第9章【その行動の意味は】
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=58=
「納得しないで。 ……却下です」
「「「!!!」」」
「ヌージさんの作戦は、却下です。 …だって、2年前の私たちと変わらないから」
「……」
ふいに、ユウナの声が響き渡った。
彼女が口にした、“2年前”という言葉。
思わずユウナたちがいる方へ意識を向けてしまう。
未だ、バハムートへの問答は続いていたが、私にとってはもう、どうでもいいように思えていた。
なぜ?という疑問は山ほど残っている。
だが、なぜだろう。
ユウナが、彼女たちがここにいるという現実を目の当たりにしてしまったら、私の存在意義が突然薄れてしまったように感じたのだ。
バハムートが私を見つめていた。
私も彼を見つめ返した。
どちらからともなくひとつ小さく頷いて、私は小さな幻光虫となってユウナの側まで近づいた。
「あの時私たちは、一緒に戦ってきた召喚獣たちを自分の手で倒した。そうするしかなかったから!
スピラを救う方法は、それしかないって思ったから! …大事な仲間が目の前で消えていく……
どんな気分かわかる!? …こうするしかなかった、どうにもならなかった。納得して、我慢して、覚悟して、
受け入れるって決めていた。逃げたり、目をそむけたりとか絶対しないって思ってた! …だけど……
熱くなって……苦しくて」
ユウナの独白にじっと耳を傾けた。
それは、2年前のあの時の戦いでの出来事。
忘れ去ることなどできない真実の記憶。
フードに隠された少年の顔が、俯くことでますます影に隠れていく。
『…ごめん』
バハムートの小さな呟きは、ユウナにも聞こえただろうか?
「みんなはほめてくれたんだ。 がんばった、すごい、よくやったって。…そう、数え切れないほどの笑顔。
私もつられて笑顔になる。 …でも、振り返ると…、いるはずの人たちがいない。…一緒に喜びたかった人がいないの」
『仕方ねえって』
突然ジェクトが私の真横で声を出す。
こんなに近くに彼がいたことにも気づかなかったのか、私は…
だが、来てくれて、嬉しかった。
あの時の戦いは、ジェクトにとっても本当に辛いものだったはず。
「…うん、仕方ない。どんなことも仕方が無い。おまじないみたいに何度も何度も繰り返すんだ。だけど――
全然効かないんだよ。唱えても唱えても……後悔だけ」
『ユウナちゃん、…すまねえ』
ジェクトの謝罪は、ユウナを戦わせてしまったこと、悲しませてしまったこと、この世界の災厄となって人々の命を奪ったこと…
その全ての意味を孕んだもの。
「もう、そんなのはいや! …誰かが死ぬとか、いなくなるとか、最初から決まってる戦いは、いやなんだ」
「!! ………。」
ユウナのその言葉が、私に向けられて発せられたような気がして、私は酷く動揺してしまったらしい。
思わず1歩よろめくように後退した私の肩を、フワリと支えた大きな手に気づく。
「…耳が痛いな」
「アーロン……」
→
20,May,2012
「納得しないで。 ……却下です」
「「「!!!」」」
「ヌージさんの作戦は、却下です。 …だって、2年前の私たちと変わらないから」
「……」
ふいに、ユウナの声が響き渡った。
彼女が口にした、“2年前”という言葉。
思わずユウナたちがいる方へ意識を向けてしまう。
未だ、バハムートへの問答は続いていたが、私にとってはもう、どうでもいいように思えていた。
なぜ?という疑問は山ほど残っている。
だが、なぜだろう。
ユウナが、彼女たちがここにいるという現実を目の当たりにしてしまったら、私の存在意義が突然薄れてしまったように感じたのだ。
バハムートが私を見つめていた。
私も彼を見つめ返した。
どちらからともなくひとつ小さく頷いて、私は小さな幻光虫となってユウナの側まで近づいた。
「あの時私たちは、一緒に戦ってきた召喚獣たちを自分の手で倒した。そうするしかなかったから!
スピラを救う方法は、それしかないって思ったから! …大事な仲間が目の前で消えていく……
どんな気分かわかる!? …こうするしかなかった、どうにもならなかった。納得して、我慢して、覚悟して、
受け入れるって決めていた。逃げたり、目をそむけたりとか絶対しないって思ってた! …だけど……
熱くなって……苦しくて」
ユウナの独白にじっと耳を傾けた。
それは、2年前のあの時の戦いでの出来事。
忘れ去ることなどできない真実の記憶。
フードに隠された少年の顔が、俯くことでますます影に隠れていく。
『…ごめん』
バハムートの小さな呟きは、ユウナにも聞こえただろうか?
「みんなはほめてくれたんだ。 がんばった、すごい、よくやったって。…そう、数え切れないほどの笑顔。
私もつられて笑顔になる。 …でも、振り返ると…、いるはずの人たちがいない。…一緒に喜びたかった人がいないの」
『仕方ねえって』
突然ジェクトが私の真横で声を出す。
こんなに近くに彼がいたことにも気づかなかったのか、私は…
だが、来てくれて、嬉しかった。
あの時の戦いは、ジェクトにとっても本当に辛いものだったはず。
「…うん、仕方ない。どんなことも仕方が無い。おまじないみたいに何度も何度も繰り返すんだ。だけど――
全然効かないんだよ。唱えても唱えても……後悔だけ」
『ユウナちゃん、…すまねえ』
ジェクトの謝罪は、ユウナを戦わせてしまったこと、悲しませてしまったこと、この世界の災厄となって人々の命を奪ったこと…
その全ての意味を孕んだもの。
「もう、そんなのはいや! …誰かが死ぬとか、いなくなるとか、最初から決まってる戦いは、いやなんだ」
「!! ………。」
ユウナのその言葉が、私に向けられて発せられたような気がして、私は酷く動揺してしまったらしい。
思わず1歩よろめくように後退した私の肩を、フワリと支えた大きな手に気づく。
「…耳が痛いな」
「アーロン……」
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20,May,2012