第5章【気持ちと心の変化】
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ジェクトの猛攻は止まらない。
その巨体からは信じられないほどの速さで繰り出される攻撃を交わすのは至難の業だ。
小さな家など、いとも簡単に吹き飛ばしてしまいそうな剣の一振りで、私の体は風の前の塵に等しい。
その風圧だけで私は地に足を付けていることができなくなってしまう。
防御力を強化する魔法を施しているというのに、この威力。
その一撃一撃がとてつもなく重い。
振り払った剣の一撃からなんとか身をかわして体勢を整える。
だが、積み重ねられたダメージが、流した血の量が、限界に近づく。
私の足は私自身の体を支えることもできなくなって、その場に膝を着く。
もう、叫ぶ力も残っていない私は、私の体が見せる視界からあえて視線を外した。
振りかぶったジェクトの剣撃を受ける覚悟を持って…
瞑目して俯いた私に襲い繰るであろう、その凄まじい衝撃を覚悟して、その瞬間を待った。
しかし、その衝撃はいくら待っても襲ってこない。
恐る恐る開いた目に飛び込んできたのは、先程と同じ剣を振りかぶった姿勢のままのジェクト。
「(……?)」
一体何がどうなっているのかなんて丸で分からない。
ジェクトのみに何が起きたのか、そんなことを理解する必要は無い。
好機とばかりに、私の体はまた勝手に動き出す。
動かないジェクトに、私の武器である小太刀を向けて突進していく。
ジェクトは、なおも動かずにそのままだ。
突然、私の体が足を止めた。
頭の中に響いていた大音量の呻き声が消えていく。
そして同時に急激に襲い来る酷い痛みと疲労感。
突然の体の重みに、私は耐えられなくなってその場に崩れ落ちた。
私の体が、戻ってきた。
私は私の意志で自分の体を動かすことができるようになった。
だが、ジェクトとあれだけ激しい戦闘をしていたのだ。
ただ見ていただけだった時とは違い、その影響が突然襲い掛かってきた。
そして、耳に届いた微かな音。
……これは、…歌声…!?
美しい声で、悲しい旋律を奏でるピアノに合わせて、誰かが歌っている。
こんな異界の奥底で、こんな歌声が聞こえるなんて、有り得ない。
一体誰がどこで歌を歌っているというのだろう?
こんな悲しい歌を…
→
11,nov,2011
ジェクトの猛攻は止まらない。
その巨体からは信じられないほどの速さで繰り出される攻撃を交わすのは至難の業だ。
小さな家など、いとも簡単に吹き飛ばしてしまいそうな剣の一振りで、私の体は風の前の塵に等しい。
その風圧だけで私は地に足を付けていることができなくなってしまう。
防御力を強化する魔法を施しているというのに、この威力。
その一撃一撃がとてつもなく重い。
振り払った剣の一撃からなんとか身をかわして体勢を整える。
だが、積み重ねられたダメージが、流した血の量が、限界に近づく。
私の足は私自身の体を支えることもできなくなって、その場に膝を着く。
もう、叫ぶ力も残っていない私は、私の体が見せる視界からあえて視線を外した。
振りかぶったジェクトの剣撃を受ける覚悟を持って…
瞑目して俯いた私に襲い繰るであろう、その凄まじい衝撃を覚悟して、その瞬間を待った。
しかし、その衝撃はいくら待っても襲ってこない。
恐る恐る開いた目に飛び込んできたのは、先程と同じ剣を振りかぶった姿勢のままのジェクト。
「(……?)」
一体何がどうなっているのかなんて丸で分からない。
ジェクトのみに何が起きたのか、そんなことを理解する必要は無い。
好機とばかりに、私の体はまた勝手に動き出す。
動かないジェクトに、私の武器である小太刀を向けて突進していく。
ジェクトは、なおも動かずにそのままだ。
突然、私の体が足を止めた。
頭の中に響いていた大音量の呻き声が消えていく。
そして同時に急激に襲い来る酷い痛みと疲労感。
突然の体の重みに、私は耐えられなくなってその場に崩れ落ちた。
私の体が、戻ってきた。
私は私の意志で自分の体を動かすことができるようになった。
だが、ジェクトとあれだけ激しい戦闘をしていたのだ。
ただ見ていただけだった時とは違い、その影響が突然襲い掛かってきた。
そして、耳に届いた微かな音。
……これは、…歌声…!?
美しい声で、悲しい旋律を奏でるピアノに合わせて、誰かが歌っている。
こんな異界の奥底で、こんな歌声が聞こえるなんて、有り得ない。
一体誰がどこで歌を歌っているというのだろう?
こんな悲しい歌を…
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11,nov,2011