聖夜の絆は永遠の輝き
side せつな
これほど遅くなってしまうとは思わなかった。養護教諭だからこそ、事務仕事に加えて生徒の健康状態を纏めたり、備品の管理もしなければいけない。
「ほたる、眠っちゃってるわよね……」
愛する家族とイヴを過ごせないなんて。来年は仕事納めの準備をもう少し早くから行おう。そう心に決めた私は駆け足で自宅へ向かっていた。
「みんな寝たのかしら」
息を切らしながら家へ着く。窓から光は零れていない。今頃三人で仲良く川の字になっているだろう。申し訳なさと寂しさを胸に秘めながらそっと鍵を開けてドアを引く。
「よいしょ……」
リビングへ行き、壁にある照明のスイッチを押した瞬間。
「メリークリスマス。せつな」
「お疲れさま」
サンタ帽を被ったはるかとみちるが笑顔で迎えてくれた。
「二人とも……起きてたの?」
「ほたるもさっきまで起きてたんだけど、睡魔には勝てなかったみたい」
こんな時間まで無理をして。本当に全く。
「幸せ者ね、私」
「そうだね。僕ら四人はいつだって幸せだ」
はるかの涼しい笑顔も。みちるの優しい表情も。寝室でスヤスヤと眠っているだろうほたるの顔も。その全てが愛おしい。
「ご飯、温めるわね」
「ありがとう。三人とも」
「お礼を言うのはまだ早いぜ?」
「えっ」
私が頭の上にハテナマークを浮かべていると、はるかがリボンのついた小箱を取り出す。
「それは?」
「プレゼントさ。いつも頑張ってるウチの大黒柱さんにね」
「私に?」
包装を解いて箱を開けると、中にはえんじ色のイヤリングが入っていた。
「素敵……」
「二人で選んだの。きっとせつなに似合うって」
「気に入ってくれたかい?」
「えぇ。とっても嬉しいわ」
大好きな家族からもらったプレゼント。それは物だけじゃなく、沢山の想いが込められていて。
『ただいま』と帰って来れる場所。
『おかえり』と言ってくれる人。
それが何よりも大切なものなんだと、改めて感じることができた。
これほど遅くなってしまうとは思わなかった。養護教諭だからこそ、事務仕事に加えて生徒の健康状態を纏めたり、備品の管理もしなければいけない。
「ほたる、眠っちゃってるわよね……」
愛する家族とイヴを過ごせないなんて。来年は仕事納めの準備をもう少し早くから行おう。そう心に決めた私は駆け足で自宅へ向かっていた。
「みんな寝たのかしら」
息を切らしながら家へ着く。窓から光は零れていない。今頃三人で仲良く川の字になっているだろう。申し訳なさと寂しさを胸に秘めながらそっと鍵を開けてドアを引く。
「よいしょ……」
リビングへ行き、壁にある照明のスイッチを押した瞬間。
「メリークリスマス。せつな」
「お疲れさま」
サンタ帽を被ったはるかとみちるが笑顔で迎えてくれた。
「二人とも……起きてたの?」
「ほたるもさっきまで起きてたんだけど、睡魔には勝てなかったみたい」
こんな時間まで無理をして。本当に全く。
「幸せ者ね、私」
「そうだね。僕ら四人はいつだって幸せだ」
はるかの涼しい笑顔も。みちるの優しい表情も。寝室でスヤスヤと眠っているだろうほたるの顔も。その全てが愛おしい。
「ご飯、温めるわね」
「ありがとう。三人とも」
「お礼を言うのはまだ早いぜ?」
「えっ」
私が頭の上にハテナマークを浮かべていると、はるかがリボンのついた小箱を取り出す。
「それは?」
「プレゼントさ。いつも頑張ってるウチの大黒柱さんにね」
「私に?」
包装を解いて箱を開けると、中にはえんじ色のイヤリングが入っていた。
「素敵……」
「二人で選んだの。きっとせつなに似合うって」
「気に入ってくれたかい?」
「えぇ。とっても嬉しいわ」
大好きな家族からもらったプレゼント。それは物だけじゃなく、沢山の想いが込められていて。
『ただいま』と帰って来れる場所。
『おかえり』と言ってくれる人。
それが何よりも大切なものなんだと、改めて感じることができた。