想い出は月の中に
「起きて?」
「ん……むにゃ……」
「全く……衛さんに二度と会えなくなってもいいの?」
「ま、まもちゃん!?」
あたしがもう一人の自分に声をかけると、その子はビクッとするように飛び起きた。
「あなたは……?」
「あたしも月野うさぎ……あなたの分身みたいなものよ」
「ぶんしん?」
「それより、どうして現実から逃げて眠ってしまったの?」
「自分でもよくわからないけど……疲れちゃったんだと思う……」
「疲れた?」
「あたしは目の前の戦いや恋にずっと全力を注いで生きてきた……だけど、少しだけ眠りたくなったの……夢の世界で何も考えずに……」
穏やかな表情で話す少女。
今までずっとみんなを、この星を護りながら頑張ってきた。
そんな彼女を責めることなんて、誰にもできない。
きっと今回の件は、この子にとって必要な時間だったのだろう。
「もう、みんなのところへ戻れる?」
「えへへ……実はもうちょっと眠ってたいな、なんて……」
「あたしは構わないよ? それなら衛さんはあたしが奪っちゃうから」
「そ、それはダメッ!?」
「ふふっ……じゃあ起きなきゃね?」
額と額を近づけて、軽く触れ合う。
一緒に目を覚まそう。
大好きな人たちと、愛する人のもとへ。
目を開けると、心配そうな表情であたしを見つめるまもちゃんが立っていた。
「まもちゃん……」
「目を覚ましたんだな……」
「うん……」
「あの子は?」
「あたしの中へ溶けていった……」
「そうか……」
「でもわかるの……あの子は確かに、心の中であたしを支えてくれてるって……」
胸に手を当て、溶けていったあの子のぬくもりを感じ取る。
今回はあたしの勝手な行動でたくさんの人に迷惑をかけて、大切な人を傷つけてしまった。
「もう逃げたりしない……一生懸命支えてくれたあの子に応えるためにも、あたし頑張って生きるよ……」
「そうだな……」
「ありがとう、まもちゃん」
月が映える公園の中で、深いキスをする。
それは今までの感覚とは違う、心が満たされていく時間。
この愛をかみしめることができるのも、あの子が気付かせてくれたから。
本当の居場所は夢の中じゃなく、この人の隣だという真実に。
音のない月明かりの下、二つの影が離れることはなかった。
「ん……むにゃ……」
「全く……衛さんに二度と会えなくなってもいいの?」
「ま、まもちゃん!?」
あたしがもう一人の自分に声をかけると、その子はビクッとするように飛び起きた。
「あなたは……?」
「あたしも月野うさぎ……あなたの分身みたいなものよ」
「ぶんしん?」
「それより、どうして現実から逃げて眠ってしまったの?」
「自分でもよくわからないけど……疲れちゃったんだと思う……」
「疲れた?」
「あたしは目の前の戦いや恋にずっと全力を注いで生きてきた……だけど、少しだけ眠りたくなったの……夢の世界で何も考えずに……」
穏やかな表情で話す少女。
今までずっとみんなを、この星を護りながら頑張ってきた。
そんな彼女を責めることなんて、誰にもできない。
きっと今回の件は、この子にとって必要な時間だったのだろう。
「もう、みんなのところへ戻れる?」
「えへへ……実はもうちょっと眠ってたいな、なんて……」
「あたしは構わないよ? それなら衛さんはあたしが奪っちゃうから」
「そ、それはダメッ!?」
「ふふっ……じゃあ起きなきゃね?」
額と額を近づけて、軽く触れ合う。
一緒に目を覚まそう。
大好きな人たちと、愛する人のもとへ。
目を開けると、心配そうな表情であたしを見つめるまもちゃんが立っていた。
「まもちゃん……」
「目を覚ましたんだな……」
「うん……」
「あの子は?」
「あたしの中へ溶けていった……」
「そうか……」
「でもわかるの……あの子は確かに、心の中であたしを支えてくれてるって……」
胸に手を当て、溶けていったあの子のぬくもりを感じ取る。
今回はあたしの勝手な行動でたくさんの人に迷惑をかけて、大切な人を傷つけてしまった。
「もう逃げたりしない……一生懸命支えてくれたあの子に応えるためにも、あたし頑張って生きるよ……」
「そうだな……」
「ありがとう、まもちゃん」
月が映える公園の中で、深いキスをする。
それは今までの感覚とは違う、心が満たされていく時間。
この愛をかみしめることができるのも、あの子が気付かせてくれたから。
本当の居場所は夢の中じゃなく、この人の隣だという真実に。
音のない月明かりの下、二つの影が離れることはなかった。