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命は儚くも美しい

 次の日。私はいつも通り、学校に行った。そして教室でやすなの顔を見る。

「目……腫れてるぞ?」
「だって……心配だったんだもん……」

 泣きながら訴えるやすなを抱きしめる。

「……ありがとう」
「えっ……なにが?」
「色々だよ」
「……うん!」

 ようやく笑顔になってくれたやすなを見て、心が安らいでいく。

「ソーニャちゃん?」
「ん?」
「何か、悲しいことでもあったの?」
「あぁ、あったよ……」
「そっか……」

 大切な人が居てくれるか、そうでないか。私とルミーの違いは本当にそれだけだったのだろうか。

「私には、その気持ちを慰めることは出来ないけど……辛いのなら、一緒に泣いてあげる」
「一緒に?」
「うん、だから喜びも悲しみも分かち合おう」

 そうか。これが大切な人の重み。命の重さ。

「お前が、気付かせてくれたんだよな……」
「えっ?」
「ありがとう……やすな……」

 私がギュッとやすなの体を抱きしめると、優しく包み込んでくれた。

「大丈夫……ソーニャちゃんには私がいるからね!」
「あぁ……ずっとそばにいてくれ……」

 今はこの命を大切にしよう。
 やすなが教えてくれた命を。
 ルミーが伝えてくれた命を。

 目の前の、愛する人を笑顔にするために。



 END
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