ハート・オブ・シスター
side ほたる
「また、妖魔が現れたぞ!」
モニターの反応を見て、アルテミスが言う。
「またか……」
「最近、本当に多いな……」
みんなが出撃しようとしているなか、あたしは変身をするため、サターンに呼びかけることにした。
「サターン、起きてる?」
『はい』
「今度こそ、変身しよう!」
『ダメです』
「えっ?」
『ほたるはこのまま、安全な場所に居てください』
「なに言ってるの!?」
『これだけ、戦士が居るんです……ムリに戦わなくてもいい……』
「なっ!? あたしだけ安全な場所に居るなんて、出来ないよ!?」
サターンからの意外な返答に、思わず声を大きくして叫ぶ。
「ほ、ほたるちゃん?」
みんなが驚いた様子で、一斉にあたしを見る。
『ほたる……あなたは急成長しすぎて、体に負荷がかかっているかもしれません』
「あたしを成長させたのは、サターンじゃない!?」
『あの時のわたしと、今のわたしは違うんです!』
「っ!?」
沈黙が、その場を支配する。
「今の声は……サターン?」
「うん……サターンが、安全な場所に居ろっていうの……」
「あたしもそれに賛成だよ」
「ち、ちびうさちゃん……」
「ほたるちゃんはさっき、生身の状態で力を使った……だから休まなきゃダメだよ」
「そうね……わたしたちだけで、何とかするわ」
みんな、あたしを戦いから遠ざけようとする。
どうして。あたし、そんなに足手まといなの?
『ほたる……みんなもこう言っています』
「んぅ……」
「ルナ、アルテミス! ほたるちゃんのこと、頼むね!」
「わかったわ!」
そうして、みんなは妖魔を倒しに出撃していった。
「ほたるちゃん……」
俯きながら立っていると、ルナが寄ってきてくれる。
「ルナ……あたし、そんなに弱いかな……」
「そんなことないわ」
「あたし……みんなの足を引っ張りたくないよ……」
「みんなはね? ほたるちゃんのことが大切なのよ」
「大切?」
「えぇ、ちびうさちゃんはもちろん……うさぎちゃんたちや、サターンたちもね」
「みんな……あたしを戦いから遠ざけようとするよ?」
「確かにちょっと過保護な部分はあるけど……ほたるちゃんを想っての行動よ?」
「あたしを、想って?」
「えぇ」
あたしを想っての行動って、どういうことだろう。あたしを戦わせないようにすることより、みんなにはもっと大事な目的があるハズ。
「でも、護るべきはうさぎお姉ちゃん……プリンセスのハズよ?」
「それは戦士としての感情ね」
「戦士として?」
「えぇ……でも普段はね? みんなほたるちゃんのことが可愛くて仕方ないのよ」
「あたしのことを?」
「コレ言うと怒られちゃうんだけど……実はみんな、どうすればほたるちゃんを護れるか話し合ったりしてたのよ」
あたしの肩に乗ってきたルナが、ウインクしながら言う。
「そうなの?」
「まだ小さいからね……みんなあなたに負担をかけたくないのよ」
「そう……だったんだ……」
素直に驚いた。まさかみんなが、そこまであたしの心配をしてくれてたなんて。そんな気持ちも知らずに、あたしは。
「あたし……ワガママだったね……」
「いいのよ、女の子はワガママの一つくらい言えなきゃ!」
「そうそう、美奈なんてしょっちゅうワガママ言ってるぞ?」
「スモールレディも、結構ワガママいう時ありますからね」
アルテミスとダイアナもヤレヤレと言った表情で気遣ってくれる。普段、大切な人をそばで見守っている三人の話を聞いて、ハッとする。
「サターンとナインも……そうだったんだ……」
「ほたるちゃん?」
「あの子たちも、あたしを見守ってくれてるから……」
「そうね……」
「きっとあのお二人も、ほたるちゃまのことが心配でたまらないんですよ」
「そっか……感謝しないとね……」
「お、倒したみたいだな」
アルテミスの声でモニターを見る。公園で暴れていた妖魔は、セーラームーンたちによって消滅したところだった。
「さぁ……みんなが帰ってきたら、労ってあげなきゃね」
「うん!」
みんなの想いに気付けたこと。そのキッカケを教えてくれたルナたちに感謝をしつつ、あたしは帰ってくるみんなを笑顔で迎えようと思った。
