第9章【その行動の意味は】
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なぜ、そんな悲しそうな切なそうな声を上げる?
どうして、聞く者の心を揺さぶるような叫びを上げる?
まるで私たちが悪であったかのような、痛い泣き声……
完全に沈黙した兵器は、もはや巨大な塊でしかない。
この巨大な兵器が本来、どんな目的で製造されたのかなど、もう意味は無い。
ベベルの地下からどうやってこの場に移動したのかも、もうどうでもいい。
全てはもう、終わったのだ。
ヴェグナガンの頭部から、光に包まれた青年がゆっくりとその前に降り立つ。
美しい幻光虫の光に包まれ、幾重にも重なって見えるその姿がゆっくりとユウナ達の下へ足を進めていく。
「シューイン」
ユウナが姿を変える。
幻光虫によるものだろうと予測はつけるが、自在に姿を変える仕組みまでは理解できない。
それでも、その姿を見た青年の表情が驚愕に包まれたことはよくわかった。
悲しげな、悔しさを滲ませた表情の青年は、1歩、また1歩とユウナに近づいていく。
「…レン……?」
ユウナが言葉を続けている。
きっとこれで、ユウナがしたかったことが叶うのだろう。
もう、これ以上見守り続ける必要もないのだろうと、私は背を向けた。
私が、私たちがここに来たのは、ユウナ達の行動を見守るためじゃない。
私や、ジェクトやアーロンや、祈り子たちにしてきたことの償いをさせたいと思ったから。
そいつの正体を見極めたいと思ったから。
シューインという青年が存在した。
彼が、全ての元凶。
…いや、もうここには彼の魂すら存在しない。
ここにいるのは、とうの昔に命をなくして、魂ですらない、ただの残留思念。
深い強い想いに縛られ、地下深くに封印されて1000年もの長い時を過ごし、歴史に生じた歪から生まれた存在。
ただただ憎しみだけに囚われた、哀れな虚空のもの。
だがそれも、やっと開放される。
ユウナが伝えたいと願っている言葉が、レンという女性の想いが、シューインを開放する。
これで彼が救われれば、私たちも解放される。
もう、闘うことも……
「……違う…」
「待って!!」
「…お前は、レンじゃない……!!」
→
20,May,2012
なぜ、そんな悲しそうな切なそうな声を上げる?
どうして、聞く者の心を揺さぶるような叫びを上げる?
まるで私たちが悪であったかのような、痛い泣き声……
完全に沈黙した兵器は、もはや巨大な塊でしかない。
この巨大な兵器が本来、どんな目的で製造されたのかなど、もう意味は無い。
ベベルの地下からどうやってこの場に移動したのかも、もうどうでもいい。
全てはもう、終わったのだ。
ヴェグナガンの頭部から、光に包まれた青年がゆっくりとその前に降り立つ。
美しい幻光虫の光に包まれ、幾重にも重なって見えるその姿がゆっくりとユウナ達の下へ足を進めていく。
「シューイン」
ユウナが姿を変える。
幻光虫によるものだろうと予測はつけるが、自在に姿を変える仕組みまでは理解できない。
それでも、その姿を見た青年の表情が驚愕に包まれたことはよくわかった。
悲しげな、悔しさを滲ませた表情の青年は、1歩、また1歩とユウナに近づいていく。
「…レン……?」
ユウナが言葉を続けている。
きっとこれで、ユウナがしたかったことが叶うのだろう。
もう、これ以上見守り続ける必要もないのだろうと、私は背を向けた。
私が、私たちがここに来たのは、ユウナ達の行動を見守るためじゃない。
私や、ジェクトやアーロンや、祈り子たちにしてきたことの償いをさせたいと思ったから。
そいつの正体を見極めたいと思ったから。
シューインという青年が存在した。
彼が、全ての元凶。
…いや、もうここには彼の魂すら存在しない。
ここにいるのは、とうの昔に命をなくして、魂ですらない、ただの残留思念。
深い強い想いに縛られ、地下深くに封印されて1000年もの長い時を過ごし、歴史に生じた歪から生まれた存在。
ただただ憎しみだけに囚われた、哀れな虚空のもの。
だがそれも、やっと開放される。
ユウナが伝えたいと願っている言葉が、レンという女性の想いが、シューインを開放する。
これで彼が救われれば、私たちも解放される。
もう、闘うことも……
「……違う…」
「待って!!」
「…お前は、レンじゃない……!!」
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20,May,2012