リターン・トゥ・リアルワールド

「……っていうことがあったの!」

 あたしはまもちゃんと一緒に火川神社を訪れて、この前図書館で起きた出来事をレイちゃんに説明していた。

「なるほど。もしそれが霊の仕業なら付喪神の類かもね」
「つくもがみ?」
「えぇ。物に宿る念みたいなものよ」
「ソイツがオレたちを絵本の世界へ引きずり込んだのか?」
「可能性としては……もちろん妖魔の残党だった可能性もあるけど」
「どっちにしろ、また悪さをする前にやっつけに行かないと!」

 あたしが意気込んで言うと、まもちゃんも同調してくれた。けどレイちゃんは少し気まずそうな表情で口を開く。

「ごめんね。あたしも行きたいところなんだけど、これから大事な祈祷があって……」
「いーよいーよ、まもちゃんも居るし何とかなるって」
「でも今回は身構えているとはいえ、前回は不意を突かれたんだ。油断するなよ?」
「わかった!」
「じゃあ代わりにコレを持っていって」

 レイちゃんは懐からお札のような物を取り出して、あたしに手渡した。

「これは?」
「もし霊なら、これで成仏させられるハズよ」
「ありがと。いざという時に使わせてもらうね!」
「じゃあ、行ってくる」

 あたしたちは火川神社を後にして、再び都立中央図書館へ向かうことにした。
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