隣席の亥清くんと友達になりました
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「もういいの?」
隣から声をかけられて顔を上げる。見れば頬杖をつきながらこちらをジッと見ている悠くんの姿がある。
主語が無くても言わんとしていることはすぐに理解でき、小さく頷いた。
「お陰様ですぐに熱下がったよ」
相変わらずツンとした表情を崩さず、「そう」と言ったっきり自身の手元に収まっているスマホに視線を戻した。
上手く体調管理が出来ていなかったせいで熱を出してから数日。病院で言われた通り一晩もすれば平熱まで下がり、今はもうすっかり健康そのものだ。
「ねえ、板書多くない?」
「あんたが休んでる間もずっと雨だったから仕方ないんじゃない?」
今、私の机の上には数冊のノート。
私が登校できなかった日の授業ノートを写させてもらう為に悠くんや友人から拝借しているのだが、かなりの量だ。本当に二日分なのかと問いたくなるほどに。
数十分してやっとキリのいいところまで写し終わり、再び顔を上げる。教室がやけに静かだと思ったら私達以外のクラスメイトは全員いなくなっていた。
もう皆下校してしまったのか教室には誰もおらず、唯一頬杖をつく悠くんが隣にいるだけだ。
「ごめん、待ってるよね。すぐに終わらせるから」
「いい。今日用事無いし」
未だに隣に座っている悠くんがどうしても気になってしまい、思わず謝罪の言葉が飛び出した。
何をするわけでもなく私が必死に人様のノートを丸写ししている姿を眺めていてもつまらないだけだろうに。今だって心なしか少し眠そうに目を伏せているのだから余計に釈然としない。
一度集中力が切れるともう駄目だ。持っていたシャープペンを机に転がして椅子の背もたれに体重を預けた。
部活に行っている友人のノートは今日中に返すという話になっている。悠くんは後日でもいいと言っていたが、今日のところはどちらも返却して後日改めて見せてもらおう――そう考える程には一切のやる気を失ってしまっていた。
「あ、そうだ。これあげる」
悠くんにノートを返した後、机の横に掛けていたビニール袋から中身を取り出す。
「プリン?」
「そう。購買に行ったら売ってた」
「こんなの売ってんだ……」
隣の机に置いたのは、上にホイップがふんだんにあしらわれたプリンだった。見た目は少々値が張りそうなコンビニのスイーツのようだが、昼休みに購買で数百円で購入した代物である。
この学校の購買に安価で買えるスイーツがあるのは割と有名な話だが、人気故に未だ売られているのを見たことがない。私が昼食を買いに行くのは、ある程度時間を置き、人波が引いたタイミングを見計らっているからではあるだろうが。
「こんなんでお礼になるか分からないけど」
悠くんには助けられてばかりだ。
夏休み前に食べに行ったクレープには劣ってしまうが、最近特に忙しいみたいだからこうして会える時に返しておきたいと思ったのだ。
「でもこれ、中々買えないヤツなのにオレが食べていいの?」
「勿論。それに――」
先程取り出した袋に手を突っ込み、掴んだ物を悠くんにも見えるように持ち上げた。
「もうひとつある」
「ちゃっかり自分のも買ってたのかよ」
そりゃあ、以前から気になっていたものなのだから買える時に買っておかなければいけないだろう。
早速プリンの蓋を開ける。ビニール袋に入れていたからか若干クリームの形が崩れてしまっているが、これは仕方がない。
隣から聞こえた、うまっ、という言葉に笑いながら自分も口に運ぶ。口溶けのいいプリンは、クリームも相まってとても甘く感じた。
「ついでに言うと、アレに入ってたプリンは四葉からだから」
「四葉くん? 何でまた……」
「コンビニに行く時四葉も一緒にいたんだけどさ、『王様プリン食っときゃ治る』とか言ってカゴに入れられたんだよ」
「……帰りにコンビニ寄っていこうかな」
隣から声をかけられて顔を上げる。見れば頬杖をつきながらこちらをジッと見ている悠くんの姿がある。
主語が無くても言わんとしていることはすぐに理解でき、小さく頷いた。
「お陰様ですぐに熱下がったよ」
相変わらずツンとした表情を崩さず、「そう」と言ったっきり自身の手元に収まっているスマホに視線を戻した。
上手く体調管理が出来ていなかったせいで熱を出してから数日。病院で言われた通り一晩もすれば平熱まで下がり、今はもうすっかり健康そのものだ。
「ねえ、板書多くない?」
「あんたが休んでる間もずっと雨だったから仕方ないんじゃない?」
今、私の机の上には数冊のノート。
私が登校できなかった日の授業ノートを写させてもらう為に悠くんや友人から拝借しているのだが、かなりの量だ。本当に二日分なのかと問いたくなるほどに。
数十分してやっとキリのいいところまで写し終わり、再び顔を上げる。教室がやけに静かだと思ったら私達以外のクラスメイトは全員いなくなっていた。
もう皆下校してしまったのか教室には誰もおらず、唯一頬杖をつく悠くんが隣にいるだけだ。
「ごめん、待ってるよね。すぐに終わらせるから」
「いい。今日用事無いし」
未だに隣に座っている悠くんがどうしても気になってしまい、思わず謝罪の言葉が飛び出した。
何をするわけでもなく私が必死に人様のノートを丸写ししている姿を眺めていてもつまらないだけだろうに。今だって心なしか少し眠そうに目を伏せているのだから余計に釈然としない。
一度集中力が切れるともう駄目だ。持っていたシャープペンを机に転がして椅子の背もたれに体重を預けた。
部活に行っている友人のノートは今日中に返すという話になっている。悠くんは後日でもいいと言っていたが、今日のところはどちらも返却して後日改めて見せてもらおう――そう考える程には一切のやる気を失ってしまっていた。
「あ、そうだ。これあげる」
悠くんにノートを返した後、机の横に掛けていたビニール袋から中身を取り出す。
「プリン?」
「そう。購買に行ったら売ってた」
「こんなの売ってんだ……」
隣の机に置いたのは、上にホイップがふんだんにあしらわれたプリンだった。見た目は少々値が張りそうなコンビニのスイーツのようだが、昼休みに購買で数百円で購入した代物である。
この学校の購買に安価で買えるスイーツがあるのは割と有名な話だが、人気故に未だ売られているのを見たことがない。私が昼食を買いに行くのは、ある程度時間を置き、人波が引いたタイミングを見計らっているからではあるだろうが。
「こんなんでお礼になるか分からないけど」
悠くんには助けられてばかりだ。
夏休み前に食べに行ったクレープには劣ってしまうが、最近特に忙しいみたいだからこうして会える時に返しておきたいと思ったのだ。
「でもこれ、中々買えないヤツなのにオレが食べていいの?」
「勿論。それに――」
先程取り出した袋に手を突っ込み、掴んだ物を悠くんにも見えるように持ち上げた。
「もうひとつある」
「ちゃっかり自分のも買ってたのかよ」
そりゃあ、以前から気になっていたものなのだから買える時に買っておかなければいけないだろう。
早速プリンの蓋を開ける。ビニール袋に入れていたからか若干クリームの形が崩れてしまっているが、これは仕方がない。
隣から聞こえた、うまっ、という言葉に笑いながら自分も口に運ぶ。口溶けのいいプリンは、クリームも相まってとても甘く感じた。
「ついでに言うと、アレに入ってたプリンは四葉からだから」
「四葉くん? 何でまた……」
「コンビニに行く時四葉も一緒にいたんだけどさ、『王様プリン食っときゃ治る』とか言ってカゴに入れられたんだよ」
「……帰りにコンビニ寄っていこうかな」
