再生
朝、起きた瞬間に分かった。オレの中にかつてないほどのパワーが集まっていくこの感じを。
「今なら……」
オレは机の上に飾ってあるケースを持ち、フタを開けた。中には光り輝く四つの石が入っている。
「ジェダイト。ネフライト。ゾイサイト。クンツァイト……」
呼びかけると、光っていた石たちは一層反応を強くし輝き始めた。
「マスター……これは一体?」
みんなの幻影がホログラムのように現れ、クンツァイトが疑問を投げかける。
「分かるか? その時が来たんだ」
「その時?」
首を傾げながらオレを見るゾイサイト。オレ自身こんなに早くチャンスが訪れるとは思わなかった。事情を説明するためにデスクチェアへ腰かけたオレは、四人の幻影を見つめなおした。
「今お前たちが光り輝いているのは、オレのパワーに共鳴しているからだ」
「マスターのパワー?」
「あぁ。オレは現世ではサイコメトリーという不思議なパワーを持っているのは知ってるな? その力を自分の中に蓄えていたんだ」
「それは……なぜ?」
ネフライトの質問に、オレは待ってましたと言わんばかりに得意げな表情でこう答えた。
「もちろん……お前たちを人間として蘇らせるためさ」
「えっ!?」
四人の声が綺麗に揃う。恐らく想像もしていなかったのだろう。自分たちが再びこの世に生を受けることになるなんて。
「もう一度……今度こそオレを支えてくれないか?」
「マスター……もちろんです!」
ジェダイトが威勢よく返事をする。それに続き三人も深く頷いたことを確認したオレは、みんなを床に並べて、パワーを右手に集中させた。
「凄いエネルギーだ」
「これほどのパワーがマスターの中に眠っていたなんてな」
「今までで一番カッコいいわね」
「茶化すなよ、ゾイサイト」
体中のエネルギーが右手に集まったことを感じたオレは、掌を四人に向けて意識を集中させた。
「いくぞ!」
「はい!」
右手から放たれた光が四つの石を包み込む。
そして。
「成功……してくれ……」
光が収まると、そこには凛々しく佇む四人の姿があった。
「マスター!」
「みんな……おかえり」
涙が頬を伝う。四人がもう一度、あの頃と変わらない姿でオレの前に立っている。それだけで幸せだった。
「マスター。我々に再び生を与えてくださったこと、生涯忘れません」
「我ら、今度こそ主君である貴方を……護り通すことを誓います」
「いついかなる時も、貴方のお傍に」
「全ての力をマスターのために捧げます」
四人が頼もしい言葉を伝えてくれる。だがオレの言い方が悪かったせいで少しだけニュアンスを修正しなければならない。四人を現世に復活させた本当に意味を。
「ありがとう。だが、少し聞いてくれるか?」
「マスター?」
「さっきはもう一度オレを支えてほしいと言ったが……それは前提があってこそなんだ」
「前提?」
少し間をおいて咳払いをした後、改めて四人に向き合う。
「四天王である前に、一人の人間として……生を楽しんでもらいたい」
「それは……」
「言葉の通りさ。普通に暮らして、働いて……恋をしてみないか?」
「っ!?」
オレの言葉を聞いた瞬間、四人は目を見開いて驚きの表情を見せる。
「マスター……つまり、もう一度月の守護戦士たちと。ということですか?」
「いくら前世のことがあるとはいえ、彼女たちとムリに復縁しろなんて言わないよ」
「では……」
「これから生きていく中で、素敵な人を見つけられたらいいなと思ってる」
「……ありがとうございます!」
そうは言ってもオレやうさのように、この八人も運命の出逢いには違いない。できれば一緒になってもらいたいとは思うが、ここは無理強いせずサポートしていこう。
「じゃあ、名前はどうする?」
「名前なら既に持っていますが」
「なんだ、現世での名前は要らないのか?」
「特に考えてはいませんが、必要なら作りますよ」
「でも私たち見た目外人なわけだし、ムリに和名を名乗る必要もなくない?」
「それもそうだな」
「オレはジェダイトのままでいい」
みんな意外と自分の名前には関心がないんだな。まぁ本人たちが困らないならそれでいいか。
「じゃあ、これからよろしくな」
「はい!」
こうしてオレたちの共同生活が、四人の新たな人生が始まった。
