14.ひとり*
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安岡さんは、続けた。
「あー、女だからって気にすることはないからな。アカギが見込んだ博奕打ちっていうだけで充分実力は分かる。もう性別なんて関係ない」
アカギと一緒にいただけで、私の評価はこんなにも変わるものなのか。やっぱり、アカギはカリスマ性も兼ね備えているらしい。
「ほんと、とっぽいよな」
「あ……?」
アカギは安岡さんを笑った。
「オレから、東雲を借りていこうって言うんだろ。変わらないね、金への執着は」
「あのなぁ、誰しもお前みたいに無欲になれる訳じゃないんだよ」
「ふーん。で、どうするの、東雲は」
私は、首を傾げた。
「正直、嬉しい話だとは思います」
「おっ……! じゃあ、」
「ひとつだけ、質問したいんですけど」
「ああ。取り分の話だよな? もちろん、弾むぜ」
金の話を始める安岡さんを、アカギが手で制した。
「東雲も“そう”じゃないんだ、安岡さん」
「なんだって……お前も、金には興味がないのか」
何故か少しだけ悲しそうな安岡さん。南郷さんが、「賭博師ってのは、そうじゃなきゃ強くなれねえのかな」と、漏らした。
「……私が聞きたいのは、」
ちらりと、アカギを見てから、言う。
「安岡さんは……そういう世界で、アカギよりも……赤木しげるよりも、強い人を見たことがありますか? っていうことです」
それを聞いたアカギは、クククと笑って酒ジョッキに手をつけた。
なんでかは知らないけど、機嫌が良いみたい。
安岡さんは、南郷さんと顔を見合わせて、肩をすくめた。
「こいつみたいな奴が他に居てたまるかよ」
「! ……じゃあやっぱり、アカギがいちばん、強いんだ」
私は笑顔で言った。
「じゃあ、その代打ちはお断りします。そうだなぁ。もしアカギより強い人がいれば、ちょっと興味が湧くかもしれないです」
「ちぇ。そうか」
「本当に嬉しいお話で、迷ったんだけど、でも、アカギといる方が最高に楽しいって、そんな気がするんです」
私が言うと、アカギはにやりとした。
「それにさ、刑事さん。オレに黙って東雲連れてこうなんざ、ちょっと傲慢が過ぎるんじゃないの? いつオレがそんなこと赦 したよ」
「え? ……ハハ、本当にか。まさか、アカギが女に執着するなんて思いもよらなかったな」
「執着……?」
アカギは、安岡さんの言葉をおうむ返しして首を傾げた。
その様子に、南郷さんがおかしそうに笑う。
「なに笑ってるの、南郷さん」
「いや……お前もそんな時期が来るんだなと思ってさ」
「何か勘違いしてない?」
アカギは鼻で笑ったあと、「そう言えば」と、思い出したように言った。
「オレが東雲を3000万で買った時——」
その瞬間、アカギの話を遮るように、2人が「はぁ⁈」と大声を出した。
「なに……どうかした」
「さ、三千万⁈⁈」
「声でけぇよ」
アカギは、私が負けた時にもそれを受け入れることのできる人間だということを言いたかったらしいが、2人は別のところに反応した。
もちろん、そのあと私たちは、興奮した安岡さんと南郷さんに質問攻めに遭うのだった。
「あー、女だからって気にすることはないからな。アカギが見込んだ博奕打ちっていうだけで充分実力は分かる。もう性別なんて関係ない」
アカギと一緒にいただけで、私の評価はこんなにも変わるものなのか。やっぱり、アカギはカリスマ性も兼ね備えているらしい。
「ほんと、とっぽいよな」
「あ……?」
アカギは安岡さんを笑った。
「オレから、東雲を借りていこうって言うんだろ。変わらないね、金への執着は」
「あのなぁ、誰しもお前みたいに無欲になれる訳じゃないんだよ」
「ふーん。で、どうするの、東雲は」
私は、首を傾げた。
「正直、嬉しい話だとは思います」
「おっ……! じゃあ、」
「ひとつだけ、質問したいんですけど」
「ああ。取り分の話だよな? もちろん、弾むぜ」
金の話を始める安岡さんを、アカギが手で制した。
「東雲も“そう”じゃないんだ、安岡さん」
「なんだって……お前も、金には興味がないのか」
何故か少しだけ悲しそうな安岡さん。南郷さんが、「賭博師ってのは、そうじゃなきゃ強くなれねえのかな」と、漏らした。
「……私が聞きたいのは、」
ちらりと、アカギを見てから、言う。
「安岡さんは……そういう世界で、アカギよりも……赤木しげるよりも、強い人を見たことがありますか? っていうことです」
それを聞いたアカギは、クククと笑って酒ジョッキに手をつけた。
なんでかは知らないけど、機嫌が良いみたい。
安岡さんは、南郷さんと顔を見合わせて、肩をすくめた。
「こいつみたいな奴が他に居てたまるかよ」
「! ……じゃあやっぱり、アカギがいちばん、強いんだ」
私は笑顔で言った。
「じゃあ、その代打ちはお断りします。そうだなぁ。もしアカギより強い人がいれば、ちょっと興味が湧くかもしれないです」
「ちぇ。そうか」
「本当に嬉しいお話で、迷ったんだけど、でも、アカギといる方が最高に楽しいって、そんな気がするんです」
私が言うと、アカギはにやりとした。
「それにさ、刑事さん。オレに黙って東雲連れてこうなんざ、ちょっと傲慢が過ぎるんじゃないの? いつオレがそんなこと
「え? ……ハハ、本当にか。まさか、アカギが女に執着するなんて思いもよらなかったな」
「執着……?」
アカギは、安岡さんの言葉をおうむ返しして首を傾げた。
その様子に、南郷さんがおかしそうに笑う。
「なに笑ってるの、南郷さん」
「いや……お前もそんな時期が来るんだなと思ってさ」
「何か勘違いしてない?」
アカギは鼻で笑ったあと、「そう言えば」と、思い出したように言った。
「オレが東雲を3000万で買った時——」
その瞬間、アカギの話を遮るように、2人が「はぁ⁈」と大声を出した。
「なに……どうかした」
「さ、三千万⁈⁈」
「声でけぇよ」
アカギは、私が負けた時にもそれを受け入れることのできる人間だということを言いたかったらしいが、2人は別のところに反応した。
もちろん、そのあと私たちは、興奮した安岡さんと南郷さんに質問攻めに遭うのだった。