第7章【難しい戦い】
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くつくつと喉の奥から搾り出すような笑い声を上げながら、奴はシーモアを引き寄せる手に力を込める。
「…お前は、何をするつもりなんだ」
「言っただろう、ラフテル。 この世界を、綺麗にすると」
その言葉と共に、奇妙なものを見る。
奴の体が、シーモアの中に溶け込んでいくような…
いや、その逆だ。シーモアがその姿のまま、奴に取り込まれているのだ。
幻光虫に変えることもせずに。
やがてそこには奴1人だけが立っていた。
私を執拗に欲した様子、その言葉、言動、ことごとくこいつが取る行動がシーモアと重なって軽いデジャヴを覚える。
奴がまた、不適に笑う。
「この愚かで醜い魂の蔓延する薄汚れた世界を、綺麗にする。全てを破壊して全てを滅ぼし、そして世界を救うのだ」
「!!!」
「…バカな」
「ラフテル様…」
その姿に唖然とする。
たった今までそこにいた人物が、シーモアの姿に変わったからだ。
「お久しぶりです、ラフテル様。ますますお美しくなられた」
「…シーモア……」
「私の言葉を覚えていて下さったようで、嬉しく思いますよ」
その姿が再び奴に変わる。
「ラフテル、そうか、こいつと戦ったのか。ならば、俺の言葉の意味も理解できるはず」
「…シーモアがやろうとしたことと、同じことをまたやろうとしているのか」
「ああ! …だが、もうシンはいない。ユウナレスカもエボン=ジュも、1000年の呪縛から解き放たれて、その魂は永遠となった。
もう死人として蘇ることも無い。…だからもう、シンは存在しない」
「スピラは平和になったんだ。そのスピラを滅ぼそうとするなんて……」
「上っつらの平和など何にもならん。俺が言っているのは、魂そのもの。シンがいなくなったことで、世界の魂は全て穢れてしまった」
「……なにを」
「ラフテル、どうした? 俺を止めないのか?」
「…止めるさ」
「どうやら、この中で一番まともに戦えそうなのはお前だけだろう? さあ、来い」
「………っ」
思わず、先程受けた脇腹の傷に手を当てる。
「奴の挑発に乗るな、ラフテル」
「そうだぜ、あいつは、俺がやってやる」
そう言うアーロンもジェクトもボロボロだ。
ブラスカの魔力も残り少ないのか、足元がフラフラしているのがわかる。
「1つ、お前は勘違いをしている」
「?」
喉の奥から絞り出すような声で小さく笑いながら、奴は私を見つめる。
「俺がこいつと同じことをしているのではない。 …こいつが俺と同じなのだ」
「…どううことだ?」
「簡単なこと。俺や彼の考えていたことを、こいつに代弁させた。それだけだ」
「…代弁…?」
「こいつも、彼の操り人形の1つだということだ。 …この俺のようにな!!」
「なっ…!」
→
14,Mar,2012
くつくつと喉の奥から搾り出すような笑い声を上げながら、奴はシーモアを引き寄せる手に力を込める。
「…お前は、何をするつもりなんだ」
「言っただろう、ラフテル。 この世界を、綺麗にすると」
その言葉と共に、奇妙なものを見る。
奴の体が、シーモアの中に溶け込んでいくような…
いや、その逆だ。シーモアがその姿のまま、奴に取り込まれているのだ。
幻光虫に変えることもせずに。
やがてそこには奴1人だけが立っていた。
私を執拗に欲した様子、その言葉、言動、ことごとくこいつが取る行動がシーモアと重なって軽いデジャヴを覚える。
奴がまた、不適に笑う。
「この愚かで醜い魂の蔓延する薄汚れた世界を、綺麗にする。全てを破壊して全てを滅ぼし、そして世界を救うのだ」
「!!!」
「…バカな」
「ラフテル様…」
その姿に唖然とする。
たった今までそこにいた人物が、シーモアの姿に変わったからだ。
「お久しぶりです、ラフテル様。ますますお美しくなられた」
「…シーモア……」
「私の言葉を覚えていて下さったようで、嬉しく思いますよ」
その姿が再び奴に変わる。
「ラフテル、そうか、こいつと戦ったのか。ならば、俺の言葉の意味も理解できるはず」
「…シーモアがやろうとしたことと、同じことをまたやろうとしているのか」
「ああ! …だが、もうシンはいない。ユウナレスカもエボン=ジュも、1000年の呪縛から解き放たれて、その魂は永遠となった。
もう死人として蘇ることも無い。…だからもう、シンは存在しない」
「スピラは平和になったんだ。そのスピラを滅ぼそうとするなんて……」
「上っつらの平和など何にもならん。俺が言っているのは、魂そのもの。シンがいなくなったことで、世界の魂は全て穢れてしまった」
「……なにを」
「ラフテル、どうした? 俺を止めないのか?」
「…止めるさ」
「どうやら、この中で一番まともに戦えそうなのはお前だけだろう? さあ、来い」
「………っ」
思わず、先程受けた脇腹の傷に手を当てる。
「奴の挑発に乗るな、ラフテル」
「そうだぜ、あいつは、俺がやってやる」
そう言うアーロンもジェクトもボロボロだ。
ブラスカの魔力も残り少ないのか、足元がフラフラしているのがわかる。
「1つ、お前は勘違いをしている」
「?」
喉の奥から絞り出すような声で小さく笑いながら、奴は私を見つめる。
「俺がこいつと同じことをしているのではない。 …こいつが俺と同じなのだ」
「…どううことだ?」
「簡単なこと。俺や彼の考えていたことを、こいつに代弁させた。それだけだ」
「…代弁…?」
「こいつも、彼の操り人形の1つだということだ。 …この俺のようにな!!」
「なっ…!」
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14,Mar,2012