第6章【心の逆転を】
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戦えるかどうかの選択肢なんて、ない。
戦わなくてはならないのだ。
それは、なぜ?
自分が攻撃を受けたから?
彼の言うことを聞かなかったから?
存在を許せなかったから?
そもそも、彼は一体誰なのか、それすら分かっていない。
彼は誰で、私に何を求めたのだろう?
何をしたかったのだろう?
私の隣にいるアーロンの言葉に、答えるのではなく疑問を膨らませた。
私達は何も知らないままに、戦おうとしている。戦ってしまっている。
僅かに落とした視線の端に、微かに淡い光が横切った。
目を向けた先にいたのは、ぼんやりと浮かぶフードの少年。
その体は向こう側が透けて見えてしまっている。
「…バハムート」
『ラフテル、戦う、の?』
アーロンの同じ問い掛けにも答えられずにいるというのに、また同じことを聞かれてしまった。
何と、何を答えて良いのか分からずに、私はまた俯いてしまう。
『戦いなさいよ』
『そうね』
『そうよ!』
「…!?」
あの時の女性達の声。
はっとして顔を上げる。
そこにいたのは、先程私とジェクトを回復させてくれた女性達。
「あなたたちは、さっきの…」
『ドグよ』『メグ』『ラグだよ』
『ラフテル、メーガス三姉妹だよ。彼女達も、僕と同じくらい長い年月を過ごしているんだ』
「あ、さっきは、ありがとう。ちゃんと礼も言えなくて…」
『そんなことより…』『あいつらのことが』『許せないかも!』
「!」
彼女達の後ろに、次々と浮かぶヒトの形。
それらは実体を保つことができないのか、皆一様に辛うじて見えているだけ。
この世界で平和に暮らしていたはずの、祈り子たち。
『俺たちの体を利用しようとしたあの男、危険だ』
『わしらは静かに暮らしたいだけじゃと言うに』
『だが、残った力は僅かばかり』
『召喚されなければ意味は無いわ』
『ラフテル…』
「…みんな…」
『ラフテル、戦うというなら、ボクたちの力を使って』
「…でも、私は召喚士じゃ、ない」
『わかってるわ』
『力のない俺たちは、召喚されたとしても禄に戦うことなどできん』
『だけど、あなたの力にならなれるわ』
『俺は、地獄の業火を』
『わしは天を裂く雷を』
『私は凍てつく氷塊を』
3人が幻光虫へと代わり、私の体の中に入る。
「!!」
『わたしは体を軽くし全てが見える力を』
『某は強大な力強さと剣技を』
『ボクは、全てに耐えうる強靭な力を』
残りの3人がまた幻光虫に代わって、アーロンの体の中に消えた。
→
14,Mar,2012
戦えるかどうかの選択肢なんて、ない。
戦わなくてはならないのだ。
それは、なぜ?
自分が攻撃を受けたから?
彼の言うことを聞かなかったから?
存在を許せなかったから?
そもそも、彼は一体誰なのか、それすら分かっていない。
彼は誰で、私に何を求めたのだろう?
何をしたかったのだろう?
私の隣にいるアーロンの言葉に、答えるのではなく疑問を膨らませた。
私達は何も知らないままに、戦おうとしている。戦ってしまっている。
僅かに落とした視線の端に、微かに淡い光が横切った。
目を向けた先にいたのは、ぼんやりと浮かぶフードの少年。
その体は向こう側が透けて見えてしまっている。
「…バハムート」
『ラフテル、戦う、の?』
アーロンの同じ問い掛けにも答えられずにいるというのに、また同じことを聞かれてしまった。
何と、何を答えて良いのか分からずに、私はまた俯いてしまう。
『戦いなさいよ』
『そうね』
『そうよ!』
「…!?」
あの時の女性達の声。
はっとして顔を上げる。
そこにいたのは、先程私とジェクトを回復させてくれた女性達。
「あなたたちは、さっきの…」
『ドグよ』『メグ』『ラグだよ』
『ラフテル、メーガス三姉妹だよ。彼女達も、僕と同じくらい長い年月を過ごしているんだ』
「あ、さっきは、ありがとう。ちゃんと礼も言えなくて…」
『そんなことより…』『あいつらのことが』『許せないかも!』
「!」
彼女達の後ろに、次々と浮かぶヒトの形。
それらは実体を保つことができないのか、皆一様に辛うじて見えているだけ。
この世界で平和に暮らしていたはずの、祈り子たち。
『俺たちの体を利用しようとしたあの男、危険だ』
『わしらは静かに暮らしたいだけじゃと言うに』
『だが、残った力は僅かばかり』
『召喚されなければ意味は無いわ』
『ラフテル…』
「…みんな…」
『ラフテル、戦うというなら、ボクたちの力を使って』
「…でも、私は召喚士じゃ、ない」
『わかってるわ』
『力のない俺たちは、召喚されたとしても禄に戦うことなどできん』
『だけど、あなたの力にならなれるわ』
『俺は、地獄の業火を』
『わしは天を裂く雷を』
『私は凍てつく氷塊を』
3人が幻光虫へと代わり、私の体の中に入る。
「!!」
『わたしは体を軽くし全てが見える力を』
『某は強大な力強さと剣技を』
『ボクは、全てに耐えうる強靭な力を』
残りの3人がまた幻光虫に代わって、アーロンの体の中に消えた。
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14,Mar,2012