第9章【その行動の意味は】
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「シューイン、…ユウナは…」
『黙れ! …ヴェグナガンはもう使えない。だけど、世界を綺麗にすることはできる。お前と、お前が集めたこの力で』
「何を、するつもりなんだ」
『決まっている。この世界の祈り子は全て消した。次は、召喚士の番だ。 …この力は使いやすい。俺と魂が似ているようだ』
「…少年の、力…魂…?」
『あの召喚士、この力の元になった人間を知っているようだな。戦いに戸惑いが見られる』
「ユウナを、あまり見縊るなよ」
『…なんだと…… !!!』
どこからか聞こえていた戦闘の音が激しさを物語っている。
音と声だけしか聞こえない状態では、何が起こっているのかなんて判断はできない。
だが、彼女たちの気迫が伝わってくる。
『(彼を止められるのはユウナ達だけだ)』
これは、ブラスカの声…?
ちゃんと、見守ってくれている。
それに答えるように、ユウナの攻撃を繰り出す音も聞こえてくる。
リュックの声も、パインの覇気も、ちゃんと私に届いている。
圧されているのは、青年のほうだ。
本体のダメージは、ここにいる幻光虫の塊にも伝わってくるのだろう。
攻撃を受けるたびに、ゆらゆらとその影を揺らし続けている。
『…クッ…』
「ユウナ達は、2年前、少年と共に旅をした。共に過ごした時間は短い。だがそれでも、ユウナと少年、ティーダは深く結びついている」
『……それが、何だというんだ』
「ユウナがここに来た本当の目的は、あんたに彼女の、レンの想いを届けるため」
『!!』
「シューイン」
『……』
「…“憎しみ”は、“愛”のようには続かないんだ」
『! ……っ』
黒い幻光虫から生まれた、影のような霞のような青年の意識の欠片。
本体が、ユウナ達によって倒されたのであろう。
その場にがっくりと跪いて俯いてしまった朧気な影は、霞となって空気に溶けていった。
それと同時に目の前にあった見えない壁も消えてしまったようで、突然支えをなくしてしまった私はバランスを崩してしまう。
「…っと」
「!」
私は崩れ落ちる覚悟で自分の体を重力に任せた。
だが体に感じたのは、冷たい地面ではなく、暖かい、赤。
「…アーロン」
「ラフテル…、無事か?」
「ん」
「どうなったんだ」
「…後で話してやる」
自分たちがいる場所から少し距離を置いたところに、ユウナ達3人が立っているのが見えた。
その傍らには、…幻光虫の光に包まれた青年。
「シューイン」
悲し気な声で彼の名を呼ぶユウナが、数歩青年に歩み寄る。
俯いたままの青年が、怒りを孕んだ声でそれに答える。
「お前に何がわかるってんだ」
ゆっくりと、青年が顔を上げる。
俯いていた視線をユウナに合わせていく。
突然、ユウナが光に包まれた。
「!?」
「…あれは…」
光が、ユウナの中にもう一人の人物を形作っていく。
その光は先程ユウナが変えた姿の衣装を身にまとい、そしてユウナから離脱するかのように1歩前に歩み出た。
完全にユウナから離れたその体は、幻光虫の光に包まれた、美しい女性。
覚束ないような足取りで、それでも真っ直ぐに青年に向かって足を進める。
「…レン?」
→第10章
18,Aug,2012
「シューイン、…ユウナは…」
『黙れ! …ヴェグナガンはもう使えない。だけど、世界を綺麗にすることはできる。お前と、お前が集めたこの力で』
「何を、するつもりなんだ」
『決まっている。この世界の祈り子は全て消した。次は、召喚士の番だ。 …この力は使いやすい。俺と魂が似ているようだ』
「…少年の、力…魂…?」
『あの召喚士、この力の元になった人間を知っているようだな。戦いに戸惑いが見られる』
「ユウナを、あまり見縊るなよ」
『…なんだと…… !!!』
どこからか聞こえていた戦闘の音が激しさを物語っている。
音と声だけしか聞こえない状態では、何が起こっているのかなんて判断はできない。
だが、彼女たちの気迫が伝わってくる。
『(彼を止められるのはユウナ達だけだ)』
これは、ブラスカの声…?
ちゃんと、見守ってくれている。
それに答えるように、ユウナの攻撃を繰り出す音も聞こえてくる。
リュックの声も、パインの覇気も、ちゃんと私に届いている。
圧されているのは、青年のほうだ。
本体のダメージは、ここにいる幻光虫の塊にも伝わってくるのだろう。
攻撃を受けるたびに、ゆらゆらとその影を揺らし続けている。
『…クッ…』
「ユウナ達は、2年前、少年と共に旅をした。共に過ごした時間は短い。だがそれでも、ユウナと少年、ティーダは深く結びついている」
『……それが、何だというんだ』
「ユウナがここに来た本当の目的は、あんたに彼女の、レンの想いを届けるため」
『!!』
「シューイン」
『……』
「…“憎しみ”は、“愛”のようには続かないんだ」
『! ……っ』
黒い幻光虫から生まれた、影のような霞のような青年の意識の欠片。
本体が、ユウナ達によって倒されたのであろう。
その場にがっくりと跪いて俯いてしまった朧気な影は、霞となって空気に溶けていった。
それと同時に目の前にあった見えない壁も消えてしまったようで、突然支えをなくしてしまった私はバランスを崩してしまう。
「…っと」
「!」
私は崩れ落ちる覚悟で自分の体を重力に任せた。
だが体に感じたのは、冷たい地面ではなく、暖かい、赤。
「…アーロン」
「ラフテル…、無事か?」
「ん」
「どうなったんだ」
「…後で話してやる」
自分たちがいる場所から少し距離を置いたところに、ユウナ達3人が立っているのが見えた。
その傍らには、…幻光虫の光に包まれた青年。
「シューイン」
悲し気な声で彼の名を呼ぶユウナが、数歩青年に歩み寄る。
俯いたままの青年が、怒りを孕んだ声でそれに答える。
「お前に何がわかるってんだ」
ゆっくりと、青年が顔を上げる。
俯いていた視線をユウナに合わせていく。
突然、ユウナが光に包まれた。
「!?」
「…あれは…」
光が、ユウナの中にもう一人の人物を形作っていく。
その光は先程ユウナが変えた姿の衣装を身にまとい、そしてユウナから離脱するかのように1歩前に歩み出た。
完全にユウナから離れたその体は、幻光虫の光に包まれた、美しい女性。
覚束ないような足取りで、それでも真っ直ぐに青年に向かって足を進める。
「…レン?」
→第10章
18,Aug,2012