16.惚れた腫れたは。
名前変換はコチラから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は、自分の声を聞いて、それから、目の前にアカギがいることを確認して、ぼっと赤面した。
とうとう、言ってしまった。
いや、自分の意思で、言ったんだ、私は。
熱い。どうしよう。
手に汗が滲んでくる。
「東雲」
アカギに呼ばれ、びくりと肩を跳ねさせる。
「わ、私」
目を伏せて、アカギの足元を見た。
目なんて合わせられない。
「あんたにこれを言わせたいがために、やけに時間を食っちまった」
私は、目を背けたまま、呟いた。
「私の負けです」
すき、と言ってしまった以上、その気持ちはもう、抑えられない。
「惚れてた……ずっと前から」
私は、耳まで真っ赤になってるだろう。
もう、憎まれ口を叩く余裕はなかった。
アカギは、「知ってる」とだけ言い、サイコロを麻雀ケースの中にしまった。
もう、私とアカギの間でこのサイコロが振られることはない。そう思うと、ただのサイコロが、とても愛おしく思えた。まるで、これに思い出が詰まっているみたいに。
アカギは、おもむろに立ち上がった。
つられて、私も腰をあげる。
「……どうなるの」
これは私の、最後の闘志、のようなものだ。
惚れていると認めたら、あなたは出て行ってしまうのか。それとも、私が出ていくのか。
それは未だ、明らかになっていない。
アカギはじっと、こちらを見ている。
「ねえ」
私は、やけくそだった。
「敗者はどんな仕打ちを受けるの? ほら、出てけだのなんだの命令するんでしょ」
そのまま、アカギに詰め寄った。
「ねえ……?」
アカギは何も言わない。
私には、それがどのようなことを意味するのか分からなかった。
「……何か言ってよ」
私はアカギの服を両手で掴んで、そのままうつむいた。
「アカギ……」
私の視界には、2人の足元が映っている。
「すき……っ」
どうやら、アカギは私を見下ろしているようだが、顔をあげる勇気が出ない。
「……舞美」
しかし、急に名前を呼ばれ、私ははっと顔をあげた。
アカギは、そんな私の頰に手を当て、そっと撫でた。
そんなアカギの瞳が、限りなく優しくて、私は考えることをやめてしまう。
視線の先にある端整な顔立ち。
それに見惚れてしまうのは、仕方のないこと。
するとあろうことか、アカギはそのまま、ゆっくりと距離を縮めてくる。
「え……?」
焦点が合わなくなるほど近づく顔に、私が反射的にまぶたを閉ざす。
その瞬間、
——柔らかな感触に、唇を塞がれた。
とうとう、言ってしまった。
いや、自分の意思で、言ったんだ、私は。
熱い。どうしよう。
手に汗が滲んでくる。
「東雲」
アカギに呼ばれ、びくりと肩を跳ねさせる。
「わ、私」
目を伏せて、アカギの足元を見た。
目なんて合わせられない。
「あんたにこれを言わせたいがために、やけに時間を食っちまった」
私は、目を背けたまま、呟いた。
「私の負けです」
すき、と言ってしまった以上、その気持ちはもう、抑えられない。
「惚れてた……ずっと前から」
私は、耳まで真っ赤になってるだろう。
もう、憎まれ口を叩く余裕はなかった。
アカギは、「知ってる」とだけ言い、サイコロを麻雀ケースの中にしまった。
もう、私とアカギの間でこのサイコロが振られることはない。そう思うと、ただのサイコロが、とても愛おしく思えた。まるで、これに思い出が詰まっているみたいに。
アカギは、おもむろに立ち上がった。
つられて、私も腰をあげる。
「……どうなるの」
これは私の、最後の闘志、のようなものだ。
惚れていると認めたら、あなたは出て行ってしまうのか。それとも、私が出ていくのか。
それは未だ、明らかになっていない。
アカギはじっと、こちらを見ている。
「ねえ」
私は、やけくそだった。
「敗者はどんな仕打ちを受けるの? ほら、出てけだのなんだの命令するんでしょ」
そのまま、アカギに詰め寄った。
「ねえ……?」
アカギは何も言わない。
私には、それがどのようなことを意味するのか分からなかった。
「……何か言ってよ」
私はアカギの服を両手で掴んで、そのままうつむいた。
「アカギ……」
私の視界には、2人の足元が映っている。
「すき……っ」
どうやら、アカギは私を見下ろしているようだが、顔をあげる勇気が出ない。
「……舞美」
しかし、急に名前を呼ばれ、私ははっと顔をあげた。
アカギは、そんな私の頰に手を当て、そっと撫でた。
そんなアカギの瞳が、限りなく優しくて、私は考えることをやめてしまう。
視線の先にある端整な顔立ち。
それに見惚れてしまうのは、仕方のないこと。
するとあろうことか、アカギはそのまま、ゆっくりと距離を縮めてくる。
「え……?」
焦点が合わなくなるほど近づく顔に、私が反射的にまぶたを閉ざす。
その瞬間、
——柔らかな感触に、唇を塞がれた。