「今なら……」
オレは机の上に飾ってあるケースを持ち、フタを開けた。中には光り輝く四つの石が入っている。
「ジェダイト。ネフライト。ゾイサイト。クンツァイト……」
呼びかけると、光っていた石たちは一層反応を強くし輝き始めた。
「マスター……これは一体?」
みんなの幻影がホログラムのように現れ、クンツァイトが疑問を投げかける。
「分かるか? その時が来たんだ」
「その時?」
首を傾げながらオレを見るゾイサイト。オレ自身こんなに早くチャンスが訪れるとは思わなかった。事情を説明するためにデスクチェアへ腰かけたオレは、四人の幻影を見つめなおした。
「今お前たちが光り輝いているのは、オレのパワーに共鳴しているからだ」
「マスターのパワー?」
「あぁ。オレは現世ではサイコメトリーという不思議なパワーを持っているのは知ってるな? その力を自分の中に蓄えていたんだ」
「それは……なぜ?」
ネフライトの質問に、オレは待ってましたと言わんばかりに得意げな表情でこう答えた。
「もちろん……お前たちを人間として蘇らせるためさ」
「えっ!?」
四人の声が綺麗に揃う。恐らく想像もしていなかったのだろう。自分たちが再びこの世に生を受けることになるなんて。
「もう一度……今度こそオレを支えてくれないか?」
「マスター……もちろんです!」
ジェダイトが威勢よく返事をする。それに続き三人も深く頷いたことを確認したオレは、みんなを床に並べて、パワーを右手に集中させた。
「凄いエネルギーだ」
「これほどのパワーがマスターの中に眠っていたなんてな」
「今までで一番カッコいいわね」
「茶化すなよ、ゾイサイト」
体中のエネルギーが右手に集まったことを感じたオレは、掌を四人に向けて意識を集中させた。
「いくぞ!」
「はい!」
右手から放たれた光が四つの石を包み込む。
そして。
「成功……してくれ……」
光が収まると、そこには凛々しく佇む四人の姿があった。
「マスター!」
「みんな……おかえり」
涙が頬を伝う。四人がもう一度、あの頃と変わらない姿でオレの前に立っている。それだけで幸せだった。
「マスター。我々に再び生を与えてくださったこと、生涯忘れません」
「我ら、今度こそ主君である貴方を……護り通すことを誓います」
「いついかなる時も、貴方のお傍に」
「全ての力をマスターのために捧げます」
四人が頼もしい言葉を伝えてくれる。だがオレの言い方が悪かったせいで少しだけニュアンスを修正しなければならない。四人を現世に復活させた本当に意味を。
「ありがとう。だが、少し聞いてくれるか?」
「マスター?」
「さっきはもう一度オレを支えてほしいと言ったが……それは前提があってこそなんだ」
「前提?」
少し間をおいて咳払いをした後、改めて四人に向き合う。
「四天王である前に、一人の人間として……生を楽しんでもらいたい」
「それは……」
「言葉の通りさ。普通に暮らして、働いて……恋をしてみないか?」
「っ!?」
オレの言葉を聞いた瞬間、四人は目を見開いて驚きの表情を見せる。
「マスター……つまり、もう一度月の守護戦士たちと。ということですか?」
「いくら前世のことがあるとはいえ、彼女たちとムリに復縁しろなんて言わないよ」
「では……」
「これから生きていく中で、素敵な人を見つけられたらいいなと思ってる」
「……ありがとうございます!」
そうは言ってもオレやうさのように、この八人も運命の出逢いには違いない。できれば一緒になってもらいたいとは思うが、ここは無理強いせずサポートしていこう。
「じゃあ、名前はどうする?」
「名前なら既に持っていますが」
「なんだ、現世での名前は要らないのか?」
「特に考えてはいませんが、必要なら作りますよ」
「でも私たち見た目外人なわけだし、ムリに和名を名乗る必要もなくない?」
「それもそうだな」
「オレはジェダイトのままでいい」
みんな意外と自分の名前には関心がないんだな。まぁ本人たちが困らないならそれでいいか。
「じゃあ、これからよろしくな」
「はい!」
こうしてオレたちの共同生活が、四人の新たな人生が始まった。
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