19.ふたりの博徒*
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布団の上でアカギを待っていると、アカギは向こうからスタスタと歩いてきた。そして、何ということもなく、私の隣に座った。
それから、じっと私の顔を見つめてきた。
「言っとくけど、今日はもう、ダメだから!」
なんとなく身の危険を感じて、先に断っておくと、アカギはクククと笑った。
「分かってるって。あんたの身体だけが欲しいわけじゃないって言ったでしょ」
「あ、そう……。それなら良いけど」
私は濁した。
「なに、もしかしてまだ足りないの」
「違う! 大丈夫だから」
「とんだ淫乱だな。オレは別に構わないよ」
「だから違うって!」
完全に遊ばれてるのがムカつく。
でも、私の心は晴れていた。
「私は今満足してるんだから」
「へえ。なんで?」
「だって、あなたから “すき” って言葉を直接、聞き出せたんだもの」
「ふーん。そんなもん?」
アカギは、私の方を向いて肘をついて寝転がる姿勢になり、煙草ケースを漁って火を付けた。
これは、寝タバコと言うのだろうか。
私はその様子を横目で見ながら、自分も布団に横になった。
「だって、アカギはそんな言葉決して言わないかと思ってたから。だから、嘘でも嬉しいの。十分よ」
そんなことを言うと、アカギは私に布団を掛けながら、「ああ」と思い出したように言った。
「そうだな、あんた、嘘でもいいから、って “お願い” してきたもんな? あれはなかなかクるものがあったぜ」
「そ、そういうつもりで言ったんじゃないけど」
ぎゅっと、掛け布団の端を握る。
アカギを煽るためじゃなくて、ただ、その言葉を聞きたくてお願いしたんだけどな。
でも、それでアカギが興奮してくれたんなら、一石二鳥か。
「やっぱり、変わってるな」
アカギが煙を吐きながら言うので、私はきょとんとした。
「え、何?」
煙草の灰が落ちそうに見えたので、アカギの元へ灰皿を寄せてから、尋ねる。
アカギは軽く礼を言ってから、答えた。
「嘘でも、ってところが、あんたらしいなって思ってさ」
「……そう?」
「普通の女は、なんとかしてオレに愛の言葉を言わせようと頑張るってのに」
「あーハイハイ、普通の女は、ね。アカギさんはおモテになるから、さぞ経験が豊富なんでしょう」
わざと拗ねてみせると、アカギはハハハと笑った。
「うん、あんたは他のどんな女とも違う」
彼の闇を孕んだ無邪気な瞳が私を射抜く。
「あんたみたいな女はどこにもいない」
それから、じっと私の顔を見つめてきた。
「言っとくけど、今日はもう、ダメだから!」
なんとなく身の危険を感じて、先に断っておくと、アカギはクククと笑った。
「分かってるって。あんたの身体だけが欲しいわけじゃないって言ったでしょ」
「あ、そう……。それなら良いけど」
私は濁した。
「なに、もしかしてまだ足りないの」
「違う! 大丈夫だから」
「とんだ淫乱だな。オレは別に構わないよ」
「だから違うって!」
完全に遊ばれてるのがムカつく。
でも、私の心は晴れていた。
「私は今満足してるんだから」
「へえ。なんで?」
「だって、あなたから “すき” って言葉を直接、聞き出せたんだもの」
「ふーん。そんなもん?」
アカギは、私の方を向いて肘をついて寝転がる姿勢になり、煙草ケースを漁って火を付けた。
これは、寝タバコと言うのだろうか。
私はその様子を横目で見ながら、自分も布団に横になった。
「だって、アカギはそんな言葉決して言わないかと思ってたから。だから、嘘でも嬉しいの。十分よ」
そんなことを言うと、アカギは私に布団を掛けながら、「ああ」と思い出したように言った。
「そうだな、あんた、嘘でもいいから、って “お願い” してきたもんな? あれはなかなかクるものがあったぜ」
「そ、そういうつもりで言ったんじゃないけど」
ぎゅっと、掛け布団の端を握る。
アカギを煽るためじゃなくて、ただ、その言葉を聞きたくてお願いしたんだけどな。
でも、それでアカギが興奮してくれたんなら、一石二鳥か。
「やっぱり、変わってるな」
アカギが煙を吐きながら言うので、私はきょとんとした。
「え、何?」
煙草の灰が落ちそうに見えたので、アカギの元へ灰皿を寄せてから、尋ねる。
アカギは軽く礼を言ってから、答えた。
「嘘でも、ってところが、あんたらしいなって思ってさ」
「……そう?」
「普通の女は、なんとかしてオレに愛の言葉を言わせようと頑張るってのに」
「あーハイハイ、普通の女は、ね。アカギさんはおモテになるから、さぞ経験が豊富なんでしょう」
わざと拗ねてみせると、アカギはハハハと笑った。
「うん、あんたは他のどんな女とも違う」
彼の闇を孕んだ無邪気な瞳が私を射抜く。
「あんたみたいな女はどこにもいない」