18.戀愛
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「んんー……」
目覚めると、アカギが隣で眠っていた。
私の被っている布団に手を置いている。
目が覚めてもアカギがそこにいてくれるこの状況。それはまさに私の念願の景色だった。
起き上がろうとしたが、身体が少し痛かった。それにアカギがこうしてくれるなんて珍しいから、もう少しこうしていようと思った。
それにしても、綺麗で無防備な寝顔。
もしかして、男に狙われたりもするんじゃないか……などと考えてしまう。
本当にそれくらい魅力的。
「……ん。あれ、東雲、起きたの」
私の気配に気がついたのかアカギも目を覚ます。
「おはよう。たった今起きたの」
「……おはよ」
アカギはくあぁ、とあくびした。
それから、もう一度布団に潜り込む。
「起きないの?」
私が布団の中でアカギの方を向いて尋ねると、アカギもこちらを向いた。こんなに近くで向かい合う形になり、少し緊張する。もうあれだけ色んなことをしたっていうのに。
「もう少しこうしてたって良いでしょ」
それはさっき私が考えたことと同じだった。私は息が詰まって、それから、笑った。
「賛成」
私は、たまらなくなってアカギの前髪をいじった。
「なに」
「ん……、寝癖」
「ああ」
ちらりと、アカギに覗き込まれる。
「あんたも、ここ。寝癖だ」
「あら。おあいこさま」
まるで平和な朝。
とは言え、実際は昼だが。
私はアカギの鼓動を感じとるだけで、その息遣いを聞くだけで、彼がそこにいることが分かるだけで、ただただ幸せだった。
たぶん。人は、この幸せを閉じ込めておくために、安定を求めるんだ。私たち博奕打ちとは違ってね。かと言ってアカギがこのまま普通の男みたいに生活するわけがないことも、私は十分承知している。
私たちは勝負を愛しすぎている。
だからそりゃ、私たちだって“いつか”は元のひとりひとりに戻るだろう、と思っていた。
が、
それでも、
この人並みの幸せとやらはもう少し、続くものだと思っていた。
——アカギが消えたのは、その2日後だった。
目覚めると、アカギが隣で眠っていた。
私の被っている布団に手を置いている。
目が覚めてもアカギがそこにいてくれるこの状況。それはまさに私の念願の景色だった。
起き上がろうとしたが、身体が少し痛かった。それにアカギがこうしてくれるなんて珍しいから、もう少しこうしていようと思った。
それにしても、綺麗で無防備な寝顔。
もしかして、男に狙われたりもするんじゃないか……などと考えてしまう。
本当にそれくらい魅力的。
「……ん。あれ、東雲、起きたの」
私の気配に気がついたのかアカギも目を覚ます。
「おはよう。たった今起きたの」
「……おはよ」
アカギはくあぁ、とあくびした。
それから、もう一度布団に潜り込む。
「起きないの?」
私が布団の中でアカギの方を向いて尋ねると、アカギもこちらを向いた。こんなに近くで向かい合う形になり、少し緊張する。もうあれだけ色んなことをしたっていうのに。
「もう少しこうしてたって良いでしょ」
それはさっき私が考えたことと同じだった。私は息が詰まって、それから、笑った。
「賛成」
私は、たまらなくなってアカギの前髪をいじった。
「なに」
「ん……、寝癖」
「ああ」
ちらりと、アカギに覗き込まれる。
「あんたも、ここ。寝癖だ」
「あら。おあいこさま」
まるで平和な朝。
とは言え、実際は昼だが。
私はアカギの鼓動を感じとるだけで、その息遣いを聞くだけで、彼がそこにいることが分かるだけで、ただただ幸せだった。
たぶん。人は、この幸せを閉じ込めておくために、安定を求めるんだ。私たち博奕打ちとは違ってね。かと言ってアカギがこのまま普通の男みたいに生活するわけがないことも、私は十分承知している。
私たちは勝負を愛しすぎている。
だからそりゃ、私たちだって“いつか”は元のひとりひとりに戻るだろう、と思っていた。
が、
それでも、
この人並みの幸せとやらはもう少し、続くものだと思っていた。
——アカギが消えたのは、その2日後だった。