after ほたる



『あっ！　また勝ちにきた！』
『勝負の世界は非情です』
『待った！』
『待ったなしです』
『ムキー！』

　後日。あたしはちびうさちゃんの部屋で二人の漫才を聞きながら、微笑んでいた。

「ほたるちゃん？」

　ちびうさちゃんが、不思議そうにあたしの顔を覗き込む。

「ううん、何でもない」
「その笑い方は……またあの二人でしょ？」
「当たり」
「ふふっ、ほたるちゃんは不思議な子だなぁ」
「自分でも、そう思う」

　他愛のない話をしながら、笑いあう。

　これでいい。
　こんな日常がいつまでも続くように、あたしたちは生きていく。

『サターン……ナイン……』
『ん？』
『何ですか？』

　そばに居てくれて、ありがとう。この想いは、きっと伝わってるから口には出さない。

『ヘンなほたる～』
『さ……もう一勝負、いきましょう』
『げっ！？』
『ふふっ』



　いつまでも、一緒だよ。



　大好きな二人のお姉ちゃん。



　END