隣席の亥清くんと友達になりました
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「結構混んでるね」
メインエントランスを通過し、ゲートの先にある大きな道を歩く。普段は小さな子供や家族連れが多いようだが、やはり今の時期は大人のカップルばかりだ。現に私達の周りは恋人とイルミネーションを見に来たであろう人達が園内の中心に向かって歩いている。
先程までは空に薄らと明るさが残っていたのに、ものの数分で日が落ちてしまった。おかげで辺り一面に彩られているイルミネーションがよく映えており、どこもかしこも幻想的な空間が広がっている。待ち合わせ場所で顔を合わせた時に「早過ぎたか」とふたりで苦笑していたが、要らぬ心配だったようだ。
更に道中には目を惹かれるようなショップがたくさん立ち並んでおり、思わず歩くのを忘れてしまうほどに見入ってしまった。
「逸れるよ」
「あ、ごめん」
私が立ち止まったことに気付いた悠くんにそう呼びかけられて我に返る。確かに私達の周りには他に多くの人達が歩いているから、ここで立ち止まっているのは迷惑だ。慌てて小走りで悠くんの隣に並んだ。
「ん」
人波に倣って再び歩き出そうとすると、それだけ言って手を差し出された。
これは何の手なのか――どうにか真意を汲み取ろうと悠くんの顔を覗き込む。眉を顰めて顔をマフラーに埋めていたから、はっきりと表情は見えなかった。
「よそ見して迷子になったら大変、だし」
けれど隙間から見える悠くんの顔が赤く染まっているように見えるのは、きっと光色のせいだ。
――だけど彼の表情や仕草も相まってか胸がムズムズするような感覚に襲われ、私もそっと悠くんから目を逸らした。
「迷子防止に、ね」
雰囲気に呑まれているだけだろうか。
湧き上がった感情を心の奥底に押し込み、平静を装うように微笑んで彼の手を取った。
* * *
園内の景色は圧巻だった。
園内に複数あるショップやレストランも外装がライトアップされているようで、ネットで見た写真よりもずっと華やかで幻想的だ。
私達の目の前にはずっと遠くにまで広がる色とりどりに光るアーチやパンダナメコのオブジェがたくさん置かれていて、他のお客さん達が写真を撮ろうと列を成している。
「ねぇ、悠くん。私達も写真撮らない?――悠くん?」
話しかけても全く反応がない。そういえば、暫くの間言葉を交わしていないことに今更ながら気付いた。
黙りこくっている悠くんの顔を覗き込むと、イルミネーションに見惚れているのか心ここに在らずといった様子でキョロキョロと辺りを見渡している。
こっちを向いてほしくて、未だに繋いでいる手をそっと引っ張った。
「あっち行ってみようよ」
「はいはい」
「上から見たらもっと綺麗なんだろうなぁ」
「ここ観覧車あるけど」
「本当だ。せっかくだから乗ってく?」
「えっ」
「もしかして苦手だった?」
「いや、あのさ――……はぁ、いいや。あんた何にも考えてなさそうだし」
「自己完結しないで」
メインエントランスを通過し、ゲートの先にある大きな道を歩く。普段は小さな子供や家族連れが多いようだが、やはり今の時期は大人のカップルばかりだ。現に私達の周りは恋人とイルミネーションを見に来たであろう人達が園内の中心に向かって歩いている。
先程までは空に薄らと明るさが残っていたのに、ものの数分で日が落ちてしまった。おかげで辺り一面に彩られているイルミネーションがよく映えており、どこもかしこも幻想的な空間が広がっている。待ち合わせ場所で顔を合わせた時に「早過ぎたか」とふたりで苦笑していたが、要らぬ心配だったようだ。
更に道中には目を惹かれるようなショップがたくさん立ち並んでおり、思わず歩くのを忘れてしまうほどに見入ってしまった。
「逸れるよ」
「あ、ごめん」
私が立ち止まったことに気付いた悠くんにそう呼びかけられて我に返る。確かに私達の周りには他に多くの人達が歩いているから、ここで立ち止まっているのは迷惑だ。慌てて小走りで悠くんの隣に並んだ。
「ん」
人波に倣って再び歩き出そうとすると、それだけ言って手を差し出された。
これは何の手なのか――どうにか真意を汲み取ろうと悠くんの顔を覗き込む。眉を顰めて顔をマフラーに埋めていたから、はっきりと表情は見えなかった。
「よそ見して迷子になったら大変、だし」
けれど隙間から見える悠くんの顔が赤く染まっているように見えるのは、きっと光色のせいだ。
――だけど彼の表情や仕草も相まってか胸がムズムズするような感覚に襲われ、私もそっと悠くんから目を逸らした。
「迷子防止に、ね」
雰囲気に呑まれているだけだろうか。
湧き上がった感情を心の奥底に押し込み、平静を装うように微笑んで彼の手を取った。
* * *
園内の景色は圧巻だった。
園内に複数あるショップやレストランも外装がライトアップされているようで、ネットで見た写真よりもずっと華やかで幻想的だ。
私達の目の前にはずっと遠くにまで広がる色とりどりに光るアーチやパンダナメコのオブジェがたくさん置かれていて、他のお客さん達が写真を撮ろうと列を成している。
「ねぇ、悠くん。私達も写真撮らない?――悠くん?」
話しかけても全く反応がない。そういえば、暫くの間言葉を交わしていないことに今更ながら気付いた。
黙りこくっている悠くんの顔を覗き込むと、イルミネーションに見惚れているのか心ここに在らずといった様子でキョロキョロと辺りを見渡している。
こっちを向いてほしくて、未だに繋いでいる手をそっと引っ張った。
「あっち行ってみようよ」
「はいはい」
「上から見たらもっと綺麗なんだろうなぁ」
「ここ観覧車あるけど」
「本当だ。せっかくだから乗ってく?」
「えっ」
「もしかして苦手だった?」
「いや、あのさ――……はぁ、いいや。あんた何にも考えてなさそうだし」
「自己完結しないで」
