デートしよっか
side うさぎ
「はぁ……」
ベッドの上で今日、何度目かのため息を吐く。まもちゃんが久しぶりに海外留学から帰ってくる日だったのに、急な論文の手伝いを頼まれたとかで一日帰国が遅れることになった。本当なら、今日がデートの日だったのに。
「まぁ、明日には会えるんだけど……」
それでも会いたかった。最愛の人に今すぐにでも会いたい。遠距離恋愛をしているあたしにとっては、一日ズレるだけでも心が絞めつけられる思いだった。
「でも……このままウジウジしてても仕方ないか」
あたしは上着を着て、公園にでも行くことにした。
「あれ……?」
公園に着くと、ベンチにチョコンと座っている見知った女の子が居た。
「ほたるちゃん♪」
「えっ?」
声を掛けると、ほたるちゃんは驚いた様子であたしを見つめていた。
「まもちゃんとデートじゃなかったの?」
「あはは、一日帰国が遅れることになっちゃったの……」
「そうなんだ……」
「だから気分転換に公園に来たんだけど、ほたるちゃんはどうしたの?」
ほたるちゃんはあたしの質問に少し沈黙した後、照れながら口を開いた。
「ちびうさちゃんも未来に帰っちゃったし、何だか寂しくて……」
「そっか……」
「大切な人がそばに居ないって、悲しいね」
「うん……」
俯きながら落ち込んでいる様子を見て、一つの妙案を思いつく。
「何だかあたし達……今日は似た者同士だね」
「ふふっ、そうだね」
「ねぇ、ほたるちゃん」
「なぁに?」
「デートしよっか」
「へっ?」
あたしの突然の提案に目をパチクリさせて、首をかしげる。まぁ妙案というか、お互い暇なら一緒に遊べたらなって思っただけなんだけど。
「いいよ」
「えっ、ホント?」
「うさぎお姉ちゃん、寂しそうだからね」
「ほたるちゃんだって寂しいくせに~」
「じゃあ、お互いさまってことで」
「そうだね、じゃあ行こっか」
冗談を言って笑いあうと、あたし達は商店街へ出発した。
「ほら、アイスクリーム屋さんだよ?」
「うさぎお姉ちゃん、食べ物を見つけるのはすごく早いよね……」
商店街に着いて、まず最初にあたしの目に映ったのがアイス屋さんだった。色とりどりの3段重ねアイスに心を奪われていると、ほたるちゃんが冷静なツッコミを入れてくる。
「そりゃあ乙女の鉄板スイーツだもの♪」
「あはは……」
「買ってあげるから、行こ?」
「いいの?」
「もちろん、今日はあたしがエスコートしてあげるんだから」
「ふふっ、ありがとう」
あたしはミルクとオレンジとチョコの3段アイスを買ったけど、ほたるちゃんは遠慮したのかラムレーズン1段だった。
「本当にそれだけでいいの?」
「うん……というか、1段が普通だと思うけど」
「そんなんじゃ大きくなれないぞ」
お姉さんぶって言うあたしに、ほたるちゃんは苦笑いを浮かべながらアイスを食べていた。
「はぁ……」
ベッドの上で今日、何度目かのため息を吐く。まもちゃんが久しぶりに海外留学から帰ってくる日だったのに、急な論文の手伝いを頼まれたとかで一日帰国が遅れることになった。本当なら、今日がデートの日だったのに。
「まぁ、明日には会えるんだけど……」
それでも会いたかった。最愛の人に今すぐにでも会いたい。遠距離恋愛をしているあたしにとっては、一日ズレるだけでも心が絞めつけられる思いだった。
「でも……このままウジウジしてても仕方ないか」
あたしは上着を着て、公園にでも行くことにした。
「あれ……?」
公園に着くと、ベンチにチョコンと座っている見知った女の子が居た。
「ほたるちゃん♪」
「えっ?」
声を掛けると、ほたるちゃんは驚いた様子であたしを見つめていた。
「まもちゃんとデートじゃなかったの?」
「あはは、一日帰国が遅れることになっちゃったの……」
「そうなんだ……」
「だから気分転換に公園に来たんだけど、ほたるちゃんはどうしたの?」
ほたるちゃんはあたしの質問に少し沈黙した後、照れながら口を開いた。
「ちびうさちゃんも未来に帰っちゃったし、何だか寂しくて……」
「そっか……」
「大切な人がそばに居ないって、悲しいね」
「うん……」
俯きながら落ち込んでいる様子を見て、一つの妙案を思いつく。
「何だかあたし達……今日は似た者同士だね」
「ふふっ、そうだね」
「ねぇ、ほたるちゃん」
「なぁに?」
「デートしよっか」
「へっ?」
あたしの突然の提案に目をパチクリさせて、首をかしげる。まぁ妙案というか、お互い暇なら一緒に遊べたらなって思っただけなんだけど。
「いいよ」
「えっ、ホント?」
「うさぎお姉ちゃん、寂しそうだからね」
「ほたるちゃんだって寂しいくせに~」
「じゃあ、お互いさまってことで」
「そうだね、じゃあ行こっか」
冗談を言って笑いあうと、あたし達は商店街へ出発した。
「ほら、アイスクリーム屋さんだよ?」
「うさぎお姉ちゃん、食べ物を見つけるのはすごく早いよね……」
商店街に着いて、まず最初にあたしの目に映ったのがアイス屋さんだった。色とりどりの3段重ねアイスに心を奪われていると、ほたるちゃんが冷静なツッコミを入れてくる。
「そりゃあ乙女の鉄板スイーツだもの♪」
「あはは……」
「買ってあげるから、行こ?」
「いいの?」
「もちろん、今日はあたしがエスコートしてあげるんだから」
「ふふっ、ありがとう」
あたしはミルクとオレンジとチョコの3段アイスを買ったけど、ほたるちゃんは遠慮したのかラムレーズン1段だった。
「本当にそれだけでいいの?」
「うん……というか、1段が普通だと思うけど」
「そんなんじゃ大きくなれないぞ」
お姉さんぶって言うあたしに、ほたるちゃんは苦笑いを浮かべながらアイスを食べていた。
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