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未来からの贈りもの

 そして月日は流れ。

 婚約をしたオレとうさは、二人で結婚情報誌や式場のパンフレットを見ながらウェディングプランを相談していた。

「うーん。やっぱり都内の式場? それとも海外?」
「神前婚もいいんじゃないか?」

 楽しく頭を悩ませながらページをめくっていると。

「うさ! これ……」
「えっ……あぁっ!?」

 開いたページにはいつかの夏休みにちびうさと三人で行った「思い出の場所」が載っていた。

「な、なんで!?」
「あそこ、白い洋館があっただろ? どうやら教会が併設されていて式を挙げられるみたいだ」
「も、もしかして思い出の場所の意味って……」
「まさか今になって意味が分かるとはな」

 そう。三人で行った旅行先。
 未来でキングが「思い出の場所」と言った意味。
 全てが繋がったオレたちは顔を見合わせる。

「もう一度……行ってみない?」
「あぁ。よければこの場所で……」

 それは未来の娘からもらった二つの贈りもの。
 初めての家族旅行と、生涯寄り添う相手と誓いを立てる場所。
 偶然なんかじゃない。
 これは。

「運命だよね……」
「そうだな」

 前世からの不思議な縁。
 現世での再会と、未来への福音。

「全部、繋がってたんだな」
「うん」

 目を瞑ると、白いドレスを着た君が見える。

 あの頃も。

 そして未来でも。

 君は。



 永遠に一番美しく 輝く星だよ。



 END
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