解放 最終章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
このホテルのテレビはロクなものがやってない。いかがわしい声しか発しないから即座に消した。
「くふふふ…」
「なんなのあれ!品性ないわー!」
「すごかったねぇ。盛り上げアイテムなんじゃない?」
「なに?ファイもああいうのがいいわけ?」
「そ〜んなこと言ってないよう」
「ベー、だ」
ギシ。
背後のベッドから動いていなかったファイが降りてくる。
「あれぇ。怒ったー?」
「怒ってまっせーん」
むふむふ笑いながら、私の後ろを通り過ぎてファイは冷蔵庫をゴソゴソ。おおかた酒類を欲して漁っているのだろう。
「蓮たんは何飲むー?」
私はその背中を見つめた。
「へー、オレがわかんないお酒ばっかだあ。黒様のとこのに似てる。あ、果物があるね。うーん、これ全部サービスなのかな」
このホテルのバスローブに隠れたその背中は、私をこれまでたくさん守ってくれて、たくさん傷ついてきた背中。
いつもそばにいてくれる、細っこいけど大きな背中。
私の大好きな。
ちょっと弱くて、打ちひしがれてるときもあるし。そんなときは抱きしめて守りたくなる背中。
そう、私が大好きな。
「ねぇ、これお金かかると思う?」
私はある決意をして、そしてこれからその背中に、あるお願いをする。
膝を起こし腰を上げ、静かに近づく。
「とりあえずこんくらいでいっか〜」
ファイがよっこいしょと立ち上がった。
見つめれば見つめるほど愛おしくなるその背中に手を伸ばす。
「ちょーっと蓮たん。聞いてる…の…」
近づいてきてるのはわかってだろうけど、振り返るよりも先にその背中に抱きついた。ぎゅっと前に回した手でバスローブを握る。滑らかな生地は触れていて心地いい。思わず額をすりすりしてしまう。
いや、生地のせいじゃない。
「どうしたの?蓮」
パタン。
静かな冷蔵庫の閉まる音。
静かなファイの澄んだ声。
「ファイ、私を呪いから助けてくれる?」
「くふふふ…」
「なんなのあれ!品性ないわー!」
「すごかったねぇ。盛り上げアイテムなんじゃない?」
「なに?ファイもああいうのがいいわけ?」
「そ〜んなこと言ってないよう」
「ベー、だ」
ギシ。
背後のベッドから動いていなかったファイが降りてくる。
「あれぇ。怒ったー?」
「怒ってまっせーん」
むふむふ笑いながら、私の後ろを通り過ぎてファイは冷蔵庫をゴソゴソ。おおかた酒類を欲して漁っているのだろう。
「蓮たんは何飲むー?」
私はその背中を見つめた。
「へー、オレがわかんないお酒ばっかだあ。黒様のとこのに似てる。あ、果物があるね。うーん、これ全部サービスなのかな」
このホテルのバスローブに隠れたその背中は、私をこれまでたくさん守ってくれて、たくさん傷ついてきた背中。
いつもそばにいてくれる、細っこいけど大きな背中。
私の大好きな。
ちょっと弱くて、打ちひしがれてるときもあるし。そんなときは抱きしめて守りたくなる背中。
そう、私が大好きな。
「ねぇ、これお金かかると思う?」
私はある決意をして、そしてこれからその背中に、あるお願いをする。
膝を起こし腰を上げ、静かに近づく。
「とりあえずこんくらいでいっか〜」
ファイがよっこいしょと立ち上がった。
見つめれば見つめるほど愛おしくなるその背中に手を伸ばす。
「ちょーっと蓮たん。聞いてる…の…」
近づいてきてるのはわかってだろうけど、振り返るよりも先にその背中に抱きついた。ぎゅっと前に回した手でバスローブを握る。滑らかな生地は触れていて心地いい。思わず額をすりすりしてしまう。
いや、生地のせいじゃない。
「どうしたの?蓮」
パタン。
静かな冷蔵庫の閉まる音。
静かなファイの澄んだ声。
「ファイ、私を呪いから助けてくれる?」