あの唄を覚えてる
おまけ(はやのプロット)
二人きりで久々の旅行にテンションが上がるうさぎと衛。
海が見えるホテルにチェックインした二人は海岸へ散歩に。
綺麗な海に感動しているうさぎを見て、衛は在りし日のセレニティを重ねる。
地球のこと、世界のことを何も知らずに育ってきたセレニティが初めて見た景色。それは言葉にならないほどの感動であった。
そんなセレニティに世界の彩りを見せようと色々な場所へ連れ出していたエンディミオン時代を思い出した衛は、もう一度うさぎに素敵な体験をしてもらおうと、この街を拠点に色々なお店を回ってみようと提案する。
街を歩いていると少し古びた雑貨屋さんが目に入る。うさぎ達が恐る恐る入ると優しそうな老婆が出迎えてくれた。
この店にある雑貨はどれも不思議な力を宿していると聞いた二人は少し驚いたが、うさぎは店に入った瞬間から気になっていたオルゴールを衛にねだる。
そのオルゴールは開ける人によってメロディが変わるというシロモノだと老婆は言う。どんな音が流れるかは夜の楽しみに取っておこう。そう話し合った二人はオルゴールを包んでもらい店を出た。
昼食は海の見えるレストラン。うさぎがハンバーグとオムライスが食べたいと言うので、二つをシェアしながら談笑していた。
食事をしながらぼんやりと海を眺めていた衛が何かをハッと思い出す。海と歌声。以前そんなことがあったような。
不思議に思ったうさぎが訊くと、衛は以前この街に来たことはないか?と返してきたので、うさぎは首を傾げながら記憶を辿る。
一考したうさぎは、この街かは分からないけれど海を見ながらエンディミオンと歌を唄った想い出があると言った。
記憶の奥底からその頃のビジョンが甦ってきた衛は得心しながら「そうだ、そんなことがあった」と頷く。
もう一度、唄わないか?
そう提案する衛に二つ返事でOKするうさぎだったが、あの時どんな歌を唄ったか思い出せない。
今のオレ達の歌で良いじゃないか。と言う衛だったが、昼間は恥ずかしいし、もう少し思い出してから夜の海岸へ行こうとうさぎは返した。
それから二人は洋服屋に行ったり食べ歩きをしながら楽しく過ごした。
夜。ホテルの部屋でオルゴールを開けることにした二人は半信半疑でフタを開いた。
流れてきた音を聴いた瞬間、二人は顔を合わせる。そのメロディはまさにセレニティとエンディミオンが唄っていた歌の旋律だったのだ。
開ける人によって音色が変わる。その言葉を思い出した二人はオルゴールの音色に何度も聴き入っていた。
深夜の海岸。うさぎは海の方へ静かに歩いて行き、立ち止まると唄い始めた。
うさぎの歌声に心を奪われた衛は、在りし日を思い出し涙を流していた。
一緒に唄おう?
差し出されたうさぎの手を取る衛。二人の声は綺麗なハーモニーを奏でながら夜の海を彩った。
その時の姿は、確かにエンディミオンとセレニティであった。
翌日。老婆にお礼を伝えようと店を訪ねるが、そこは空き家になっていて中には誰も居ない。
通行人からここは随分前から空き家で特にテナントは入っていないと訊いた二人は驚き、ホテルの部屋へ戻る。
オルゴールが置いてあったテーブルには何も無かった。
シンとした空気の中、うさぎが昨夜の歌を唄い始める。
うさ?
きっと、あのお店は過去を繋いでくれる場所なんだよ
過去?
歌ってさ、唄う人がいる限り絶対消えないよね
遠い昔に忘れてしまった想い出を甦らせてくれたんだよ
そうだな
ハミングするうさぎとソファーに腰掛けてコーヒーを飲む衛。
それはあの頃から変わらない、安らかな一時だった。
アフターエピソード
十番に帰って来た二人は、いつものメンバーから土産話を期待され詰め寄られていた。
慌てる衛だったが、うさぎはニッコリ笑って一言。
大昔の恋人に会ってきたの
突然の爆弾発言に大声を上げる周りが衛を問いただす。
どういうこと!?
