デートしよっか
after うさぎ
「すっかり夜になっちゃったなぁ」
スヤスヤと眠るほたるちゃんをおんぶしながら、はるかさん達の家へ送る途中で物思いに耽る。
「気を遣わせちゃったかな」
今日はあたしが元気を分けてあげるつもりが、逆にほたるちゃんから元気を貰えた一日だった。
「ふふっ」
大事なお小遣いで買ってくれた一輪のバラを見ながら、今日を振り返っていると。
「うさっ!」
「えっ?」
何回も想像した、最愛の人の声。あたしを呼ぶその声が幻想じゃないことを願いながら、振り向く。
「すまない……遅くなった……」
「まもちゃん、帰国は明日じゃなかったの?」
「全力で手伝って、何とか今日の便に乗れたんだよ」
「そうだったんだ……あたしの為に、ありがとう」
「そう思って急いだけど、今日はお相手が居たようだな」
まもちゃんが、あたしの背中で寝息を立てるほたるちゃんを見て、クスッと微笑みながら言う。
「うん……今日はこの子があたしの王子様だったの」
「そうか……」
「明日からは、まもちゃんが王子様になってくれる?」
「あぁ、約束するよ」
「ありがと……」
キラキラと光る夜空の下で、口づけを交わす。それは本当ならつらく待ち焦がれた末にやってくる時間だったけれど、今日だけは悲しさを忘れて過ごすことが出来た。背中で眠る、小さな王子様のおかげで。
END
「すっかり夜になっちゃったなぁ」
スヤスヤと眠るほたるちゃんをおんぶしながら、はるかさん達の家へ送る途中で物思いに耽る。
「気を遣わせちゃったかな」
今日はあたしが元気を分けてあげるつもりが、逆にほたるちゃんから元気を貰えた一日だった。
「ふふっ」
大事なお小遣いで買ってくれた一輪のバラを見ながら、今日を振り返っていると。
「うさっ!」
「えっ?」
何回も想像した、最愛の人の声。あたしを呼ぶその声が幻想じゃないことを願いながら、振り向く。
「すまない……遅くなった……」
「まもちゃん、帰国は明日じゃなかったの?」
「全力で手伝って、何とか今日の便に乗れたんだよ」
「そうだったんだ……あたしの為に、ありがとう」
「そう思って急いだけど、今日はお相手が居たようだな」
まもちゃんが、あたしの背中で寝息を立てるほたるちゃんを見て、クスッと微笑みながら言う。
「うん……今日はこの子があたしの王子様だったの」
「そうか……」
「明日からは、まもちゃんが王子様になってくれる?」
「あぁ、約束するよ」
「ありがと……」
キラキラと光る夜空の下で、口づけを交わす。それは本当ならつらく待ち焦がれた末にやってくる時間だったけれど、今日だけは悲しさを忘れて過ごすことが出来た。背中で眠る、小さな王子様のおかげで。
END
3/3ページ