19.ふたりの博徒*
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「それ、どういう意味?」
アカギらしからぬ発言に、私は喜ぶより先に、まず困惑した。
「そのまんまの意味だけど」
アカギは不機嫌そうに言った。
「だってあんた、オレにどうやって捨てられるかをよく考えてるでしょ」
「あ……!」
言われて、初めて気づいた。
私、アカギが私をずっと側に置いておくはずがないから、いつか捨てるはずだって勝手に思い込んでいた——まあ、それは正しいかもしれないけど——私は、アカギに惚れていながらも、いつ別れるかってことばかり考えてしまっていたんだ。
女にとって、恋愛は勝負事と同じ。
それなのに、どうせ無理だとアカギを手に入れようとしなかった。むしろ、彼は私をいつまで置いておくだろう、とか、飽きられるまではできるだけ長く居たい、なんて甘いことを考えていた。
それは、言いかえると、直接 “勝ち” を目指さずに、“負け” を前提として、ゲームを進めていくようなものだ。勝ちを追わず、損の少ない負けを目指してしまっていた。
なんて不毛なんだろう。
「勝手に先のこと考えて恐がって。結局、あんたは飽きられる前に、先にオレから離れようとしてる。自覚ないみたいだけどね」
ああ、でも、言われてみれば、私はそんな言動が多かった気がする。
とにかく、アカギを留めておこうとはしなかった。どうせいつか捨てられるんなら、綺麗に捨てられたい。そんな思いが核として私の中に存在したのだ。
「ま、それがあんたらしいと言えばあんたらしい」
私は、口を開いた。
「でも、アカギは自由気ままだし、それに、嫌いでしょ……? ベタベタされるのって」
不安げに言うと、アカギは小さく咳払いをした。
「あんただけは、嫌じゃない」
アカギは、その吐息がかった声で、私を惑わせる。
「つまんねえこと考えないで、あんたはオレといればいい」
そして、トドメを刺すようにこう言った。
「オレの言うこと、なんでも聞いてくれるんでしょ……?」
アカギらしからぬ発言に、私は喜ぶより先に、まず困惑した。
「そのまんまの意味だけど」
アカギは不機嫌そうに言った。
「だってあんた、オレにどうやって捨てられるかをよく考えてるでしょ」
「あ……!」
言われて、初めて気づいた。
私、アカギが私をずっと側に置いておくはずがないから、いつか捨てるはずだって勝手に思い込んでいた——まあ、それは正しいかもしれないけど——私は、アカギに惚れていながらも、いつ別れるかってことばかり考えてしまっていたんだ。
女にとって、恋愛は勝負事と同じ。
それなのに、どうせ無理だとアカギを手に入れようとしなかった。むしろ、彼は私をいつまで置いておくだろう、とか、飽きられるまではできるだけ長く居たい、なんて甘いことを考えていた。
それは、言いかえると、直接 “勝ち” を目指さずに、“負け” を前提として、ゲームを進めていくようなものだ。勝ちを追わず、損の少ない負けを目指してしまっていた。
なんて不毛なんだろう。
「勝手に先のこと考えて恐がって。結局、あんたは飽きられる前に、先にオレから離れようとしてる。自覚ないみたいだけどね」
ああ、でも、言われてみれば、私はそんな言動が多かった気がする。
とにかく、アカギを留めておこうとはしなかった。どうせいつか捨てられるんなら、綺麗に捨てられたい。そんな思いが核として私の中に存在したのだ。
「ま、それがあんたらしいと言えばあんたらしい」
私は、口を開いた。
「でも、アカギは自由気ままだし、それに、嫌いでしょ……? ベタベタされるのって」
不安げに言うと、アカギは小さく咳払いをした。
「あんただけは、嫌じゃない」
アカギは、その吐息がかった声で、私を惑わせる。
「つまんねえこと考えないで、あんたはオレといればいい」
そして、トドメを刺すようにこう言った。
「オレの言うこと、なんでも聞いてくれるんでしょ……?」