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幸せの先には、優しい花が咲いていた。

「んん……」

 窓から射す光に目が眩む。ここは、どこ?

「目が覚めたのかい?」
「あなた……」

 キングサイズのベッドで隣から声をかけてくれた最愛の人。心が落ち着くラベンダー色の香り。

「昔の夢を見ていたの」
「オレも」

 キングとクイーンに即位し、この星を統べるようになった今でも、二人そろって同じ夢を見るなんて。

「あたしたち、幸せね」
「そうだな……」
「どうしたの?」

 少しだけ表情に影を落としたように見えたから、心配になって問いかける。

「オレは……自分の人生が孤独な道だと思っていた」
「……うん」
「だけどそんなことはなかった。君に……みんなに出会えてオレは救われたんだ」
「それは、あたしもよ」
「セレニティ。いつまでも君はオレにとって輝く星だよ」
「ありがとう。エンディミオン」

 あたしたちの口づけを太陽の光が祝福してくれる。

 もう夜空ばかり見上げなくていい。

 この地球という星の上で、堂々と一緒にいられる。

 それはようやく陽の光を浴びることができた花のように。

 あたしたちの愛は、優しく咲き誇っていた。



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