『トラビア雪原にて』～スコールとアーヴァインの会話～


｢１号２号とかでいいだろ｣
｢可哀想じゃないか、そんなの！ ちゃんと考えてよ｣
｢じゃあ、ＡとＢ｣
｢はぁあっ！？｣
｢甲と乙｣
｢だからそんな事務的なのは論外だよ。ちゃんと名前として成り立つもの、呼ばれて嬉しいものにしてよ｣
｢…バッツとクラウド｣
｢いや、確かにしっくり来るけど、確かに呼ばれたら嬉しいかもしれないけど！ それはちょっとNGでしょ｣
｢…トウホウフハイとボビー・コーエン｣
｢うわあ、速そう…、じゃないよ！ それもNG！ 間違いなくチョコボの名前だけどさ、まんまパクっちゃダメでしょ｣
｢まったく面倒だな。だからお前が考えろと言ってるだろうが｣
｢考えてるさ。キミの案を聞いてるだけだよ。 もう少し強そうな名前ないかな～｣
｢…パパスとアーロン｣
｢わあああ強そう！ だから！それはダメだって！そもそも１人は他作品じゃないか｣
｢…他、とは何だ？｣
｢あ、いや、別に｣
｢あと強いと言えば、シュワルツネッガーとスタローン｣
｢あれ、急に方向性が変わったよ｣
｢なんだこれもNGなのか。リノアは映画俳優からとったと言ってたぞ｣
｢ああ、サムとニールだね。久し振りに会えて嬉しかったよ。ちゃんと僕のことも覚えていてくれてたみたいだったし｣
｢そうか、お前のところで預かってくれてたんだな。…悪いな｣
｢気にしないでよ。僕もセフィも犬好きだし、二匹ともお利口さんだから手間じゃないよ。それより、名前、他にない？｣
｢…じゃ、ミッ○ーと○ニー｣
｢それ一番アカンやつ！！ ダメダメ、世界一有名なねずみは絶対NG！｣
｢…なぜだ？ 俺は共演したことあるぞ。彼とは友達だ｣
｢それは知ってる人にしかわからないから！｣
｢共演の事実は変わらないからな！｣
｢わかった、わかった。間違ってないから。…でも、こうやって考えると、名前って難しいんだね｣
｢お前だって、立派な名前をつけてたじゃないか｣
｢ホープとウィッシュのこと？ あの時も、すごい時間をかけて考えて考えて、いくつも候補を出してさ。でも、なかなかセフィがうんと言ってくれなくて、大変だったんだよ｣
｢その時の光景が目に浮かんできそうだ｣
｢と言うか、スコール凄いね。色々知ってるんだね｣

｢…ふっ｣
｢……、…あ！ もしかしてからかってたのかい！？｣
｢なんだ、今気付いたのか。お前の反応が面白くてな｣
｢酷いよ～｣



　　～fin～


2018,2,28　拍手ありがとうございます