いや、言葉の通りだよ
ね~
あぁ
目を合わせて頷くカップルを呆然と見ながら、立ち尽くすみんなであった。
①時期はまもちゃんが留学から帰国し、プロポーズをする前後をイメージしています
②旅行先は地中海をイメージしています。日本だと三重県の志摩地中海村が私のイメージに近いので検索かけて下さると助かります
基本海があって観光地ではあるのですが少し閑静な雰囲気が出ている感じを出したいです
③雑貨屋はアンティークを揃えている設定です。
掛け時計や香炉が置いてあるイメージです。
今思いついたのですが、この店に煙華さん側の絵画が飾られていたらリンクしていて楽しいなと思いました
④歌の曲調はタキシードミラージュをイメージしました。ゆったりとしたバラード。透き通ったうさぎちゃんの声と優しい低音のまもちゃんボイスがハモる感じです。
⑤仰る通り、歌は名詞で唄うは動詞なのですが、こだわりは無いのでここら辺は煙華さんがご自由にチョイスしてください
二人きりで久々の旅行にテンションが上がるうさぎと衛。
海が見えるホテルにチェックインした二人は海岸へ散歩に。
綺麗な海に感動しているうさぎを見て、衛は在りし日のセレニティを重ねる。
地球のこと、世界のことを何も知らずに育ってきたセレニティが初めて見た景色。それは言葉にならないほどの感動であった。
そんなセレニティに世界の彩りを見せようと色々な場所へ連れ出していたエンディミオン時代を思い出した衛は、もう一度うさぎに素敵な体験をしてもらおうと、この街を拠点に色々なお店を回ってみようと提案する。
街を歩いていると少し古びた雑貨屋さんが目に入る。うさぎ達が恐る恐る入ると優しそうな老婆が出迎えてくれた。
この店にある雑貨はどれも不思議な力を宿していると聞いた二人は少し驚いたが、うさぎは店に入った瞬間から気になっていたオルゴールを衛にねだる。
そのオルゴールは開ける人によってメロディが変わるというシロモノだと老婆は言う。どんな音が流れるかは夜の楽しみに取っておこう。そう話し合った二人はオルゴールを包んでもらい店を出た。
昼食は海の見えるレストラン。うさぎがハンバーグとオムライスが食べたいと言うので、二つをシェアしながら談笑していた。
食事をしながらぼんやりと海を眺めていた衛が何かをハッと思い出す。海と歌声。以前そんなことがあったような。
不思議に思ったうさぎが訊くと、衛は以前この街に来たことはないか?と返してきたので、うさぎは首を傾げながら記憶を辿る。
一考したうさぎは、この街かは分からないけれど海を見ながらエンディミオンと歌を唄った想い出があると言った。
記憶の奥底からその頃のビジョンが甦ってきた衛は得心しながら「そうだ、そんなことがあった」と頷く。
もう一度、唄わないか?
そう提案する衛に二つ返事でOKするうさぎだったが、あの時どんな歌を唄ったか思い出せない。
今のオレ達の歌で良いじゃないか。と言う衛だったが、昼間は恥ずかしいし、もう少し思い出してから夜の海岸へ行こうとうさぎは返した。
それから二人は洋服屋に行ったり食べ歩きをしながら楽しく過ごした。
夜。ホテルの部屋でオルゴールを開けることにした二人は半信半疑でフタを開いた。
流れてきた音を聴いた瞬間、二人は顔を合わせる。そのメロディはまさにセレニティとエンディミオンが唄っていた歌の旋律だったのだ。
開ける人によって音色が変わる。その言葉を思い出した二人はオルゴールの音色に何度も聴き入っていた。
深夜の海岸。うさぎは海の方へ静かに歩いて行き、立ち止まると唄い始めた。
うさぎの歌声に心を奪われた衛は、在りし日を思い出し涙を流していた。
一緒に唄おう?
差し出されたうさぎの手を取る衛。二人の声は綺麗なハーモニーを奏でながら夜の海を彩った。
その時の姿は、確かにエンディミオンとセレニティであった。
翌日。老婆にお礼を伝えようと店を訪ねるが、そこは空き家になっていて中には誰も居ない。
通行人からここは随分前から空き家で特にテナントは入っていないと訊いた二人は驚き、ホテルの部屋へ戻る。
オルゴールが置いてあったテーブルには何も無かった。
シンとした空気の中、うさぎが昨夜の歌を唄い始める。
うさ?
きっと、あのお店は過去を繋いでくれる場所なんだよ
過去?
歌ってさ、唄う人がいる限り絶対消えないよね
遠い昔に忘れてしまった想い出を甦らせてくれたんだよ
そうだな
ハミングするうさぎとソファーに腰掛けてコーヒーを飲む衛。
それはあの頃から変わらない、安らかな一時だった。
アフターエピソード
十番に帰って来た二人は、いつものメンバーから土産話を期待され詰め寄られていた。
慌てる衛だったが、うさぎはニッコリ笑って一言。
大昔の恋人に会ってきたの
突然の爆弾発言に大声を上げる周りが衛を問いただす。
どういうこと!?
いや、言葉の通りだよ
ね~
あぁ
目を合わせて頷くカップルを呆然と見ながら、立ち尽くすみんなであった。
①時期はまもちゃんが留学から帰国し、プロポーズをする前後をイメージしています
②旅行先は地中海をイメージしています。日本だと三重県の志摩地中海村が私のイメージに近いので検索かけて下さると助かります
基本海があって観光地ではあるのですが少し閑静な雰囲気が出ている感じを出したいです
③雑貨屋はアンティークを揃えている設定です。
掛け時計や香炉が置いてあるイメージです。
今思いついたのですが、この店に煙華さん側の絵画が飾られていたらリンクしていて楽しいなと思いました
④歌の曲調はタキシードミラージュをイメージしました。ゆったりとしたバラード。透き通ったうさぎちゃんの声と優しい低音のまもちゃんボイスがハモる感じです。
⑤仰る通り、歌は名詞で唄うは動詞なのですが、こだわりは無いのでここら辺は煙華さんがご自由にチョイスしてください
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