13.熱帯
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「……東雲?」
突然呼ばれ、びくっとして、はっ と目を開ける。
座ったまま寝てしまっていたみたいだ。
もう、随分時間が経っている。
目の前には、私を覗き込むアカギの姿。
「アカギ。体の調子はどう?」
「さっきよりは、随分マシ」
私はアカギの額に手を当てた。
「まだ熱は治まってないみたいだけど、でも、顔色は良くなってる」
「そりゃどうも。まさか、あんたが看病してくれるとはね」
「当たり前でしょ。それにしても驚いた」
アカギは少し笑った。
「悪かったね、驚かせて。助かった」
「うん……」
「ずっと横にいたのか」
「そういうことになるね」
あなたがそこにいろって言ったんじゃない! と言いたくなるのを抑えて、頷く。
どうやらアカギは、私への発言を覚えていないらしい。別に、構わないけど。
「何か、あんたの手料理が食べたい気分だ」
いつも作っているけれど、改めて手料理を求められると、少し照れてしまう。
「例えば、お粥とか?」
「フフ、とことん患者扱いされるんだな、オレは」
「ごめん。なんか……弱っているのが珍しくて」
「良いよ。あんたの作る粥、食べてみたい」
さっきは、「いらない」なんて言っていたけれど、今は食欲が戻ってきたのかな。
「腕によりをかけて作るわ」
「期待してる」
言ってから、アカギは自分の上半身を見た。
「それで、あんたに聞きたいんだけど」
「ん?」
「どうしてオレは、脱がされてるの」
私は、びっくりして咳をした。
「大丈夫? もう伝染 った?」
「ケホ。だ、大丈夫……。って、そうじゃなくて!」
私は頭を振った。
「それ、あなたが自分から脱いだんだからね? 言いがかりはよしてよ。私が脱がしたとか、なんとか」
「ああ、そうなの。オレはてっきり、あんたに襲われかけたのかと」
「そ、そんなわけないでしょ」
少しだけ心当たりがある私は、目を逸らして言った。
「でもあんた、オレのここ触ってたじゃない」
アカギは肩の傷をちらりと見せて笑った。
「ん……なっ!」
なんで、バレてるの。
「なんでかな。ここは敏感でね。あんたに触られた時に、目覚めたみたいだ」
「違うわ、私は汗を拭き取ってただけなの」
「へぇー……、そう。ただ、汗をねぇ」
アカギはにやりとしながら私を見ている。
私は恥ずかしさのあまり、台所へ駆け出した。
「もう、お粥できるまで寝てなさい!」
突然呼ばれ、びくっとして、はっ と目を開ける。
座ったまま寝てしまっていたみたいだ。
もう、随分時間が経っている。
目の前には、私を覗き込むアカギの姿。
「アカギ。体の調子はどう?」
「さっきよりは、随分マシ」
私はアカギの額に手を当てた。
「まだ熱は治まってないみたいだけど、でも、顔色は良くなってる」
「そりゃどうも。まさか、あんたが看病してくれるとはね」
「当たり前でしょ。それにしても驚いた」
アカギは少し笑った。
「悪かったね、驚かせて。助かった」
「うん……」
「ずっと横にいたのか」
「そういうことになるね」
あなたがそこにいろって言ったんじゃない! と言いたくなるのを抑えて、頷く。
どうやらアカギは、私への発言を覚えていないらしい。別に、構わないけど。
「何か、あんたの手料理が食べたい気分だ」
いつも作っているけれど、改めて手料理を求められると、少し照れてしまう。
「例えば、お粥とか?」
「フフ、とことん患者扱いされるんだな、オレは」
「ごめん。なんか……弱っているのが珍しくて」
「良いよ。あんたの作る粥、食べてみたい」
さっきは、「いらない」なんて言っていたけれど、今は食欲が戻ってきたのかな。
「腕によりをかけて作るわ」
「期待してる」
言ってから、アカギは自分の上半身を見た。
「それで、あんたに聞きたいんだけど」
「ん?」
「どうしてオレは、脱がされてるの」
私は、びっくりして咳をした。
「大丈夫? もう
「ケホ。だ、大丈夫……。って、そうじゃなくて!」
私は頭を振った。
「それ、あなたが自分から脱いだんだからね? 言いがかりはよしてよ。私が脱がしたとか、なんとか」
「ああ、そうなの。オレはてっきり、あんたに襲われかけたのかと」
「そ、そんなわけないでしょ」
少しだけ心当たりがある私は、目を逸らして言った。
「でもあんた、オレのここ触ってたじゃない」
アカギは肩の傷をちらりと見せて笑った。
「ん……なっ!」
なんで、バレてるの。
「なんでかな。ここは敏感でね。あんたに触られた時に、目覚めたみたいだ」
「違うわ、私は汗を拭き取ってただけなの」
「へぇー……、そう。ただ、汗をねぇ」
アカギはにやりとしながら私を見ている。
私は恥ずかしさのあまり、台所へ駆け出した。
「もう、お粥できるまで寝てなさい!」