解放 最終章
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「緊張してる?」
「うーん、あんまり。ファイのこと、信頼してるから」
「わー珍しい。素直な蓮たんだねー」
口調はふざけてても醸す雰囲気は真剣そのもの。
そりゃそうだ、私の命は彼にかかってしまっていると言っても過言ではない。
でも、もう謝ることはやめた。怖がることもやめた。解き放ってあげると言ってくれた彼に全て委ねる。
それが、私にできる唯一だ。
留めていたシャツのボタンをファイが外し始める。その手は震えていた。
そっと手を添える。
「情けないねぇ。あんなに練習して、覚悟を決めても、こんなになっちゃう。本当に怖がってるのはオレのほうだね」
ファイはこの日のために侑子さんの協力のもとで色々と練習という名の準備をしてくれていた。魔力も、また一段と強まったみたいだ。
「その恐れは恥ずかしいことじゃない。ファイが私を想ってくれているからこその恐怖。その想いの大きさそのもの。ファイに愛されてるんだなってわかるよ」
「…どうしたの?今日はいつになく饒舌だね」
ボタンを外し終わって、左胸をあらわにする。
もうこれで、ファイが魔力を使い始めれば最後まで止めることはできない。
呪いを解除するか、私が力尽きるか。
だからその前に伝えておこうかな。
私の気持ちを。
「…ファイ聞いて欲しいことがあるの」
「うん。いいよ」
ファイの目をしっかり見て。手をとって。
大好きなあなたに、最後かもしれない言葉を。
「人の命は無限じゃない。今がどんなに楽しくても、辛くても、この時は永遠じゃない。それは必ず移ろいゆくもの。そして、いつか終わりが来る。
だからこそ、生きている今この一瞬一瞬がとても大事なものだと、私たちは知らなければならない。
でも、それが本当の意味でわかるのは、きっと死を前にした時。あのときああしていればよかった。こうしていればよかったと、本当の意味で後悔するのは、自分の時間が止まろうとしているとき。
けど、私は後悔したくない。だから、伝えられるときに伝えたい。同じ瞬間は二度とこない。あなたとこうして触れ合えることがもうこないかもしれないなら。
ファイ。あなたに出会えてよかった。本当に愛してる。もし、これが最後なら…。今までありがとう。
私が過ごしてきた、地獄の中をただ生きてきた時間。苦しくて、絶望の中を生きていただけの時間。それらが全て、あなたに出会うための運命の道筋だったならば、それも全て報われると思える。
愛してる。ファイ。
今までありがとう。そして、これからも一緒にいられるように」
目の前のファイの顔が歪む。
握られた手が強く重なり合う。
「オレから伝えることは1つだけ。愛してる蓮。キミも自分の命を繋ぎ止めるんだ。呪いになんか屈しちゃいけない。あとはオレに任せてくれればいいから」
今までの中で1番自信に満ち溢れ、私を安心させる笑顔だった。
この時を忘れることは生涯無いと思う。
額に触れるキスを落としたファイの顔はもう笑っていなかった。
「始めるよ」
「うーん、あんまり。ファイのこと、信頼してるから」
「わー珍しい。素直な蓮たんだねー」
口調はふざけてても醸す雰囲気は真剣そのもの。
そりゃそうだ、私の命は彼にかかってしまっていると言っても過言ではない。
でも、もう謝ることはやめた。怖がることもやめた。解き放ってあげると言ってくれた彼に全て委ねる。
それが、私にできる唯一だ。
留めていたシャツのボタンをファイが外し始める。その手は震えていた。
そっと手を添える。
「情けないねぇ。あんなに練習して、覚悟を決めても、こんなになっちゃう。本当に怖がってるのはオレのほうだね」
ファイはこの日のために侑子さんの協力のもとで色々と練習という名の準備をしてくれていた。魔力も、また一段と強まったみたいだ。
「その恐れは恥ずかしいことじゃない。ファイが私を想ってくれているからこその恐怖。その想いの大きさそのもの。ファイに愛されてるんだなってわかるよ」
「…どうしたの?今日はいつになく饒舌だね」
ボタンを外し終わって、左胸をあらわにする。
もうこれで、ファイが魔力を使い始めれば最後まで止めることはできない。
呪いを解除するか、私が力尽きるか。
だからその前に伝えておこうかな。
私の気持ちを。
「…ファイ聞いて欲しいことがあるの」
「うん。いいよ」
ファイの目をしっかり見て。手をとって。
大好きなあなたに、最後かもしれない言葉を。
「人の命は無限じゃない。今がどんなに楽しくても、辛くても、この時は永遠じゃない。それは必ず移ろいゆくもの。そして、いつか終わりが来る。
だからこそ、生きている今この一瞬一瞬がとても大事なものだと、私たちは知らなければならない。
でも、それが本当の意味でわかるのは、きっと死を前にした時。あのときああしていればよかった。こうしていればよかったと、本当の意味で後悔するのは、自分の時間が止まろうとしているとき。
けど、私は後悔したくない。だから、伝えられるときに伝えたい。同じ瞬間は二度とこない。あなたとこうして触れ合えることがもうこないかもしれないなら。
ファイ。あなたに出会えてよかった。本当に愛してる。もし、これが最後なら…。今までありがとう。
私が過ごしてきた、地獄の中をただ生きてきた時間。苦しくて、絶望の中を生きていただけの時間。それらが全て、あなたに出会うための運命の道筋だったならば、それも全て報われると思える。
愛してる。ファイ。
今までありがとう。そして、これからも一緒にいられるように」
目の前のファイの顔が歪む。
握られた手が強く重なり合う。
「オレから伝えることは1つだけ。愛してる蓮。キミも自分の命を繋ぎ止めるんだ。呪いになんか屈しちゃいけない。あとはオレに任せてくれればいいから」
今までの中で1番自信に満ち溢れ、私を安心させる笑顔だった。
この時を忘れることは生涯無いと思う。
額に触れるキスを落としたファイの顔はもう笑っていなかった。
「始めるよ」