サターンのとある一日
「ふぅ」
何とか月野家に着いた。ここでスモールレディを誘って、学校へ行かなくては。
ピンポーン
「あ、ほたるちゃん!」
呼び鈴を押すと、スモールレディが出てくる。
「おはよう、スモ……ちびうさちゃん」
「すも?」
「な、何でもないの」
「ふふっ、ヘンなほたるちゃん」
「は、早く学校に行きましょう!」
「う、うん」
わたしはスモールレディの手を引っ張って、学校へ行った。
「おはよ~」
「おはよう」
教室に入って挨拶をすると、ほたるの友人たちが挨拶を返す。
「おはよう! ちびうさちゃん、ほたるちゃん」
「相変わらず、仲良く手を繋いでるね~」
「あっ」
しまった。急ぐあまり、スモールレディの手を握ったままだった。
「申し訳……ご、ごめんね?」
「……?」
みんながわたしの口調に違和感を感じているのがわかる。
「ふふっ、ほたるちゃん今日は面白いね」
スモールレディは特に気にしていないようだったけれど。しっかり演じなければ。
「ほたるっち、何かヘンなものでも食べた?」
「拾い食いしちゃ、ダメだよ?」
なるるとるるながからかってくる。確かこの二人はケンカ友達だったハズ。
「あ、あんたたちじゃないんだから、そんなことしないわよ」
「おぉっ!? 今日は毒づくねぇ」
「す、すみません!」
「えっ、もう謝るの?」
「えっ?」
「今日のほたるっち、ホントに面白いね~」
深く考えない友人たちでよかった。失礼な感想を抱きつつも、自分の演技に自信が無くなっていく。わたしはこんなにも本番に弱いタイプだったのか。
「席に着こう?」
スモールレディがわたしの肩をポンと叩いて席に促す。
「うん」
学校の帰り道。
「今日は大変だったね」
「うん」
「ほたるちゃんに頼まれたの?」
「はい。全く困ったもので……えっ?」
スモールレディは全てを見透かしたような瞳で微笑んでいた。
「気づいて……たんですか?」
「うん」
「いつから?」
「会った瞬間から」
「はぁ」
今日、何度目のため息だろう。
「落ち込まないで? あたしやはるかさんたちはほたるちゃんのこと、ずっと見てきたから」
「やはりはるかたちにもバレていたでしょうか?」
「その調子なら、ほぼ気づいてると思うよ」
「わたしは……ほたるのことを、よく見ていなかったのかもしれません」
口調や接し方。今までほたるのことを見守ってきたつもりだったのに。
「そんなことないよ」
「えっ?」
「サターンはほたるちゃんのことを誰よりも考えてる……あたしやはるかさんたちが嫉妬しちゃうくらいね」
「スモールレディ」
「だから、いつもありがとね……ほたるちゃんを護ってくれて」
「いえ……わたしの方こそ、みんなにお礼を言いたいです」
「あたしたちに?」
「はい。ほたるを愛してくれて、ありがとう」
「ふふっ、みんなから愛されてるね。ほたるちゃん」
「その割にこういうイタズラを仕掛けるので困ったものです」
「それは多分サターンのためじゃないかな?」
「わたしの?」
「いつも真面目な顔してるから、笑ってほしかったんだと思う」
「わたしが、笑う……」
「うん! ほたるちゃんなりの優しさだよ」
「そうでしたか」
やはりわたしはほたるのことをまだまだ分かっていなかった。わたしのことも気遣ってくれていたなんて。
「じゃあ行こうか」
「行くって、どこへ?」
「火川神社♪」
何とか月野家に着いた。ここでスモールレディを誘って、学校へ行かなくては。
ピンポーン
「あ、ほたるちゃん!」
呼び鈴を押すと、スモールレディが出てくる。
「おはよう、スモ……ちびうさちゃん」
「すも?」
「な、何でもないの」
「ふふっ、ヘンなほたるちゃん」
「は、早く学校に行きましょう!」
「う、うん」
わたしはスモールレディの手を引っ張って、学校へ行った。
「おはよ~」
「おはよう」
教室に入って挨拶をすると、ほたるの友人たちが挨拶を返す。
「おはよう! ちびうさちゃん、ほたるちゃん」
「相変わらず、仲良く手を繋いでるね~」
「あっ」
しまった。急ぐあまり、スモールレディの手を握ったままだった。
「申し訳……ご、ごめんね?」
「……?」
みんながわたしの口調に違和感を感じているのがわかる。
「ふふっ、ほたるちゃん今日は面白いね」
スモールレディは特に気にしていないようだったけれど。しっかり演じなければ。
「ほたるっち、何かヘンなものでも食べた?」
「拾い食いしちゃ、ダメだよ?」
なるるとるるながからかってくる。確かこの二人はケンカ友達だったハズ。
「あ、あんたたちじゃないんだから、そんなことしないわよ」
「おぉっ!? 今日は毒づくねぇ」
「す、すみません!」
「えっ、もう謝るの?」
「えっ?」
「今日のほたるっち、ホントに面白いね~」
深く考えない友人たちでよかった。失礼な感想を抱きつつも、自分の演技に自信が無くなっていく。わたしはこんなにも本番に弱いタイプだったのか。
「席に着こう?」
スモールレディがわたしの肩をポンと叩いて席に促す。
「うん」
学校の帰り道。
「今日は大変だったね」
「うん」
「ほたるちゃんに頼まれたの?」
「はい。全く困ったもので……えっ?」
スモールレディは全てを見透かしたような瞳で微笑んでいた。
「気づいて……たんですか?」
「うん」
「いつから?」
「会った瞬間から」
「はぁ」
今日、何度目のため息だろう。
「落ち込まないで? あたしやはるかさんたちはほたるちゃんのこと、ずっと見てきたから」
「やはりはるかたちにもバレていたでしょうか?」
「その調子なら、ほぼ気づいてると思うよ」
「わたしは……ほたるのことを、よく見ていなかったのかもしれません」
口調や接し方。今までほたるのことを見守ってきたつもりだったのに。
「そんなことないよ」
「えっ?」
「サターンはほたるちゃんのことを誰よりも考えてる……あたしやはるかさんたちが嫉妬しちゃうくらいね」
「スモールレディ」
「だから、いつもありがとね……ほたるちゃんを護ってくれて」
「いえ……わたしの方こそ、みんなにお礼を言いたいです」
「あたしたちに?」
「はい。ほたるを愛してくれて、ありがとう」
「ふふっ、みんなから愛されてるね。ほたるちゃん」
「その割にこういうイタズラを仕掛けるので困ったものです」
「それは多分サターンのためじゃないかな?」
「わたしの?」
「いつも真面目な顔してるから、笑ってほしかったんだと思う」
「わたしが、笑う……」
「うん! ほたるちゃんなりの優しさだよ」
「そうでしたか」
やはりわたしはほたるのことをまだまだ分かっていなかった。わたしのことも気遣ってくれていたなんて。
「じゃあ行こうか」
「行くって、どこへ?」
「火川神社♪」