リターン・トゥ・リアルワールド
「んん……」
「うさこ、大丈夫か?」
「あ、図書館だ」
目を覚ますと、図書館の一室に戻っていた。
「え?」
唇を触ると、温かい感触が残っている。
「まもちゃん。まさか眠ってるうちに?」
「いや、白雪姫がいいって言うから」
「嬉しいけど、やっぱり眠ってる隙にするのはズルいよ?」
「す、すまない」
とか何とか言ってるけど、ちょっぴり嬉しかったのはナイショにしておこう。
「ところで、この本の山はどうする?」
「もう吸い込まれることはないし、置いておいてもいいんじゃないか?」
「でも、ココだと誰も来てくれないからちゃんと受付の人に管理してもらおうよ」
「あぁ。そうだな」
あたしたちが受付へ本を持っていくと、スタッフのお姉さんが首を傾げながら頭の上にハテナマークを浮かべていた。
「あら。有名な童話が多いけど、こんな古いものあったかしら? 管理番号もないし」
「やっぱり、流れ流れてこの図書館へ来たのか」
「どうしよう?」
あたしが困惑していると、まもちゃんが助け船を出してくれた。
「あの……亡くなった友人がこの本をココへ寄贈したいと言っていたんです。僕らが代わりに贈ってもいいですか?」
受付のお姉さんはまもちゃんの言葉を聞いて驚いていたけれど、そういうことなら正規の手順を踏めば寄贈してもいいですよ。と言ってくれた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、この書類に記入をお願いします」
あたしたちは渡された書類にサインをして図書館を後にした。
「なぁ。寄贈者の名前、仮名でもいいって言われたからあの名前にしたのか?」
「だって、ホントに他人事とは思えなかったんだもの」
「まぁオレたちには変わりないしな」
無事に事件を解決したあたしたちは、夕暮れ通りを手を繋ぎながら歩いていた。
きっとあのおじさんと娘さんもまた巡り逢えるよね。あたしたちみたいに。
本の管理カードに記された名前。
そこにはあたしたちの想いを込めてこう書いた。
『from Serenity and Endymion』
END
「うさこ、大丈夫か?」
「あ、図書館だ」
目を覚ますと、図書館の一室に戻っていた。
「え?」
唇を触ると、温かい感触が残っている。
「まもちゃん。まさか眠ってるうちに?」
「いや、白雪姫がいいって言うから」
「嬉しいけど、やっぱり眠ってる隙にするのはズルいよ?」
「す、すまない」
とか何とか言ってるけど、ちょっぴり嬉しかったのはナイショにしておこう。
「ところで、この本の山はどうする?」
「もう吸い込まれることはないし、置いておいてもいいんじゃないか?」
「でも、ココだと誰も来てくれないからちゃんと受付の人に管理してもらおうよ」
「あぁ。そうだな」
あたしたちが受付へ本を持っていくと、スタッフのお姉さんが首を傾げながら頭の上にハテナマークを浮かべていた。
「あら。有名な童話が多いけど、こんな古いものあったかしら? 管理番号もないし」
「やっぱり、流れ流れてこの図書館へ来たのか」
「どうしよう?」
あたしが困惑していると、まもちゃんが助け船を出してくれた。
「あの……亡くなった友人がこの本をココへ寄贈したいと言っていたんです。僕らが代わりに贈ってもいいですか?」
受付のお姉さんはまもちゃんの言葉を聞いて驚いていたけれど、そういうことなら正規の手順を踏めば寄贈してもいいですよ。と言ってくれた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、この書類に記入をお願いします」
あたしたちは渡された書類にサインをして図書館を後にした。
「なぁ。寄贈者の名前、仮名でもいいって言われたからあの名前にしたのか?」
「だって、ホントに他人事とは思えなかったんだもの」
「まぁオレたちには変わりないしな」
無事に事件を解決したあたしたちは、夕暮れ通りを手を繋ぎながら歩いていた。
きっとあのおじさんと娘さんもまた巡り逢えるよね。あたしたちみたいに。
本の管理カードに記された名前。
そこにはあたしたちの想いを込めてこう書いた。
『from Serenity and Endymion』
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