トランプの死神と小悪魔的な天使
参加者と順番は「あたし(ほたる)→ちびうさちゃん→九助→なるる→るるな→桃ちゃん→あたし」という感じだ。
最初に出来たのはワンペアで、取り敢えずジョーカーは手元にない。
残りのカードは7枚。
ジャンケンで勝ったあたしから、ちびうさちゃんのカードを引く。
「安心してね、ジョーカー持ってないから」
笑顔で言うけれど、この発言自体がひっかけの可能性もある。
ちびうさちゃんは、普段はとっても優しいけれど、あたし以上に負けず嫌いなところがある。なので油断は出来ない。
「まぁ、最初だしね……やった、ペアだ!」
引いたカードが、運よくペアになった。
残りは6枚。
「調子いいね、ほたるちゃん♪」
「じゃあ、次はあたしね」
ちびうさちゃんが、九助からカードを引く。
「う~ん……ペアにならないや」
「わ、わりぃ……」
「あれあれ……九助ったら、ちびうさちゃんのことを勝たせようとしてない?」
九助の反応に、桃ちゃんが茶々を入れる。
「そ、そんなことねぇよ!?」
この反応を見れば、一発でわかる。九助はちびうさちゃんの援護をしてくるに違いない。
言葉やカードの並べ方で、ちびうさちゃんにジョーカーを引かせないようにしてくるだろう。
しかし、それはあたしにとっても好都合。ちびうさちゃんがジョーカーを引かなければ、あたしも引くことはないのだから。
「次はオレだな……」
九助がなるるからカードを引く。
「よしっ!」
ペアになったカードを捨てる九助。この反応だと、九助もジョーカーを持ってないのかな。
ならジョーカーは、なるるなコンビか桃ちゃんか。さっきの発言がひっかけだとしたら、ちびうさちゃんの可能性もある。
序盤で思案しすぎるのも良くないけれど、あたしは本気で勝ちたかった。
今日こそ「トランプの死神」という通り名を返上するんだから。
「じゃあ、あたしはるるなからね~」
「ほいっ」
「なっ!?」
あたしは思わず声を出す。
なるるが引こうとした瞬間、るるなが1枚のカードを上に飛び出す形でズラしたのだ。
これじゃあ、コレがジョーカーだと言っているも同然。しかし。
「じゃあ、コレにしよ~」
なるるは、あっさり飛び出たカードを引いた。
「へぇ~……引いちゃったか……」
ワザとだ。なるるは、るるなからワザとジョーカーを引いた。
それはジョーカーをるるな→なるる→九助→ちびうさちゃんという具合に回すため。
おそらく、どちらかがジョーカーを引いた場合の打ち合わせを直前でしていたに違いない。
くっ……こいつら、小癪なコンビプレイを。
状況を整理しよう。
元々ジョーカーはるるなが持っていて、ソレがなるるに渡った。
つまり、次に九助がジョーカーを引く前にカードを減らすしかない。
「じゃあ、あたしは桃ちゃんから」
「はい」
「よし、ペア出来た~」
るるながペアになったカードを捨てる。
「あたしは、ほたるちゃんからだね」
「どうぞ」
「あっ、あたしもペア出来たよ!」
桃ちゃんも続けてカードを捨てる。
あたしのカードは残り5枚。
最初に出来たのはワンペアで、取り敢えずジョーカーは手元にない。
残りのカードは7枚。
ジャンケンで勝ったあたしから、ちびうさちゃんのカードを引く。
「安心してね、ジョーカー持ってないから」
笑顔で言うけれど、この発言自体がひっかけの可能性もある。
ちびうさちゃんは、普段はとっても優しいけれど、あたし以上に負けず嫌いなところがある。なので油断は出来ない。
「まぁ、最初だしね……やった、ペアだ!」
引いたカードが、運よくペアになった。
残りは6枚。
「調子いいね、ほたるちゃん♪」
「じゃあ、次はあたしね」
ちびうさちゃんが、九助からカードを引く。
「う~ん……ペアにならないや」
「わ、わりぃ……」
「あれあれ……九助ったら、ちびうさちゃんのことを勝たせようとしてない?」
九助の反応に、桃ちゃんが茶々を入れる。
「そ、そんなことねぇよ!?」
この反応を見れば、一発でわかる。九助はちびうさちゃんの援護をしてくるに違いない。
言葉やカードの並べ方で、ちびうさちゃんにジョーカーを引かせないようにしてくるだろう。
しかし、それはあたしにとっても好都合。ちびうさちゃんがジョーカーを引かなければ、あたしも引くことはないのだから。
「次はオレだな……」
九助がなるるからカードを引く。
「よしっ!」
ペアになったカードを捨てる九助。この反応だと、九助もジョーカーを持ってないのかな。
ならジョーカーは、なるるなコンビか桃ちゃんか。さっきの発言がひっかけだとしたら、ちびうさちゃんの可能性もある。
序盤で思案しすぎるのも良くないけれど、あたしは本気で勝ちたかった。
今日こそ「トランプの死神」という通り名を返上するんだから。
「じゃあ、あたしはるるなからね~」
「ほいっ」
「なっ!?」
あたしは思わず声を出す。
なるるが引こうとした瞬間、るるなが1枚のカードを上に飛び出す形でズラしたのだ。
これじゃあ、コレがジョーカーだと言っているも同然。しかし。
「じゃあ、コレにしよ~」
なるるは、あっさり飛び出たカードを引いた。
「へぇ~……引いちゃったか……」
ワザとだ。なるるは、るるなからワザとジョーカーを引いた。
それはジョーカーをるるな→なるる→九助→ちびうさちゃんという具合に回すため。
おそらく、どちらかがジョーカーを引いた場合の打ち合わせを直前でしていたに違いない。
くっ……こいつら、小癪なコンビプレイを。
状況を整理しよう。
元々ジョーカーはるるなが持っていて、ソレがなるるに渡った。
つまり、次に九助がジョーカーを引く前にカードを減らすしかない。
「じゃあ、あたしは桃ちゃんから」
「はい」
「よし、ペア出来た~」
るるながペアになったカードを捨てる。
「あたしは、ほたるちゃんからだね」
「どうぞ」
「あっ、あたしもペア出来たよ!」
桃ちゃんも続けてカードを捨てる。
あたしのカードは残り5枚。