18.戀愛
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「は……?」
玄関に入ると、そこに、荷物を片手に引っ提げた男が、立ち尽くしていた。
真っ白な髪の色。
「……東雲」
男は、くるりと振り返り、私の名を呼ぶ。
ここを出て行ったはずの、赤木しげるだった。
「はっ」
正直に言うと、私はとても嬉しかった。また帰ってきてくれたんだ、と心の中で喜んだりもした。
でも、1ヶ月ぶりに姿を見せた男に、一度捨てられた女がそう簡単に尻尾を振れる訳がない。
他の男なら簡単に落とせるけれど、なにせ、相手はあのアカギだ。
「なに、生きてたの」
だから、私の第一声はこんなのだった。
アカギと私は、玄関で、正面から見つめあった。
「おかげさまでね」
「それはよかった」
私は一息ついた。
「どうして、そこに突っ立ってるの?」
「……ああ」
アカギは落胆したようだった。
「なに?」
「あんたはオレに、そんなことを聞きたいわけじゃないでしょ」
私は下唇を噛んだ。
「……どこにいたの」
「組のところ」
私は、喉をごくりと鳴らした。
「なんで」
「代打ちの件で、軟禁されてたから」
私は、ぱっと顔を上げた。
アカギが出て行ったのではなく、やむを得ない事情があった? とか?
「それで? あんたの聞きたいことはそれで全部?」
そんなわけない、と口を開く。
「ここに戻ってきたのは、どうして?」
アカギは、間髪入れずに即答した。
「忘れ物」
「……そう」
私は顔を伏せた。
アカギは、私のために戻ってきたわけじゃない。
ただ忘れ物を取りに来ただけか。
アカギにとって、私はただ都合の良い女に過ぎなかったんだ。他の女と同じように。
なんだ。なんだなんだ……。
ふと、アカギが私の腕を取った。
「東雲」
私は、アカギを振り払おうとした。
どうせなら、最後に一回ヤろう とでも思ってるのだろう。
「離して」
「……どうして?」
「これ以上、もう、期待させないでよ。……忘れられなくなる」
アカギは難しく眉をひそめた。
「なに言ってんの」
「なにって、」
私の腕を握る手に力がこもる。
「勝手にオレを忘れるなんて、許すかよ。あんたじゃなきゃ、駄目なんだ」
玄関に入ると、そこに、荷物を片手に引っ提げた男が、立ち尽くしていた。
真っ白な髪の色。
「……東雲」
男は、くるりと振り返り、私の名を呼ぶ。
ここを出て行ったはずの、赤木しげるだった。
「はっ」
正直に言うと、私はとても嬉しかった。また帰ってきてくれたんだ、と心の中で喜んだりもした。
でも、1ヶ月ぶりに姿を見せた男に、一度捨てられた女がそう簡単に尻尾を振れる訳がない。
他の男なら簡単に落とせるけれど、なにせ、相手はあのアカギだ。
「なに、生きてたの」
だから、私の第一声はこんなのだった。
アカギと私は、玄関で、正面から見つめあった。
「おかげさまでね」
「それはよかった」
私は一息ついた。
「どうして、そこに突っ立ってるの?」
「……ああ」
アカギは落胆したようだった。
「なに?」
「あんたはオレに、そんなことを聞きたいわけじゃないでしょ」
私は下唇を噛んだ。
「……どこにいたの」
「組のところ」
私は、喉をごくりと鳴らした。
「なんで」
「代打ちの件で、軟禁されてたから」
私は、ぱっと顔を上げた。
アカギが出て行ったのではなく、やむを得ない事情があった? とか?
「それで? あんたの聞きたいことはそれで全部?」
そんなわけない、と口を開く。
「ここに戻ってきたのは、どうして?」
アカギは、間髪入れずに即答した。
「忘れ物」
「……そう」
私は顔を伏せた。
アカギは、私のために戻ってきたわけじゃない。
ただ忘れ物を取りに来ただけか。
アカギにとって、私はただ都合の良い女に過ぎなかったんだ。他の女と同じように。
なんだ。なんだなんだ……。
ふと、アカギが私の腕を取った。
「東雲」
私は、アカギを振り払おうとした。
どうせなら、最後に一回ヤろう とでも思ってるのだろう。
「離して」
「……どうして?」
「これ以上、もう、期待させないでよ。……忘れられなくなる」
アカギは難しく眉をひそめた。
「なに言ってんの」
「なにって、」
私の腕を握る手に力がこもる。
「勝手にオレを忘れるなんて、許すかよ。あんたじゃなきゃ、駄目なんだ」