このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

幸福の音色

「おはよう。みちる」

 窓から差し込む光が目を刺激したのと同時に、あの人の声が聞こえた。
 その笑顔はいつものように私へ向けられ、一日の始まりを告げる音色は軽やかで、優しくて、同じ響きで。

「誰に……言ってるの?」
「えっ? 君以外にいるわけないだろ?」
「そうよね……」

 毎日繰り返されるものだから、試そうとしてる?
 その挨拶が、私だけに向けられていると。

「行こうぜ」
「えぇ」
「少しブルーになってないか?」
「私はいつだって透き通った碧を心掛けているわ」
「ふふっ、そうだったな」

 朝食を終えてそれぞれのヘリへ乗り込んだ私たちは、お昼に落ち合う約束をして学園へ向かった。
1/3ページ
スキ