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聖夜の絆は永遠の輝き

side ほたる



「サンタさん?」

 夕暮れがかる放課後の教室で聞こえてきた言葉。クリスマス・イヴということもあり、クラスメイトたちはプレゼントの予想を楽しそうに話していた。

「ちびうさちゃんは今年、何をもらうの?」
「えへへ、明日の朝まで内緒なんだ。そういう桃ちゃんは?」
「ウチは不景気だって言ってたから、そんなに期待できないかも」

 ちびうさちゃんと桃ちゃんもプレゼントの話題を持ち出す。それにしても不景気だからって、どういう意味だろう?

「ねぇ桃ちゃん」
「どうしたの? ほたるちゃん」
「何で不景気だとサンタさんのプレゼントが期待できないの?」
「えっ」

 一瞬だけ場の空気が止まった。あたし何か変なこと言ったかなぁ。

「えーと、その……」

 桃ちゃんが返答に困っていると、近くにいた九助が割って入ってくる。

「なんだよ、ほたる。お前サンタさんなんて信じ……」
「バカッ!」

 桃ちゃんが慌てながら九助の口を塞ぐ。サンタさんがどうとか言っていたけど、言い終える前に桃ちゃんがストップをかけたから真相は分からないままだ。

「悪かったよ、まさか知らないとは思わなくて……」
「ほたるちゃんは大人びてるように見えてピュアなんだから黙ってなさい!」
「はい……」
「何の話をしてるの?」
「ううん、何でもないよ。それよりほたるちゃんはサンタさんに何をもらうの?」

 話を仕切りなおしたちびうさちゃんが笑顔でこちらを向く。

「宇宙の事典をお願いしてるの」
「ふふっ、ほたるちゃんらしいお願いだね」
「サンタさんが入って来れるように、今日だけは窓の鍵を開けておくんだ」
「明日が楽しみだね!」
「うん!」

 そんな話をしながら帰り支度を終えたあたしたちは、プレゼントとディナーの期待を胸に教室を出た。
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