君に触れるだけで
音のないリビング。
床に重なり合う形で倒れているオレたち。
「生きて……る……?」
「あぁ……」
返事をしながら手を握り、指を絡ませる。
「さわれる……まもちゃんにさわれる……」
「鍵は解けましたか? お姫様」
「うん……心の鍵は、もういらない……」
ぎゅぅっと、今度はうさがオレの体を抱きしめる。
「ケガを治さないと……」
「ヒーリングがあるから大丈夫だよ……それより……」
「えっ?」
「冷めちまったから、コーヒー淹れてくれるか?」
「……うん!」
「ふふっ」
「どうした?」
ひと通りケガも治り、改めてソファーに座りながらコーヒーを飲む。もちろん至近距離でくっつきながら。
「だって……愛の告白が『オレと死んでくれ』なんだもん」
「ストレートでよかったろ?」
「シャレにならない状況だったのに、よく言えたね?」
「弱いからさ……」
「えっ……」
「オレたちは弱くて未熟なんだ……だからこそ、二人じゃなきゃ何もできない……」
長い沈黙の後、「うん」と頷くうさ。
「お互いを欲しくて堪らないほど愛しあってるんだよ」
「そうだね……」
もう一度、視線を合わせる。
そして再びその艶やかな唇にキスをする。
柔らかい口元から伝わってくる味は、コーヒーの苦さと恋人の甘さがブレンドされて溶け合っていくようだった。
END
床に重なり合う形で倒れているオレたち。
「生きて……る……?」
「あぁ……」
返事をしながら手を握り、指を絡ませる。
「さわれる……まもちゃんにさわれる……」
「鍵は解けましたか? お姫様」
「うん……心の鍵は、もういらない……」
ぎゅぅっと、今度はうさがオレの体を抱きしめる。
「ケガを治さないと……」
「ヒーリングがあるから大丈夫だよ……それより……」
「えっ?」
「冷めちまったから、コーヒー淹れてくれるか?」
「……うん!」
「ふふっ」
「どうした?」
ひと通りケガも治り、改めてソファーに座りながらコーヒーを飲む。もちろん至近距離でくっつきながら。
「だって……愛の告白が『オレと死んでくれ』なんだもん」
「ストレートでよかったろ?」
「シャレにならない状況だったのに、よく言えたね?」
「弱いからさ……」
「えっ……」
「オレたちは弱くて未熟なんだ……だからこそ、二人じゃなきゃ何もできない……」
長い沈黙の後、「うん」と頷くうさ。
「お互いを欲しくて堪らないほど愛しあってるんだよ」
「そうだね……」
もう一度、視線を合わせる。
そして再びその艶やかな唇にキスをする。
柔らかい口元から伝わってくる味は、コーヒーの苦さと恋人の甘さがブレンドされて溶け合っていくようだった。
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