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サターンのとある一日

 夕方、わたしは家に着いた。結構時間が経ってしまったので心配しているだろうか。そう思いながらドアを開けると。

「ただいま」
「おかえりなさい。サターン」

 みちるが微笑みながらわたしの名前を呼ぶ。やはりバレていたようだ。

「すみません、ヘンな真似をして……」
「ほたるのお願いでしょう? ごめんなさいね」
「いえ。楽しかったです」
「ならみんなに感謝しないとね?」
「ふふっ、そうですね」
「おかえりサターン。夕飯できてるぞ?」
「ただいま、はるか」
「ほたるの姿で呼び捨てにされると、何だか新鮮な気持ちになるな」
「す、すみません」
「もう。からかわないの」
「ははっ、可愛くてついね」
「おかえりなさい。遅かったわね?」
「せつな……うさぎたちとゲーセンという所に行きました」
「あら、じゃあお話いっぱい聞かせてね」
「はい」

 そうして夕食を取りながら色々な話をした。

 今朝のこと。
 スモールレディや学校のこと。
 プリンセスたちとゲーセンに行ったこと。

 三人とも嬉しそうに話を聞いてくれた。

「じゃあ、今日はお疲れね?」
「はい」
「なら、お風呂に入って早くベッドで休まなきゃね」
「はい。では失礼します」



 入浴を終えたわたしはベッドに座った。

「起きてますか?」
「うん」
「よく休めましたか?」
「サターンのおかげでたっぷり休めたよ」
「それはよかったです」
「どうだった? 一日」
「今日は色々ありました」
「うん。ママたちと話してたの、聞いてた」
「そうですか」
「楽しかったなら、よかったよ」
「気を遣わせてしまいましたね」
「いいのよ、お互いさまだしね」
「ほたる」
「ん?」
「ありがとう」

 少し照れくさかったけれど。色々な意味を込めた感謝の言葉を贈る。

「あたしの方こそ、ありがとう」

 ほたるの言葉にも色々な意味が込められていることを知っている。だからこれ以上、お互いに聞かなかった。

「わたしたちは幸せ者です」
「そうだね」

 かけがえのない人たちがいること。

 ほたるとわたしが一緒にいられること。

 それら全てに感謝をしながら、わたしたちは眠りにつく。

 きっと明日も楽しい一日が待っている。

 そう願いながら。



 END
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