時を越えた出逢い
「ううん……」
「プリンセス……寝坊ですよ?」
レースのカーテンから光が差し込む。
枕の横では、ルナが困ったような顔をしていた。
「また、夢を見ていたんですか?」
「えぇ……大切な夢だったの……」
もう永遠に見ることはない夢。
だけど、いつか現実になる世界。
僅かな時間だったけれど、素敵な経験だった。
まるで何年も前の出来事のように思い耽っていると。
「ところで……このぬいぐるみは?」
「えっ?」
ルナが肉球でわたしのお腹辺りをツンツンと突く。
その柔らかい感触に驚いて、目を向けると。
「一緒に、ついてきたのね……」
わたしはウサギのぬいぐるみを抱きしめていた。
「買ったんですか?」
「ううん……素敵な人からプレゼントされたの」
「また地球に降りたんですね? あれほど止められているのに……」
「地球は地球でも、この時代じゃないから問題ないわ」
「えっ?」
頭の上にハテナマークをいくつも浮かべるルナの額を撫でる。
夢の世界にいた貴方は、目の前にいる愛すべき人を見つめていますか?
運命の日。
わたしがどのような最期を迎えるかは分からないけれど。
悲しみを乗り越えて未来へ進むと誓います。
だからまた逢いましょう。
どの時代に生まれても、どんな試練が降りかかっても。
わたしは貴方を愛しています。
END
「プリンセス……寝坊ですよ?」
レースのカーテンから光が差し込む。
枕の横では、ルナが困ったような顔をしていた。
「また、夢を見ていたんですか?」
「えぇ……大切な夢だったの……」
もう永遠に見ることはない夢。
だけど、いつか現実になる世界。
僅かな時間だったけれど、素敵な経験だった。
まるで何年も前の出来事のように思い耽っていると。
「ところで……このぬいぐるみは?」
「えっ?」
ルナが肉球でわたしのお腹辺りをツンツンと突く。
その柔らかい感触に驚いて、目を向けると。
「一緒に、ついてきたのね……」
わたしはウサギのぬいぐるみを抱きしめていた。
「買ったんですか?」
「ううん……素敵な人からプレゼントされたの」
「また地球に降りたんですね? あれほど止められているのに……」
「地球は地球でも、この時代じゃないから問題ないわ」
「えっ?」
頭の上にハテナマークをいくつも浮かべるルナの額を撫でる。
夢の世界にいた貴方は、目の前にいる愛すべき人を見つめていますか?
運命の日。
わたしがどのような最期を迎えるかは分からないけれど。
悲しみを乗り越えて未来へ進むと誓います。
だからまた逢いましょう。
どの時代に生まれても、どんな試練が降りかかっても。
わたしは貴方を愛しています。
END
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