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Chapter.51[ウィンヒル]

~第51章 part.1~




…この感じ、これは…?
あぁ、エルオーネか…。
俺の中に入ろうとしてる?

………


…ゼル?なんだ?うるさいな


この頭に響く声は、セルフィか…、何言ってるんだ?
……お前もか、アーヴァイン。子供たちを放って何してる?


………?


………また入ろうとしてるのか、エルオーネ。無駄だ。今の俺は……。


…そうだ、エルオーネならわかるかもしれない。


「…み、南へ……」

自分の体が自分で思い通りにならない。
こんな思いは勘弁だ。必死に絞り出した声は声にならず、荒い呼吸に僅かに音が混じっただけだ。
それでも、理解してくれる仲間をありがたいと素直に思う。
「スコール凄い熱だよ」
…熱? この苦しさはそのせいか。


……エルオーネ、また、来たのか。今の俺に入るのは難しいだろう。
…そっちに向かう。会えたら、頼みたいことがある。


…俺は今、夢を見ているのか?

なぜ体が動かない?

……この真っ暗な世界で、俺はまた一人きりなのか。


…許してくれ、情けない俺を。

君をもう二度と離さないと、離れないと誓ったはずなのに…
…隣に君はいない。



あれからどれだけ時間が経った?
俺は今どこにいる。
もうエルオーネのところについたのか?

君を見た最後の記憶は、あの雪原。
光に包まれた姿は、天から降臨してきた遣いのようだ。

君に会いたいが為に急いでエスタを飛び出してきてしまったが、屋敷においてきた子供たちはどうしただろうか?
…アーヴァインとセルフィの声がしたが、彼らは子供たちと会えたのだろうか?

そして、かつての自分の姿を重ねてしまう新米SeeDはどうしただろうか?

トラビアのガーデンはまた、酷いことになってしまっただろう。
せっかくあそこまで再建したというのに。
……だがガルバディアがリノアを捕えようとするからだ。



『本当に、何年経っても手がかかるわね』
……これは、キスティス…? どうして…


『助けがいるんなら、いつでも力になるぜ』
……今度は、ゼル? いや、お前は余計に疲れそうだ。


『スコールはそんな弱弱ちゃんやない、そやろ』
……セルフィ、トラビア訛りはとれないか。


『やっぱり僕がいないとダメなんだね~』
……随分と強気になったんだな、アーヴァイン。


『スコール、君に期待していますよ』
……マスター、…甘いものばっかり食べないほうがいい。


『困ったことがあったら、いつでも帰っていらっしゃい』
……ママ先生、本当ならあなたに一番相談に乗ってもらいたい…。


『もう、あなたは一人ぼっちじゃないわ』
……あぁ。でも、ここには誰もいないんだ、エルお姉ちゃん。





『…スコール、…私は、大丈夫だよ』
……

……

……リノア


………会いたい





『フン、やっぱり貴様にリノアを守る資格なんてねーのさ』

…!!!



→part.2
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