隣席の亥清くんと友達になりました
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最近頭を悩ませている問題。――それは、悠くんの誕生日プレゼントについてだった。
十二月に入った今、彼の誕生日は目前に迫っている。あと数日でその日を迎えるというのに一切の見当もついていないこの状況に少なからず焦慮を感じ始めている自覚があった。
それなりに親しい仲だと自負しているから、悠くんの好きな物や喜びそうな物は大体理解しているつもりだ。しかし、悠くんへのプレゼント選びとなると話が変わってきてしまう。
正直な話、アルバイトに明け暮れている身とはいえ購入できるものなど限られているし、とはいえ下手な物はあげられない。
そうして数ヶ月間、悩みに悩んだ末。
もういっそのこと本人に聞いてしまえ、と。
「……あんたらしいけどさ」
そう説明すれば「素直か」と笑われてしまった。確かに単刀直入に聞いてしまったと自分でも思う。
本当は本人にバレないようにこっそりとリサーチできればよかったのだが、不器用な私には難易度が高かったのだ。
隣を見ると、悠くんは目を閉じて首を傾げており、かなり真剣に考えてくれているようだった。
暫くその様子を横から見ていると、前方の教室のドアから先生が入ってきた。もう授業が始まる時間になったようだ。
授業もそうだが、段々余計なことを考えさせてしまったことに対して段々申し訳なくなってきてしまった。しかし、私の言葉に被せるように悠くんが話し出して、開きかけた口を閉じることになる。
「いや、やっぱり――」
「じゃあ、お菓子作ってよ」
「え? お菓子?」
斜め上の返答が返ってきて、思わず聞き返してしまった。
これは、何も思いつかなくて絞り出した提案だったのだろうか。そうだとしても手作りのお菓子を悠くんにあげる?――いやいやいや。
困惑を極めて頭の中で自問自答していると、チャイムと椅子を引く無数の音が聞こえてきて我に返った。
大人しく皆に倣って授業前の挨拶をし、席に着く。そして、先生が板書をする為にこちらに背を向けたタイミングを見計らって悠くんの方に椅子を寄せた。
「どういうこと?」
「どうも何も、さっき作るって言ってたじゃん」
「確かに言ったけど」
私達の会話はバッチリと聞こえていたらしい。
話し声が大きかったかもしれないと反省した。
「やっぱり大変?」
「手間については気にしなくていいんだけどさ……」
作るのは好きだ。ただ人に贈れる程のクオリティが出せないのが気がかりである。しかし、だからと言って聞いたのは私なのだから拒否するのも憚られた。
――これは、下手なものは作れないぞ。
家に帰ったらネットで探ってみようと心に決めた。
「因みに何がいい?」
「うーん、迷うな。さっきの人には何作ろうとしてる?」
「今のところクッキー、カップケーキ、あとはドーナツが候補かな」
「……ドーナツ以外で」
「ドーナツ嫌いなの?」
「嫌いというか、アイツの顔を思い出すというか……」
「顔?」
十二月に入った今、彼の誕生日は目前に迫っている。あと数日でその日を迎えるというのに一切の見当もついていないこの状況に少なからず焦慮を感じ始めている自覚があった。
それなりに親しい仲だと自負しているから、悠くんの好きな物や喜びそうな物は大体理解しているつもりだ。しかし、悠くんへのプレゼント選びとなると話が変わってきてしまう。
正直な話、アルバイトに明け暮れている身とはいえ購入できるものなど限られているし、とはいえ下手な物はあげられない。
そうして数ヶ月間、悩みに悩んだ末。
もういっそのこと本人に聞いてしまえ、と。
「……あんたらしいけどさ」
そう説明すれば「素直か」と笑われてしまった。確かに単刀直入に聞いてしまったと自分でも思う。
本当は本人にバレないようにこっそりとリサーチできればよかったのだが、不器用な私には難易度が高かったのだ。
隣を見ると、悠くんは目を閉じて首を傾げており、かなり真剣に考えてくれているようだった。
暫くその様子を横から見ていると、前方の教室のドアから先生が入ってきた。もう授業が始まる時間になったようだ。
授業もそうだが、段々余計なことを考えさせてしまったことに対して段々申し訳なくなってきてしまった。しかし、私の言葉に被せるように悠くんが話し出して、開きかけた口を閉じることになる。
「いや、やっぱり――」
「じゃあ、お菓子作ってよ」
「え? お菓子?」
斜め上の返答が返ってきて、思わず聞き返してしまった。
これは、何も思いつかなくて絞り出した提案だったのだろうか。そうだとしても手作りのお菓子を悠くんにあげる?――いやいやいや。
困惑を極めて頭の中で自問自答していると、チャイムと椅子を引く無数の音が聞こえてきて我に返った。
大人しく皆に倣って授業前の挨拶をし、席に着く。そして、先生が板書をする為にこちらに背を向けたタイミングを見計らって悠くんの方に椅子を寄せた。
「どういうこと?」
「どうも何も、さっき作るって言ってたじゃん」
「確かに言ったけど」
私達の会話はバッチリと聞こえていたらしい。
話し声が大きかったかもしれないと反省した。
「やっぱり大変?」
「手間については気にしなくていいんだけどさ……」
作るのは好きだ。ただ人に贈れる程のクオリティが出せないのが気がかりである。しかし、だからと言って聞いたのは私なのだから拒否するのも憚られた。
――これは、下手なものは作れないぞ。
家に帰ったらネットで探ってみようと心に決めた。
「因みに何がいい?」
「うーん、迷うな。さっきの人には何作ろうとしてる?」
「今のところクッキー、カップケーキ、あとはドーナツが候補かな」
「……ドーナツ以外で」
「ドーナツ嫌いなの?」
「嫌いというか、アイツの顔を思い出すというか……」
「顔?」
