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月下想葬

 月が映える夜の海。

 私はまた、物思いに耽る。

 水面に小石を投げれば月が揺れるのと同じように、私の存在は脆く儚い。

 所詮は鏡写しの月。

 本物の月には敵わない。

 だから、羨ましかった。

 人を愛し、人から愛されるお前が。

 私もいつか、海から地上へ出て、夜の月へ羽ばたけるだろうか。

 何度したかわからない問いかけに、今日も月は答えない。

 まるで私の存在などなかったかのように、煌々と輝いていた。
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