「また、妖魔が現れたぞ!」
モニターの反応を見て、アルテミスが言う。
「またか……」
「最近、本当に多いな……」
みんなが出撃しようとしているなか、あたしは変身をするため、サターンに呼びかけることにした。
「サターン、起きてる?」
『はい』
「今度こそ、変身しよう!」
『ダメです』
「えっ?」
『ほたるはこのまま、安全な場所に居てください』
「なに言ってるの!?」
『これだけ、戦士が居るんです……ムリに戦わなくてもいい……』
「なっ!? あたしだけ安全な場所に居るなんて、出来ないよ!?」
サターンからの意外な返答に、思わず声を大きくして叫ぶ。
「ほ、ほたるちゃん?」
みんなが驚いた様子で、一斉にあたしを見る。
『ほたる……あなたは急成長しすぎて、体に負荷がかかっているかもしれません』
「あたしを成長させたのは、サターンじゃない!?」
『あの時のわたしと、今のわたしは違うんです!』
「っ!?」
沈黙が、その場を支配する。
「今の声は……サターン?」
「うん……サターンが、安全な場所に居ろっていうの……」
「あたしもそれに賛成だよ」
「ち、ちびうさちゃん……」
「ほたるちゃんはさっき、生身の状態で力を使った……だから休まなきゃダメだよ」
「そうね……わたしたちだけで、何とかするわ」
みんな、あたしを戦いから遠ざけようとする。
どうして。あたし、そんなに足手まといなの?
『ほたる……みんなもこう言っています』
「んぅ……」
「ルナ、アルテミス! ほたるちゃんのこと、頼むね!」
「わかったわ!」
そうして、みんなは妖魔を倒しに出撃していった。
「ほたるちゃん……」
俯きながら立っていると、ルナが寄ってきてくれる。
「ルナ……あたし、そんなに弱いかな……」
「そんなことないわ」
「あたし……みんなの足を引っ張りたくないよ……」
「みんなはね? ほたるちゃんのことが大切なのよ」
「大切?」
「えぇ、ちびうさちゃんはもちろん……うさぎちゃんたちや、サターンたちもね」
「みんな……あたしを戦いから遠ざけようとするよ?」
「確かにちょっと過保護な部分はあるけど……ほたるちゃんを想っての行動よ?」
「あたしを、想って?」
「えぇ」
あたしを想っての行動って、どういうことだろう。あたしを戦わせないようにすることより、みんなにはもっと大事な目的があるハズ。
「でも、護るべきはうさぎお姉ちゃん……プリンセスのハズよ?」
「それは戦士としての感情ね」
「戦士として?」
「えぇ……でも普段はね? みんなほたるちゃんのことが可愛くて仕方ないのよ」
「あたしのことを?」
「コレ言うと怒られちゃうんだけど……実はみんな、どうすればほたるちゃんを護れるか話し合ったりしてたのよ」
あたしの肩に乗ってきたルナが、ウインクしながら言う。
「そうなの?」
「まだ小さいからね……みんなあなたに負担をかけたくないのよ」
「そう……だったんだ……」
素直に驚いた。まさかみんなが、そこまであたしの心配をしてくれてたなんて。そんな気持ちも知らずに、あたしは。
「あたし……ワガママだったね……」
「いいのよ、女の子はワガママの一つくらい言えなきゃ!」
「そうそう、美奈なんてしょっちゅうワガママ言ってるぞ?」
「スモールレディも、結構ワガママいう時ありますからね」
アルテミスとダイアナもヤレヤレと言った表情で気遣ってくれる。普段、大切な人をそばで見守っている三人の話を聞いて、ハッとする。
「サターンとナインも……そうだったんだ……」
「ほたるちゃん?」
「あの子たちも、あたしを見守ってくれてるから……」
「そうね……」
「きっとあのお二人も、ほたるちゃまのことが心配でたまらないんですよ」
「そっか……感謝しないとね……」
「お、倒したみたいだな」
アルテミスの声でモニターを見る。公園で暴れていた妖魔は、セーラームーンたちによって消滅したところだった。
「さぁ……みんなが帰ってきたら、労ってあげなきゃね」
「うん!」
みんなの想いに気付けたこと。そのキッカケを教えてくれたルナたちに感謝をしつつ、あたしは帰ってくるみんなを笑顔で迎えようと思った。