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どっちのヒーリングが好き?

「そんなこと……ないもん……」

 図星を突かれて恥ずかしくなったあたしは、公園のベンチに一人座っていた。

「まだ気にしてるの?」

 見上げると、ほたるちゃんが優しい笑みを浮かべながら目の前に立っていた。あたしのことを気にかけて、ここまで来てくれたんだ。

「あたし……ほたるちゃんをまもちゃんの代わりになんて……」
「わかってるよ……さっきはちびうさちゃんが可愛かったから、みんなイジワルしちゃっただけなの」
「そっか」

 少しの間、沈黙が訪れる。

「さっきはああ言ったけどね」
「ん?」
「本当は、ほたるちゃんのヒーリングの方が好き……」
「どうして?」
「……ママみたいだから」
「えっ」

 少しだけ驚いた表情のほたるちゃん。こんな答えが返ってくるとは思わなかったんだろうな。

「ふふっ」
「あ、また笑った!」
「ごめんね? やっぱり可愛いなって」
「どーせ子どもですよーだ!」

 今日は何回、頬を膨らませただろう。そんなあたしを見て、ほたるちゃんが何かを呟く。

「あたしも……ちびうさちゃんにヒーリングするのが一番、好きだよ」
「えっ?」
「何でもない」
「ヘンなほたるちゃん」

 そう言って笑いあう。
 最後にほたるちゃんが何て言ったのかは、聞こえなかったけれど。
 何だか心が満たされていくような気持ちだった。

 ぐーっ!

「お腹、鳴ってるよ?」
「あはは、戻ろうか」
「うん!」

 満たされたかったのは、心だけじゃなくお腹もだったみたい。
 あたしたちは笑いあいながら、まもちゃんたちの所へ戻ることにした。



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