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ハート・オブ・シスター

side サターン



 本当に不覚だった。ナインから事の顛末を聞いて、血の気が引いていくのがわかる。こんな状態の時に、わたしはのん気に眠っていたなんて。

『しょーがないって、誰にでも疲れてる時くらいあるわよ』
『けれど……』

 ナインが居なかったら、どうなっていただろう。突っ込んだほたるは、妖魔を目の前にして変身を試みる。しかし、変身ができない。
 そして。そこから先は、考えたくなかった。

『やはり……ほたるを戦わせるべきではありません』
『そーだね、今回は緊急事態だったからしょうがないけど』
『わたしの考えが……甘かったんです……』
『全く……失敗してないのに後悔しちゃうなんて、損なセーカクね~』
『徹底的に、危機から遠ざけるようにしましょう』
『ま、妥当かな』

 わたしとナインの意見は、一致した。全てはほたるを護るため。わたしたちの大事な妹を幸せにするため。そのためなら、どんな事だってしよう。たとえこの身が滅びることになっても。
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