隣席の亥清くんと友達になりました
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近隣にある小さなスーパーから袋を下げた状態で出てきた私達は、店内と外のあまりの気温差に「うわ……」と同時に呟いた。店内は両腕を摩ってしまうくらいに冷えていたのに、一歩外に出れば声を溢してしまう程に暑い。この暑さはいつになったら収まるのだろうか。まだまだ秋には程遠いのに、そう思わずにはいられなかった。
おばあさんに頼まれた物はしっかりと購入できた。購入品を詰めた袋の取手を持ち、よし、と持ち上げた瞬間横から掻っ攫われたのには納得がいっていないが。この後「私、持つよ?」と亥清くんに向かって手を差し出したのだが、もうひとつの軽い袋を持たされてさっさと歩いていってしまった為諦めた。持ってきた袋が小さかったようでひとつに入らず、やむなくふたつに分けたものだった。
「まさか花火が売ってるなんてね」
その袋に入っている物のひとつに手持ち花火があった。厳密に言うと線香花火である。
実はレジに並んでいた時にふと目についたそれをジッと見ていたら亥清くんが無言でカゴに入れたのだ。自分が考えていたことが顔に出ていたことを気恥ずかしく思ったけど、でも嬉しかった。
因みにせめて花火代は支払わなければと思い、代金を押し付けた。初めこそ拒否されたものの最終的には渋々受け取ってくれた。
「誰かさんがやりたそうな顔してたからさぁ」
「久しぶりにやりたかったの!」
以前友人と行った夏祭りで空に上げられた大きな花火は何度か見たことがある。しかし、手持ち花火をやる機会はそうそう無いものだ。派手に火花が噴き出る物にも惹かれたが、今回は静かにできる線香花火のみ購入した。
「日が暮れるまで待ってなきゃなんないけど。どっちにしても夕飯が先だな」
「おばあさん、何を作る予定なんだろう。邪魔じゃなかったら手伝わせてもらえないかな」
「まぁ、この食材が揃ってるならアレだろうな。――っていうか、料理できんの?」
「できるよ。家でも自分で夕飯作る日が多いし」
「へぇ」
亥清くんの言う通り、おばあさんから追加で頼まれた食材のラインナップを見れば大体察しがつくような気はする。もし私達が想像している物ならあまり難しくないだろうし私でも手伝えることはあるかもしれない、なんて思いながら亥清くんと話に花を咲かせた。
もう夕方に差し掛かっているのに日差しは強く、外にいるだけで汗が出てくる。帰り道は自然とふたりともが速足になっていた為、想定よりも早く家に着くことができたのだった。
おばあさんに頼まれた物はしっかりと購入できた。購入品を詰めた袋の取手を持ち、よし、と持ち上げた瞬間横から掻っ攫われたのには納得がいっていないが。この後「私、持つよ?」と亥清くんに向かって手を差し出したのだが、もうひとつの軽い袋を持たされてさっさと歩いていってしまった為諦めた。持ってきた袋が小さかったようでひとつに入らず、やむなくふたつに分けたものだった。
「まさか花火が売ってるなんてね」
その袋に入っている物のひとつに手持ち花火があった。厳密に言うと線香花火である。
実はレジに並んでいた時にふと目についたそれをジッと見ていたら亥清くんが無言でカゴに入れたのだ。自分が考えていたことが顔に出ていたことを気恥ずかしく思ったけど、でも嬉しかった。
因みにせめて花火代は支払わなければと思い、代金を押し付けた。初めこそ拒否されたものの最終的には渋々受け取ってくれた。
「誰かさんがやりたそうな顔してたからさぁ」
「久しぶりにやりたかったの!」
以前友人と行った夏祭りで空に上げられた大きな花火は何度か見たことがある。しかし、手持ち花火をやる機会はそうそう無いものだ。派手に火花が噴き出る物にも惹かれたが、今回は静かにできる線香花火のみ購入した。
「日が暮れるまで待ってなきゃなんないけど。どっちにしても夕飯が先だな」
「おばあさん、何を作る予定なんだろう。邪魔じゃなかったら手伝わせてもらえないかな」
「まぁ、この食材が揃ってるならアレだろうな。――っていうか、料理できんの?」
「できるよ。家でも自分で夕飯作る日が多いし」
「へぇ」
亥清くんの言う通り、おばあさんから追加で頼まれた食材のラインナップを見れば大体察しがつくような気はする。もし私達が想像している物ならあまり難しくないだろうし私でも手伝えることはあるかもしれない、なんて思いながら亥清くんと話に花を咲かせた。
もう夕方に差し掛かっているのに日差しは強く、外にいるだけで汗が出てくる。帰り道は自然とふたりともが速足になっていた為、想定よりも早く家に着くことができたのだった。