14.ひとり*
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「あ、の……アカギ」
次の日の、夜のこと。
私は、アカギがまたどこかへ行く前に、勇気を出して話しかけた。
私が一人になれる時間があるかどうか探るため。
いつもならアカギの帰りを楽しみにする。しかし、今日はそれよりも性欲が勝ってしまって、早く処理したくて仕方ない。
昨日の、間接煙草キス——この時、私はあれをシガーキスと呼ぶなんて知らない——のせいで、さらに私の中の女が目覚めてしまったみたいだ。
「今日も遅い?」
アカギは少し考えてから、言った。
「たぶん……」
「そ、そうなの!」
私は、「今日、やるしかない!」と思って頷いた。その様子を見たアカギが訝しげに私の顔をのぞく。
「何か様子が変だけど。どうかした?」
「え? いや、何も無いよ」
「そう」
アカギは、もう一度私を見た。
「今日は、あんたも一緒に付いて来なよ」
「へ?」
「良いから。それとも、行きたくない?」
「……行く」
私は、アカギに誘われたら断れない。一緒に行動できるなんて本当に嬉しいから。実は、憧れてたんだ。
……結局、今日もアレはできないみたい。
私はアカギに続いて外に出た。
「こっち」
アカギに連れられるままに夜道を歩く。その中で、アカギはある居酒屋に入っていった。
私もおずおずと入る。
それにしても、どうして飲み屋なんかに私を?
なんて、思っていると。
「あ、アカギ! こっちだ」
誰かがアカギを呼んだ。
声のした方を見ると、どこかで見たことのある男の人が、こっちに向かって手を振っていた。
目が合うと、その人は目を見開いた。
「え! 舞美ちゃんも一緒じゃないか。仲直り、できたみたいだな」
「え……南郷さん⁈」
私はその名前を思い出し、驚いた。アカギの待ち合わせ相手が、南郷さんだったとは。
よく見ると、もう1人男の人がいる。
アカギはその2人組に近づいた。
「久しぶりだね」
「あ、あぁ。それよりアカギ、その、女の子って……」
もう1人の方の男の人が私を見てあんぐりと口を開けた。
「今、舞美って言ったのか……?」
その人は、南郷さんとアカギ、それから私の顔を交互に見た。なんだか混乱しているようだ。
「はい、私は東雲舞美と申します」
名乗ると、その人は、
「……九尾狐?」
と尋ねた。
あぁ、私のことを知っているからそんなに驚いていたのか。それより、この人はアカギとどんな関係なのだろう。
「フフ……そこまで知れてるとは。変わってないみたいだね、悪徳刑事の安岡さん」
「ほ、本当に、九尾狐なのか……!」
驚く「安岡さん」とやら。
その会話に、南郷さんは、首を傾げている。
「狐って……何言ってるんだ。この子は舞美ちゃんだろ?」
「はい! 私は舞美です。ねぇアカギ、安岡さんって、刑事でいらっしゃるの……?」
「うん。そう。かなり悪い刑事だけどね」
笑うアカギ。
私は、安岡さんと南郷さんと同じ席について、とりあえず酒を頼んだ。
次の日の、夜のこと。
私は、アカギがまたどこかへ行く前に、勇気を出して話しかけた。
私が一人になれる時間があるかどうか探るため。
いつもならアカギの帰りを楽しみにする。しかし、今日はそれよりも性欲が勝ってしまって、早く処理したくて仕方ない。
昨日の、間接煙草キス——この時、私はあれをシガーキスと呼ぶなんて知らない——のせいで、さらに私の中の女が目覚めてしまったみたいだ。
「今日も遅い?」
アカギは少し考えてから、言った。
「たぶん……」
「そ、そうなの!」
私は、「今日、やるしかない!」と思って頷いた。その様子を見たアカギが訝しげに私の顔をのぞく。
「何か様子が変だけど。どうかした?」
「え? いや、何も無いよ」
「そう」
アカギは、もう一度私を見た。
「今日は、あんたも一緒に付いて来なよ」
「へ?」
「良いから。それとも、行きたくない?」
「……行く」
私は、アカギに誘われたら断れない。一緒に行動できるなんて本当に嬉しいから。実は、憧れてたんだ。
……結局、今日もアレはできないみたい。
私はアカギに続いて外に出た。
「こっち」
アカギに連れられるままに夜道を歩く。その中で、アカギはある居酒屋に入っていった。
私もおずおずと入る。
それにしても、どうして飲み屋なんかに私を?
なんて、思っていると。
「あ、アカギ! こっちだ」
誰かがアカギを呼んだ。
声のした方を見ると、どこかで見たことのある男の人が、こっちに向かって手を振っていた。
目が合うと、その人は目を見開いた。
「え! 舞美ちゃんも一緒じゃないか。仲直り、できたみたいだな」
「え……南郷さん⁈」
私はその名前を思い出し、驚いた。アカギの待ち合わせ相手が、南郷さんだったとは。
よく見ると、もう1人男の人がいる。
アカギはその2人組に近づいた。
「久しぶりだね」
「あ、あぁ。それよりアカギ、その、女の子って……」
もう1人の方の男の人が私を見てあんぐりと口を開けた。
「今、舞美って言ったのか……?」
その人は、南郷さんとアカギ、それから私の顔を交互に見た。なんだか混乱しているようだ。
「はい、私は東雲舞美と申します」
名乗ると、その人は、
「……九尾狐?」
と尋ねた。
あぁ、私のことを知っているからそんなに驚いていたのか。それより、この人はアカギとどんな関係なのだろう。
「フフ……そこまで知れてるとは。変わってないみたいだね、悪徳刑事の安岡さん」
「ほ、本当に、九尾狐なのか……!」
驚く「安岡さん」とやら。
その会話に、南郷さんは、首を傾げている。
「狐って……何言ってるんだ。この子は舞美ちゃんだろ?」
「はい! 私は舞美です。ねぇアカギ、安岡さんって、刑事でいらっしゃるの……?」
「うん。そう。かなり悪い刑事だけどね」
笑うアカギ。
私は、安岡さんと南郷さんと同じ席について、とりあえず酒を頼んだ。