葉に熱くなる。
アカギにここまで言わせた女って、いや、女じゃなくとも、そんな人いないでしょ!
私が、この東雲舞美だけがアカギの隣にいることを許されたんだもの。
「うれしい」
よし、密かに誓おう。
いつか、いつか私も、アカギの心を喰ってやる。
私がアカギに喰われたみたいに。
アカギは私に夢中になれば良いんだわ。
待ってなさい。最後には私が勝つんだから。
「アカギ」
「ん……」
ふと名前を呼ぶ。
すると、アカギは甘えるように、私の肩のあたりで頭をぐりぐりと押し付けてきた。
私はそんなアカギに驚きつつも、手を伸ばし後ろのアカギの頭を撫でた。
猫みたい。
「どうしたんですか、アカギさん」
少し照れたので、おどけて言う。
アカギは、くあぁ、とあくびをした。
「疲れた。ねみい」
そうだった。一応、ちょっと前まで彼は組に軟禁されていたんだった。ということは、大きな勝負の直後ということか。
それなのに、アカギは何度も私の相手をして……。って、私、結構愛されてるのかも。
頰がほころんでしまう。私は、それを隠すように言った。
「じゃあ、もう寝ましょ」
「ん」
アカギは、既に私に回してある腕に、きゅーっと力を入れてから、眠りにつこうとしている。
私は「おやすみなさい」と口にして、アカギに抱かれたまま、目を閉じた。
「……おやすみ」
アカギの存在と幸せを、真後ろで感じながら。