13.熱帯
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出来るだけ早くお粥を作り上げ、アカギの元へ持っていくと、アカギは私の言った通り横になっていた。お粥なんて初めて作ったから、やっぱり時間が掛かってしまった。
「アカギ、できた」
「ん」
片目をぱちりと開けるアカギ。
「要る……?」
おそるおそる聞くと、アカギは言った。
「それ、あんたがわざわざオレのために作ったんでしょ。要るに決まってるじゃない」
こういうところに何度も惚れ直すんだよね……!
私ははにかんだ。
「自分で、食べられる?」
「あー……」
アカギは、ちらりと私を見た。
「無理そうだ。食えねえな」
「え、と。じゃあ、」
「あんたが食べさせてくれるんじゃないの」
アカギは熱で少し顔が赤らんでいて、今は視線さえも色っぽい。私は無言で頷いた。
スプーンを持ってお粥を掬い、アカギの口へ運ぶ。アカギは「あ」と口を開けて、受け入れた。私は水っぽい米をアカギに流し込む。
アカギはあまり噛まずに、それを喉に通した。
その様子を不安げに見守る私に、アカギは言った。
「美味いよ、東雲」
「そ、そう……! それは、良かった」
私はほっと一息ついた。
「何しろ、お粥なんて作るのは初めてだったから」
「奇遇だね。実はオレも」
「え、これが初めて食べるお粥?」
アカギは頷いて、次を促した。
「一口じゃ足りない」
「あ、うん」
私は喜んで、少しずつアカギに食べさせた。
アカギは食べ方も綺麗。何より、私の手から食べ物を食べてくれるということに感動する。
特に口元が魅惑的。
「あっ」
アカギの口元に見とれていると、お粥を彼の首元に落としてしまった。
「ごめん」
急いでティッシュを手に持つと、
「勿体ないな」
と、アカギが言った。
「どうせなら、あんたがこれ食べれば?」
「え?」
アカギは自分の首元を指差している。
「どうやって?」
「簡単でしょ。あんたがオレに跡を残した時と同じようにすれば」
つまり、アカギは首に口を付けろと私に言っているのだ。……他意はないかもしれないけど。
でも、願ったり叶ったりだ。
アカギの方から積極的に私に仕掛けるなんて。
「じゃあ……」
私は一旦お粥を置いて、顔を赤くしながら、彼の元へ顔を寄せた。そして、舌でぺろりとお粥を掬いとるようにして彼の鎖骨を舐め取った。
「ね、美味しいでしょ」
アカギが得意げに言う。
「……うん」
(あなたのことでいっぱいで、お粥の味なんて分かるわけない)
「アカギ、できた」
「ん」
片目をぱちりと開けるアカギ。
「要る……?」
おそるおそる聞くと、アカギは言った。
「それ、あんたがわざわざオレのために作ったんでしょ。要るに決まってるじゃない」
こういうところに何度も惚れ直すんだよね……!
私ははにかんだ。
「自分で、食べられる?」
「あー……」
アカギは、ちらりと私を見た。
「無理そうだ。食えねえな」
「え、と。じゃあ、」
「あんたが食べさせてくれるんじゃないの」
アカギは熱で少し顔が赤らんでいて、今は視線さえも色っぽい。私は無言で頷いた。
スプーンを持ってお粥を掬い、アカギの口へ運ぶ。アカギは「あ」と口を開けて、受け入れた。私は水っぽい米をアカギに流し込む。
アカギはあまり噛まずに、それを喉に通した。
その様子を不安げに見守る私に、アカギは言った。
「美味いよ、東雲」
「そ、そう……! それは、良かった」
私はほっと一息ついた。
「何しろ、お粥なんて作るのは初めてだったから」
「奇遇だね。実はオレも」
「え、これが初めて食べるお粥?」
アカギは頷いて、次を促した。
「一口じゃ足りない」
「あ、うん」
私は喜んで、少しずつアカギに食べさせた。
アカギは食べ方も綺麗。何より、私の手から食べ物を食べてくれるということに感動する。
特に口元が魅惑的。
「あっ」
アカギの口元に見とれていると、お粥を彼の首元に落としてしまった。
「ごめん」
急いでティッシュを手に持つと、
「勿体ないな」
と、アカギが言った。
「どうせなら、あんたがこれ食べれば?」
「え?」
アカギは自分の首元を指差している。
「どうやって?」
「簡単でしょ。あんたがオレに跡を残した時と同じようにすれば」
つまり、アカギは首に口を付けろと私に言っているのだ。……他意はないかもしれないけど。
でも、願ったり叶ったりだ。
アカギの方から積極的に私に仕掛けるなんて。
「じゃあ……」
私は一旦お粥を置いて、顔を赤くしながら、彼の元へ顔を寄せた。そして、舌でぺろりとお粥を掬いとるようにして彼の鎖骨を舐め取った。
「ね、美味しいでしょ」
アカギが得意げに言う。
「……うん」
(あなたのことでいっぱいで、お粥の味なんて分かるわけない)