15.矜持
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「それじゃ、私が初めてあなたを知った時のことを話すわ」
「ああ」
あなたの初めての賭け事は、チキンランだったらしいけど。
私は元々、麻雀というものを知っていた。
とても幼い頃から麻雀牌に触れ、誰かから教わっていたことを覚えている。
物心つく頃には、麻雀を打てるようになっていた。私の学習能力は平均より高かったので、数字や漢字を読むことも容易かった。
その人は、どこかへ消えた。
私はひとりで成長した。
その人のことは忘れたし、思い出そうとも思わない。
気付けば、夜に出歩くようになっていた。
金の稼ぎ方を知らない私は、大好きな麻雀で荒稼ぎをするようになった。
退屈になると、今度は相手探しを始めた。その頃には、金などどうでも良くなっていた。
私は単に、麻雀が好きで、それ以外のことには何故か興味を示さなかった。今まで誰も助けてくれなかったし、私も頼らなかった。
その過程で、自分が女として価値をもっていることを学んだ。私は自分が弱いことに落胆したが、女であることに磨きをかけて、それを別の武器にしようと考えた。そうして、私は “自分”を演じることができるようになった。
そしてある日、夜道を散歩していると、足に怪我をした人間を見つけた。3人組だった。
その怪我はどうやら銃弾によるものみたいで、当時は結構驚いたよ。
尋ねると、そいつらは、「赤木しげる」という名を口にした。一体、そいつは何者なのか、私は初めて博打以外で心が躍る感覚を味わった。
後日、とある賭場にて、13の子供が市川という盲目の裏プロを麻雀で討ち取ったという話を聞いた。私は驚愕した。
そんな人間がいるのか、と。
女である私には、そんな話は回ってこないのに、そいつは私と同じような子供のくせして、ヤクザの世界を牛耳っている。
悔しかったけれど、そいつに会いたいと思った。
そいつの名前は、「赤木しげる」だった。
ああ、前にもこの名前を聞いた。
どんな人物なのか。
私は自分の目で確かめたいと思った。
そこから、私の「アカギ探し」が始まった。
とは言え、「アカギ」は中々現れなかった。
私はアカギが消えたものと思い、自分の生活を続けた。
私の身体も成長してきた頃、また「赤木しげる」という名を聞くことになる。
赤木しげるは、2人いた。
私は、その偽物と本物の話を別の人から聞いた。
この数年で、私も情報網は確保していたから。
今度こそ、赤木しげるを捕まえようと思った。
もう賭博にハマり切っていた私。
大きな勝負も経験して、勝手に「九尾狐」と呼ばれるまでとなった。
どうせならこの名前を利用しよう、と思った。
そして、あの日、私は初めて、白い髪のあなたに会うことができたんだ。
九つの尾で、ようやくあなたを捕まえたと思った。
「ああ」
あなたの初めての賭け事は、チキンランだったらしいけど。
私は元々、麻雀というものを知っていた。
とても幼い頃から麻雀牌に触れ、誰かから教わっていたことを覚えている。
物心つく頃には、麻雀を打てるようになっていた。私の学習能力は平均より高かったので、数字や漢字を読むことも容易かった。
その人は、どこかへ消えた。
私はひとりで成長した。
その人のことは忘れたし、思い出そうとも思わない。
気付けば、夜に出歩くようになっていた。
金の稼ぎ方を知らない私は、大好きな麻雀で荒稼ぎをするようになった。
退屈になると、今度は相手探しを始めた。その頃には、金などどうでも良くなっていた。
私は単に、麻雀が好きで、それ以外のことには何故か興味を示さなかった。今まで誰も助けてくれなかったし、私も頼らなかった。
その過程で、自分が女として価値をもっていることを学んだ。私は自分が弱いことに落胆したが、女であることに磨きをかけて、それを別の武器にしようと考えた。そうして、私は “自分”を演じることができるようになった。
そしてある日、夜道を散歩していると、足に怪我をした人間を見つけた。3人組だった。
その怪我はどうやら銃弾によるものみたいで、当時は結構驚いたよ。
尋ねると、そいつらは、「赤木しげる」という名を口にした。一体、そいつは何者なのか、私は初めて博打以外で心が躍る感覚を味わった。
後日、とある賭場にて、13の子供が市川という盲目の裏プロを麻雀で討ち取ったという話を聞いた。私は驚愕した。
そんな人間がいるのか、と。
女である私には、そんな話は回ってこないのに、そいつは私と同じような子供のくせして、ヤクザの世界を牛耳っている。
悔しかったけれど、そいつに会いたいと思った。
そいつの名前は、「赤木しげる」だった。
ああ、前にもこの名前を聞いた。
どんな人物なのか。
私は自分の目で確かめたいと思った。
そこから、私の「アカギ探し」が始まった。
とは言え、「アカギ」は中々現れなかった。
私はアカギが消えたものと思い、自分の生活を続けた。
私の身体も成長してきた頃、また「赤木しげる」という名を聞くことになる。
赤木しげるは、2人いた。
私は、その偽物と本物の話を別の人から聞いた。
この数年で、私も情報網は確保していたから。
今度こそ、赤木しげるを捕まえようと思った。
もう賭博にハマり切っていた私。
大きな勝負も経験して、勝手に「九尾狐」と呼ばれるまでとなった。
どうせならこの名前を利用しよう、と思った。
そして、あの日、私は初めて、白い髪のあなたに会うことができたんだ。
九つの尾で、ようやくあなたを捕まえたと思った。