幸福の音色
「おはよう。みちる」
また、この音色。
「みちるママ、まだ寝てるの?」
「ほたるが騒ぐから起きたんじゃないか」
「もう、人のせいにしないでよ」
そうか。
だから同じ音に聞こえたのね。
「はるかパパ、あたしにはないの?」
「はいはい……おはよう。ほたる」
「くすっ」
誰にでもしている挨拶じゃない。
大切なパートナーや家族に向けて贈る時のトーン。
「みちる……起きたのかい?」
「毎回同じだから、勘違いしちゃったわ」
「えっ?」
私は最初から、満たされていた。
「愛してるわ、はるか」
「おいおい……ほたるがいる……」
言い終える前に、夢の続きを。
黄色い声を上げる娘と、それを聞きつけて来たもう一人の家族がお小言を言っているけれど、今はこのままでいさせて。
大好きな唇から伝わってくる感情はこの家に溢れている想いと同じで。
幸福な音色を奏でていた。
END
また、この音色。
「みちるママ、まだ寝てるの?」
「ほたるが騒ぐから起きたんじゃないか」
「もう、人のせいにしないでよ」
そうか。
だから同じ音に聞こえたのね。
「はるかパパ、あたしにはないの?」
「はいはい……おはよう。ほたる」
「くすっ」
誰にでもしている挨拶じゃない。
大切なパートナーや家族に向けて贈る時のトーン。
「みちる……起きたのかい?」
「毎回同じだから、勘違いしちゃったわ」
「えっ?」
私は最初から、満たされていた。
「愛してるわ、はるか」
「おいおい……ほたるがいる……」
言い終える前に、夢の続きを。
黄色い声を上げる娘と、それを聞きつけて来たもう一人の家族がお小言を言っているけれど、今はこのままでいさせて。
大好きな唇から伝わってくる感情はこの家に溢れている想いと同じで。
幸福な音色を奏でていた。
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