銀の意思は海で眠る
after セレニティ
「何をしてるんです?」
「ルナ……メッセージを書いているの」
最後の会話を終えた頃合いを見て、ルナが部屋に入って来る。
「鏡へ?」
「うん。リップが丁度いいかなって」
「例のご友人にですね」
「もう話すことはできないけれど、いつか見つけてくれる……そんな気がするの」
薄紅のリップで文字を書く。それは大好きなあの子へ向ける最後の言葉。
「……きっと喜びますよ」
「うん……ちょっと夜遅いけど、付き合ってほしいの」
「どこへでも」
あたしはルナと晴れの海へ来ていた。月の砂が静かに眠る場所。ここなら誰にもあの子との絆を邪魔されない。
「ここへ埋めるわ」
「はい」
少しだけ掘った砂の中に宝石箱を入れる。
「さようなら。うさぎ……」
僅かな時間だったけれど、友だちになれた不思議な子。
仲間の大切さを教えてくれた。
恋する瞳が眩しかった。
そして、あたしの身を案じてくれた。
「行こう。ルナ」
「えぇ」
優しくて、泣き虫な友人へ。
ありがとう。大好きだよ。
「何をしてるんです?」
「ルナ……メッセージを書いているの」
最後の会話を終えた頃合いを見て、ルナが部屋に入って来る。
「鏡へ?」
「うん。リップが丁度いいかなって」
「例のご友人にですね」
「もう話すことはできないけれど、いつか見つけてくれる……そんな気がするの」
薄紅のリップで文字を書く。それは大好きなあの子へ向ける最後の言葉。
「……きっと喜びますよ」
「うん……ちょっと夜遅いけど、付き合ってほしいの」
「どこへでも」
あたしはルナと晴れの海へ来ていた。月の砂が静かに眠る場所。ここなら誰にもあの子との絆を邪魔されない。
「ここへ埋めるわ」
「はい」
少しだけ掘った砂の中に宝石箱を入れる。
「さようなら。うさぎ……」
僅かな時間だったけれど、友だちになれた不思議な子。
仲間の大切さを教えてくれた。
恋する瞳が眩しかった。
そして、あたしの身を案じてくれた。
「行こう。ルナ」
「えぇ」
優しくて、泣き虫な友人へ。
ありがとう。大好きだよ。